FE_TONEAREST を使って浮動小数点数を丸める

2024-04-02

C言語における FE_TONEAREST の詳細解説

FE_TONEAREST の動作

以下の例では、FE_TONEAREST を使用して、3.1415926535 を小数点以下2桁に丸めます。

#include <fenv.h>
#include <stdio.h>

int main() {
  // FE_TONEAREST を丸めモードとして設定
  fesetround(FE_TONEAREST);

  double value = 3.1415926535;
  double rounded_value;

  // 四捨五入で丸める
  rounded_value = round(value * 100) / 100;

  printf("丸めた値: %.2f\n", rounded_value);

  return 0;
}

このコードを実行すると、以下の出力が得られます。

丸めた値: 3.14

上記のように、FE_TONEAREST を使用すると、3.1415926535 は 0.5 に近い 14 に丸められます。

FE_TONEAREST の利点と欠点

FE_TONEAREST には、以下の利点と欠点があります。

利点

  • 四捨五入は、最も一般的な丸め方法であり、多くの場合、最も正確な結果を得ることができます。
  • 数学的な計算において、誤差を最小限に抑えることができます。

欠点

  • 特定の状況では、他の丸めモードの方が望ましい場合があります。例えば、金融計算では、切り捨て (FE_TOWARDZERO) の方が望ましい場合があります。

FE_TONEAREST は、以下のような状況で使用されます。

  • 科学計算
  • 金融計算
  • エンジニアリング
  • グラフィック

補足情報

  • FE_TONEAREST は、IEEE 754 浮動小数点数標準で定義されている丸めモードです。
  • C言語以外にも、多くのプログラミング言語で FE_TONEAREST のような丸めモードを設定する機能が提供されています。

FE_TONEAREST に関する質問や疑問があれば、遠慮なく聞いてください。



FE_TONEAREST を使用したサンプルコード

四捨五入による丸め

#include <fenv.h>
#include <stdio.h>

int main() {
  // FE_TONEAREST を丸めモードとして設定
  fesetround(FE_TONEAREST);

  double values[] = {3.14159, 2.71828, 1.61803};
  int n = sizeof(values) / sizeof(values[0]);

  for (int i = 0; i < n; i++) {
    double rounded_value = round(values[i] * 100) / 100;
    printf("%.4f -> %.2f\n", values[i], rounded_value);
  }

  return 0;
}

範囲内の値の丸め

#include <fenv.h>
#include <stdio.h>

int main() {
  // FE_TONEAREST を丸めモードとして設定
  fesetround(FE_TONEAREST);

  double min_value = 1.0;
  double max_value = 10.0;
  double step = 0.1;

  for (double value = min_value; value <= max_value; value += step) {
    double rounded_value = round(value * 10) / 10;
    if (rounded_value < min_value || rounded_value > max_value) {
      printf("%.1f は範囲外です\n", value);
    } else {
      printf("%.1f -> %.1f\n", value, rounded_value);
    }
  }

  return 0;
}

このコードは、1.0 から 10.0 までの範囲を 0.1 刻みで走査し、各値を四捨五入で丸めます。範囲外の値は出力されます。

金額計算

#include <fenv.h>
#include <stdio.h>

int main() {
  // FE_TONEAREST を丸めモードとして設定
  fesetround(FE_TONEAREST);

  double price = 123.456;
  double tax_rate = 0.1;

  double tax = price * tax_rate;
  double total_price = price + tax;

  printf("商品価格: %.2f\n", price);
  printf("税率: %.1f%%\n", tax_rate * 100);
  printf("税金: %.2f\n", tax);
  printf("合計金額: %.2f\n", total_price);

  return 0;
}

このコードは、商品価格 123.45610% の税率を適用し、合計金額を四捨五入で計算します。

上記のコードはあくまでも例であり、必要に応じて変更することができます。FE_TONEAREST を使用したサンプルコードは、インターネット上でも多数見つけることができます。



浮動小数点数の丸め処理の他の方法

数学関数を使う

C言語標準ライブラリには、浮動小数点数を丸め処理するための数学関数がいくつか用意されています。代表的な関数は以下のとおりです。

  • floor(x): x を切り捨てて整数にします。
  • ceil(x): x を切り上げて整数にします。
  • round(x): x を四捨五入して整数にします。
  • lround(x): x を最も近い整数に丸めます。
  • llround(x): x を最も近い整数に丸めます (64 ビット整数)。

これらの関数は、fenv.h ヘッダーファイルで定義されている fesetround() 関数を使うよりも簡単に丸め処理を行うことができます。

マクロを使う

C言語には、浮動小数点数を丸め処理するためのマクロがいくつか定義されています。代表的なマクロは以下のとおりです。

  • F_ROUND_TO_NEAREST: 四捨五入
  • F_ROUND_TO_ZERO: 切り捨て
  • F_ROUND_TO_POS_INF: 切り上げ

これらのマクロは、math.h ヘッダーファイルで定義されています。

手動で丸め処理を行う

上記のいずれの方法も使わずに、手動で丸め処理を行うこともできます。例えば、以下のようなコードで、x を小数点以下1桁に四捨五入することができます。

double rounded_value = (int)(x * 10 + 0.5) / 10;

組み込み関数を

一部のコンパイラでは、浮動小数点数の丸め処理を行う組み込み関数が提供されています。これらの関数は、通常、math.h ヘッダーファイルで定義されています。

  • 簡単な丸め処理を行いたい場合は、数学関数を使うのが最も簡単です。
  • より細かい制御が必要な場合は、マクロを使うことができます。
  • 速度が重要な場合は、手動で丸め処理を行うことができます。
  • 特定のコンパイラでしか使えない機能が必要な場合は、組み込み関数を



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