知っておきたいQAbstractTextDocumentLayout::updateBlock() 関数の裏技

Qt GUI の QAbstractTextDocumentLayout::updateBlock() 関数について

この関数の役割

• 指定されたブロックとその周辺のブロックのレイアウトを更新します。
• テキストのフォーマット、行の折り返し、段落の配置などを調整します。
• 必要に応じて、他のブロックのレイアウトも更新します。

この関数の引数

• block: 更新対象となるブロック
• layoutChanged: レイアウトが変更されたかどうかを示すフラグ
• textChanged: テキストの内容が変更されたかどうかを示すフラグ

この関数の戻り値

なし

この関数の使い方

void QAbstractTextDocumentLayout::updateBlock(const QTextBlock &block,
                                             bool layoutChanged = true,
                                             bool textChanged = true)

この関数の使用例

// テキストドキュメントの内容が変更された場合

void MyTextDocument::textChanged(const QTextDocument *document)
{
  QAbstractTextDocumentLayout *layout = document->documentLayout();
  layout->updateBlock(document->firstBlock());
}

// テキストドキュメントの表示領域が変更された場合

void MyTextEdit::resizeEvent(QResizeEvent *event)
{
  QAbstractTextDocumentLayout *layout = document()->documentLayout();
  layout->updateBlock(document()->firstBlock());
}

注意事項

• この関数は、QAbstractTextDocumentLayout クラスの派生クラスで実装する必要があります。
• この関数は、テキストドキュメントのスレッドと同期して呼び出す必要があります。

補足説明

QAbstractTextDocumentLayout クラスは、Qt GUI フレームワークにおけるテキストドキュメントのレイアウトを管理するための抽象クラスです。このクラスは、テキストドキュメントの内容を画面に表示するためのレイアウト情報を提供します。

テキストドキュメントのレイアウトは、以下の要素で構成されます。

• テキストのフォーマット: フォント、文字サイズ、色などの属性
• 行の折り返し: 長い行を画面の幅に合わせて折り返す
• 段落の配置: 左揃え、中央揃え、右揃えなどの配置
• その他のレイアウト情報: 行間、段落の間隔、マージンなど

QAbstractTextDocumentLayout::updateBlock() 関数は、これらの要素を更新するために使用されます。

QAbstractTextDocumentLayout::updateBlock() 関数は、Qt GUI フレームワークにおける重要な関数の一つです。テキストドキュメントの内容や表示領域が変更された場合に、この関数を呼び出してテキストドキュメントのレイアウトを更新する必要があります。

QAbstractTextDocumentLayout::updateBlock() 関数のサンプルコード

class MyTextDocument : public QTextDocument
{
  Q_OBJECT
public:
  MyTextDocument(QObject *parent = nullptr) : QTextDocument(parent) {}

protected:
  void textChanged(const QTextDocument *document) override
  {
    QAbstractTextDocumentLayout *layout = document->documentLayout();
    layout->updateBlock(document->firstBlock());
  }
};

int main(int argc, char *argv[])
{
  QApplication app(argc, argv);

  MyTextDocument document;
  QTextEdit edit(&document);

  // テキストを入力

  edit.setText("This is some text.\nThis is some more text.");

  // テキストドキュメントの内容が変更されたので、レイアウトを更新

  document.textChanged(&document);

  edit.show();

  return app.exec();
}

例2：テキストドキュメントの表示領域が変更された場合

class MyTextEdit : public QTextEdit
{
  Q_OBJECT
public:
  MyTextEdit(QWidget *parent = nullptr) : QTextEdit(parent) {}

protected:
  void resizeEvent(QResizeEvent *event) override
  {
    QAbstractTextDocumentLayout *layout = document()->documentLayout();
    layout->updateBlock(document()->firstBlock());

    QTextEdit::resizeEvent(event);
  }
};

int main(int argc, char *argv[])
{
  QApplication app(argc, argv);

  MyTextEdit edit;

  // テキストを入力

  edit.setText("This is some text.\nThis is some more text.");

  edit.show();

  // ウィンドウのサイズを変更

  edit.resize(400, 300);

  return app.exec();
}

例3：複数のブロックを更新

void updateBlocks(QAbstractTextDocumentLayout *layout,
                  const QTextBlock &startBlock,
                  const QTextBlock &endBlock)
{
  for (QTextBlock block = startBlock; block != endBlock.next(); block = block.next()) {
    layout->updateBlock(block);
  }
}

int main(int argc, char *argv[])
{
  QApplication app(argc, argv);

  QTextDocument document;
  QTextEdit edit(&document);

  // テキストを入力

  edit.setText("This is some text.\nThis is some more text.");

  // 最初の2つのブロックを更新

  QAbstractTextDocumentLayout *layout = document.documentLayout();
  updateBlocks(layout, document.firstBlock(), document.firstBlock().next());

  edit.show();

  return app.exec();
}

これらのサンプルコードは、QAbstractTextDocumentLayout::updateBlock() 関数の使用方法を示しています。これらのコードを参考に、アプリケーションのニーズに合わせて使用してください。

上記のサンプルコードはあくまでも参考用であり、いかなる保証もありません。コードを使用する前に、必ずテストを行ってください。

QAbstractTextDocumentLayout::updateBlock() 関数の代替方法

代替方法 1: QTextDocument::setModified() 関数

QTextDocument::setModified() 関数は、テキストドキュメントの内容が変更されたことを示すフラグを設定します。このフラグが設定されると、Qt は自動的にテキストドキュメントのレイアウトを更新します。

void MyTextDocument::textChanged(const QTextDocument *document)
{
  document->setModified(true);
}

代替方法 2: QTextCursor::insertText() 関数

QTextCursor::insertText() 関数は、テキストドキュメントにテキストを挿入します。この関数は、挿入されたテキストのレイアウトを自動的に更新します。

void MyTextEdit::insertText(const QString &text)
{
  QTextCursor cursor = textCursor();
  cursor.insertText(text);
}

代替方法 3: QTextDocument::findBlockByLineNumber() 関数

QTextDocument::findBlockByLineNumber() 関数は、指定された行番号のブロックを取得します。この関数は、特定のブロックのレイアウトを更新したい場合に使用できます。

void MyTextEdit::updateBlockByLineNumber(int lineNumber)
{
  QTextBlock block = document()->findBlockByLineNumber(lineNumber);
  QAbstractTextDocumentLayout *layout = document()->documentLayout();
  layout->updateBlock(block);
}

使用する方法は、アプリケーションのニーズによって異なります。

• テキストドキュメントの内容が頻繁に変更される場合は、QTextDocument::setModified() 関数を使用するのが最も効率的です。
• 特定の位置にテキストを挿入する場合は、QTextCursor::insertText() 関数を使用するのが最も簡単です。
• 特定のブロックのレイアウトを更新したい場合は、QTextDocument::findBlockByLineNumber() 関数を使用するのが最も適切です。

QAbstractTextDocumentLayout::updateBlock() 関数は、テキストドキュメントのレイアウトを更新する強力なツールですが、いくつかの代替方法もあります。どの方法を使用するべきかは、アプリケーションのニーズによって異なります。