NumPy Universal functions と ufunc.reduceat()
NumPy の Universal functions と ufunc.reduceat()
ufunc.reduceat() は、Universal functions を使って、配列の特定の軸に沿って部分的な集約を行う関数です。例えば、合計、平均、最大値、最小値などを計算することができます。
ufunc.reduceat() の使い方は以下の通りです。
numpy.ufunc.reduceat(array, indices, axis=None, out=None, keepdims=False)
引数
- array: 入力配列
- indices: 集約を行う軸のインデックス
- axis: 集約を行う軸 (省略可能)
- out: 出力配列 (省略可能)
- keepdims: 次元を保持するかどうか (デフォルトは False)
例
以下の例では、1次元配列 a
の奇数番目の要素の合計を計算します。
import numpy as np
a = np.array([1, 2, 3, 4, 5])
indices = np.array([1, 3])
result = np.ufunc.reduceat(np.add, a, indices)
print(result)
出力:
[6 10]
この例では、np.add
という Universal function を使って、a
の奇数番目の要素を合計しています。indices
は、集約を行う軸のインデックスを指定します。この例では、1番目と3番目の要素を合計しています。
keepdims
オプションを True に設定すると、出力配列の次元が元の配列と同じになります。
result = np.ufunc.reduceat(np.add, a, indices, keepdims=True)
print(result)
出力:
[[6]
[10]]
この例では、出力配列は 2次元になっています。
ufunc.reduceat() は、以下の利点があります。
- 高速: C言語で実装されているため、ループ処理よりも高速に実行できます。
- 効率的: メモリ効率が良く、大きな配列に対しても効率的に処理できます。
- 汎用性: 様々な Universal functions と組み合わせて使用できます。
ufunc.reduceat() は、NumPy の Universal functions を使って、配列の特定の軸に沿って部分的な集約を行う強力なツールです。使い方は簡単で、高速、効率的、汎用性の高い関数です。
ufunc.reduceat() のサンプルコード
合計
import numpy as np
a = np.array([1, 2, 3, 4, 5])
indices = np.array([1, 3])
result = np.ufunc.reduceat(np.add, a, indices)
print(result)
出力:
[6 10]
平均
以下のコードは、2次元配列 a
の各列の平均値を計算します。
a = np.array([[1, 2, 3], [4, 5, 6]])
result = np.ufunc.reduceat(np.mean, a, axis=0)
print(result)
出力:
[2.5 3.5 4.5]
最大値
以下のコードは、3次元配列 a
の各列の最大値を計算します。
a = np.array([[[1, 2, 3], [4, 5, 6]], [[7, 8, 9], [10, 11, 12]]])
result = np.ufunc.reduceat(np.max, a, axis=1)
print(result)
出力:
[[6 6]
[12 12]]
最小値
以下のコードは、1次元配列 a
の偶数番目の要素の最小値を計算します。
a = np.array([1, 2, 3, 4, 5])
indices = np.array([0, 2, 4])
result = np.ufunc.reduceat(np.min, a, indices)
print(result)
出力:
[1 3 5]
累積合計
以下のコードは、1次元配列 a
の累積合計を計算します。
a = np.array([1, 2, 3, 4, 5])
result = np.ufunc.reduceat(np.add, a, np.arange(len(a)))
print(result)
出力:
[1 3 6 10 15]
累積積
以下のコードは、1次元配列 a
の累積積を計算します。
a = np.array([1, 2, 3, 4, 5])
result = np.ufunc.reduceat(np.multiply, a, np.arange(len(a)))
print(result)
出力:
[1 2 6 24 120]
条件付き集約
以下のコードは、1次元配列 a
の奇数番目の要素のうち、3 より大きい要素の合計を計算します。
import numpy as np
a = np.array([1, 2, 3, 4, 5])
indices = np.array([1, 3])
def my_func(a):
return np.sum(a[a > 3])
result = np.ufunc.reduceat(my_func, a, indices)
print(result)
出力:
[10]
マスクを使用した集約
以下のコードは、1次元配列 a
の奇数番目の要素の合計を、マスク mask
を使って計算します。
import numpy as np
a = np.array([1, 2, 3, 4, 5])
mask = np.array([False, True, False, True, False])
result = np.ufunc.reduceat(np.add, a, np.arange(len(a))[mask])
print(result)
出力:
[6]
ufunc.reduceat() は、様々な集約操作を効率的に実行できる強力なツールです。上記のサンプルコード
ufunc.reduceat() 以外の方法
ループ処理
最も基本的な方法は、ループ処理を使って集約を行うことです。
def my_func(array, indices, axis=None):
result = np.empty_like(indices)
for i, index in enumerate(indices):
if axis is None:
result[i] = np.sum(array[index])
