C言語で空白文字を判定: iswspace 関数

2024-04-02

C言語の文字列関数 iswspace 解説

概要

  • 機能: 指定された文字が空白文字かどうかを判定
  • ヘッダファイル: <wctype.h>
  • プロトタイプ:
int iswspace(wint_t wc);
  • 引数:

    • wc: 判定対象のワイド文字
  • 戻り値:

    • 空白文字の場合: 0 以外
    • 空白文字でない場合: 0

空白文字の定義

iswspace 関数は、以下の文字を空白文字とみなします。

  • 空白 (U+0020)
  • 水平タブ (U+0009)
  • 垂直タブ (U+000B)
  • フォームフィード (U+000C)
  • 改行 (U+000A)
  • キャリッジリターン (U+000D)

使用例

#include <wctype.h>

int main() {
  wchar_t c = L' '; // 空白文字
  if (iswspace(c)) {
    printf("'%lc' は空白文字です。\n", c);
  } else {
    printf("'%lc' は空白文字ではありません。\n", c);
  }

  return 0;
}

この例では、L' ' という空白文字を判定し、空白文字であることを出力します。

関連関数

  • isspace: バイト文字版
  • iswblank: 空白文字またはタブ文字かどうかを判定

注意点

  • iswspace はロケールによって影響を受ける可能性があります。
  • マルチバイト文字列を使用する場合は、mbtowcwcstombs などの関数を使用して、ワイド文字とバイト文字間で変換する必要があります。

まとめ

iswspace 関数は、C言語で文字列処理を行う際に、空白文字を判定するのに役立ちます。



文字列内の空白文字をすべて削除する

#include <wctype.h>

int main() {
  wchar_t str[] = L"This is a string with spaces.";
  wchar_t *p = str;

  // 先頭から空白文字をスキップ
  while (iswspace(*p)) {
    p++;
  }

  // 文字列の終端までループ
  while (*p) {
    // 空白文字でない場合は出力
    if (!iswspace(*p)) {
      putchar(*p);
    }
    p++;
  }

  putchar('\n');

  return 0;
}

文字列が空白文字のみかどうかを判定する

#include <wctype.h>

int main() {
  wchar_t str[] = L"   "; // 空白のみの文字列

  // 全ての文字が空白文字かどうか判定
  int is_all_space = 1;
  for (const wchar_t *p = str; *p; p++) {
    if (!iswspace(*p)) {
      is_all_space = 0;
      break;
    }
  }

  if (is_all_space) {
    printf("'%ls' は空白のみの文字列です。\n", str);
  } else {
    printf("'%ls' は空白のみの文字列ではありません。\n", str);
  }

  return 0;
}

このコードは、str が空白のみかどうかを判定し、結果を出力します。

文字列内の空白文字を別の文字に置き換える

#include <wctype.h>

int main() {
  wchar_t str[] = L"This is a string with spaces.";
  wchar_t *p = str;

  // 先頭から空白文字をスキップ
  while (iswspace(*p)) {
    p++;
  }

  // 文字列の終端までループ
  while (*p) {
    // 空白文字の場合は '_' に置き換える
    if (iswspace(*p)) {
      *p = L'_';
    }
    p++;
  }

  wprintf(L"%ls\n", str);

  return 0;
}

このコードは、str 内の空白文字をすべて _ に置き換え、結果を出力します。

特定の空白文字のみを判定する

#include <wctype.h>

int main() {
  wchar_t c = L'\t'; // タブ文字

  // タブ文字かどうか判定
  if (iswblank(c)) {
    printf("'%lc' はタブ文字です。\n", c);
  } else {
    printf("'%lc' はタブ文字ではありません。\n", c);
  }

  return 0;
}

このコードは、c がタブ文字かどうかを判定し、結果を出力します。

応用

iswspace 関数は、さまざまな文字列処理に役立ちます。

  • 入力文字列のバリデーション
  • 文字列のフォーマット調整
  • トークナイゼーション

これらのサンプルコードは、iswspace 関数の使い方を理解するのに役立つでしょう。



iswspace 以外の方法

isspace 関数は、バイト文字版の iswspace 関数です。ワイド文字列ではなく、通常のバイト文字列で空白文字を判定する場合に使用できます。

#include <ctype.h>

int main() {
  char str[] = "This is a string with spaces.";
  char *p = str;

  // 先頭から空白文字をスキップ
  while (isspace(*p)) {
    p++;
  }

  // ...

  return 0;
}

手動で判定する

iswspaceisspace などの関数を使わずに、手動で空白文字を判定することもできます。

int is_space(char c) {
  return (c == ' ' || c == '\t' || c == '\n' || c == '\r' || c == '\v' || c == '\f');
}

int main() {
  char str[] = "This is a string with spaces.";
  char *p = str;

  // 先頭から空白文字をスキップ
  while (is_space(*p)) {
    p++;
  }

  // ...

  return 0;
}

このコードは、空白文字とされる文字を個別に判定しています。

正規表現を使って、空白文字を処理することもできます。

#include <regex.h>

int main() {
  char str[] = "This is a string with spaces.";
  regex_t regex;
  regmatch_t match;

  // 空白文字を表す正規表現をコンパイル
  regcomp(&regex, "[[:space:]]", 0);

  // 最初の空白文字を探す
  if (regexec(&regex, str, 1, &match, 0) == 0) {
    // ...
  }

  regfree(&regex);

  return 0;
}

このコードは、[[:space:]] という正規表現を使って、空白文字を検索しています。

iswspace 関数は、C言語で空白文字を処理する便利な関数です。しかし、状況によっては他の方法の方が適している場合もあります。




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