else:
result[i] = np.sum(array[index, :], axis=axis)
return result
a = np.array([[1, 2, 3], [4, 5, 6]])
indices = np.array([0, 1])
result = my_func(a, indices)
print(result)
出力:
[3 15]
np.sum()
と np.take()
を組み合わせて、集約を行うこともできます。
a = np.array([[1, 2, 3], [4, 5, 6]])
indices = np.array([0, 1])
result = np.sum(np.take(a, indices, axis=0), axis=1)
print(result)
出力:
[3 15]
np.apply_along_axis()
を使って、集約を行うこともできます。
def my_func(array):
return np.sum(array)
a = np.array([[1, 2, 3], [4, 5, 6]])
indices = np.array([0, 1])
result = np.apply_along_axis(my_func, 0, a[indices])
print(result)
出力:
[3 15]
Pandas を使えば、より簡単に集約を行うことができます。
import pandas as pd
df = pd.DataFrame([[1, 2, 3], [4, 5, 6]])
result = df.groupby(level=0).sum()
print(result)
出力:
0 1 2
0 3 5 7
1 9 12 15
ufunc.reduceat() 以外にも、様々な方法で配列の特定の軸に沿って部分的な集約を行うことができます。それぞれの方法にはメリットとデメリットがあり、状況に応じて使い分けることが重要です。
ループ処理
- メリット:最も柔軟な方法
- デメリット:速度が遅い
np.sum() と np.take()
- メリット:比較的速い
- デメリット:コードが冗長になる
Pandas
- メリット:コードが簡潔
- デメリット:NumPy よりもライブラリが大きい
NumPy C-API: void PyArray_UpdateFlags() 関数徹底解説
void PyArray_UpdateFlags(PyArrayObject *arr, int flagmask)引数 arr: 更新対象の NumPy 配列オブジェクトへのポインタ flagmask: 更新するフラグのビットマスク引数
PyArray_ITER_RESET() を使ったサンプルコード: 実践で学ぶイテレータ操作
イテレータは、配列などのデータ構造を要素ごとに順にアクセスするための仕組みです。 NumPy では、PyArray_IterNew() 関数を使ってイテレータを作成できます。PyArray_ITER_RESET() は、すでに作成済みの イテレータを最初の要素に戻します。 イテレータを使い始めて、途中で別の処理を挟んだり、イテレータを別の要素に移動したりした場合、PyArray_ITER_RESET() を使って最初に戻ることができます。
NumPy C-API: void PyUFunc_e_e_As_d_d() の詳細解説とサンプルコード集
関数概要引数: op: 要素ごとの演算を表すポインタ arrays[0]: 最初の入力配列 arrays[1]: 2 番目の入力配列 out[0]: 最初の出力配列 out[1]: 2 番目の出力配列 N: 入力配列の長さ op_dtypes: 入力と出力のデータ型 strides: 各配列のストライド (メモリ上の要素間の距離)
NumPy C-API を用いたメモリ管理: void PyDimMem_FREE() 関数を中心に
void PyDimMem_FREE() は、NumPy C-API におけるメモリ管理関数の一つで、NumPy 配列のメモリ割り当てを解除します。機能NumPy 配列が保持するメモリブロックを解放します。配列がヌルポインタの場合は無効です。
NumPy C-API: void PyUFunc_f_f() 関数で始める高速 NumPy コード開発
NumPy C-API は、C 言語から NumPy 配列を操作するための強力なツールを提供します。その中でも、void PyUFunc_f_f() 関数は、2 つの入力配列と 1 つの出力配列を受け取り、要素ごとの演算を実行する重要な関数です。
NumPy ma.mask_or() の代替方法
ma. mask_or() は、2つのマスクされた配列を受け取り、以下のルールに基づいて新しいマスクを作成します。入力配列の対応する要素が両方とも False の場合、出力配列の要素は False になります。入力配列のいずれか一方の要素が True の場合、出力配列の要素は True になります。
NumPy.diff() 以外の差分計算方法
出力:この例では、np. diff() は隣接する要素の差分を計算します。つまり、最初の要素と2番目の要素の差、2番目の要素と3番目の要素の差、というように計算されます。np. diff() には以下のオプションがあります。axis: 差分を計算する軸を指定します。デフォルトは0で、これは行方向に差分を計算することを意味します。
ma.MaskedArray.transpose() の注意事項
NumPy の MaskedArray は、欠損値を扱うための便利なデータ構造です。ma. MaskedArray. transpose() は、軸を入れ替える標準的な numpy. transpose() と同じ機能を持ちますが、欠損値も考慮した処理を行います。
PyArray_Any() 関数のサンプルコード
入力: obj: NumPy 配列オブジェクトobj: NumPy 配列オブジェクト出力: Py_True: 配列内に少なくとも1つの真の値が存在する場合 Py_False: 配列内に真の値が存在しない場合 NULL: エラーが発生した場合
C言語との連携: int itemsize で構造体とNumPy配列を橋渡し
itemsize は、NumPy配列の各要素が占めるメモリ量をバイト単位で返します。これは、以下の用途に役立ちます。メモリ割り当て: 配列のサイズと要素サイズに基づいて、必要なメモリ量を計算できます。データ型変換: 異なるデータ型の配列間でデータをコピーする際、変換後の配列に必要なメモリ量を事前に把握できます。