QOpenGLExtraFunctions::glObjectLabel() 関数によるラベル付け

Qt GUIにおけるQOpenGLExtraFunctions::glObjectLabel()解説

QOpenGLExtraFunctions::glObjectLabel()は、Qt GUIでOpenGLオブジェクトにラベルを付けるための関数です。ラベルは、オブジェクトを識別し、デバッグを容易にするために役立ちます。

関数宣言

void glObjectLabel(GLenum type, GLuint object, GLsizei length, const char *label);

引数

• type: ラベルを付けるオブジェクトの種類
• object: ラベルを付けるオブジェクトのID
• length: ラベルの長さ
• label: ラベル文字列

使用例

// OpenGLコンテキストを取得
QOpenGLContext *context = QOpenGLContext::currentContext();

// 頂点バッファオブジェクトを作成
GLuint vertexBuffer;
glGenBuffers(1, &vertexBuffer);

// 頂点バッファオブジェクトにラベルを付ける
QOpenGLExtraFunctions::glObjectLabel(GL_BUFFER, vertexBuffer, -1, "Vertex Buffer");

// ...

// 頂点バッファオブジェクトを削除
glDeleteBuffers(1, &vertexBuffer);

詳細

• type は以下のいずれかの値を指定できます。

  • GL_BUFFER: 頂点バッファオブジェクト、ピクセルバッファオブジェクト、その他のバッファオブジェクト
  • GL_SHADER: 頂点シェーダー、フラグメントシェーダー、その他のシェーダーオブジェクト
  • GL_PROGRAM: プログラムオブジェクト
  • GL_TEXTURE: テクスチャオブジェクト
  • GL_RENDERBUFFER: レンダーバッファオブジェクト
  • GL_FRAMEBUFFER: フレームバッファオブジェクト

• length はラベル文字列の長さを指定します。末尾のヌル文字を含みます。

• label はラベル文字列を指すポインタです。

注意事項

• glObjectLabel() はOpenGL 4.3以降でサポートされています。
• Qt 5.15以降では、QOpenGLFunctions クラスではなく QOpenGLExtraFunctions クラスを使用する必要があります。

補足

• ラベルはデバッグ目的で主に使用されます。
• ラベルはOpenGLアプリケーションのパフォーマンスに影響を与えません。
• ラベルはOpenGLコンテキスト間で共有されません。

QOpenGLExtraFunctions::glObjectLabel() は、Qt GUIでOpenGLオブジェクトにラベルを付けるための便利な関数です。ラベルは、オブジェクトを識別し、デバッグを容易にするために役立ちます。

Qt GUIにおけるQOpenGLExtraFunctions::glObjectLabel()のサンプルコード

頂点バッファオブジェクトにラベルを付ける

// OpenGLコンテキストを取得
QOpenGLContext *context = QOpenGLContext::currentContext();

// 頂点バッファオブジェクトを作成
GLuint vertexBuffer;
glGenBuffers(1, &vertexBuffer);

// 頂点バッファオブジェクトにラベルを付ける
QOpenGLExtraFunctions::glObjectLabel(GL_BUFFER, vertexBuffer, -1, "Vertex Buffer");

// 頂点バッファオブジェクトをバインド
glBindBuffer(GL_ARRAY_BUFFER, vertexBuffer);

// 頂点データを設定
// ...

// 頂点バッファオブジェクトを解除
glBindBuffer(GL_ARRAY_BUFFER, 0);

// ...

// 頂点バッファオブジェクトを削除
glDeleteBuffers(1, &vertexBuffer);

シェーダーオブジェクトにラベルを付ける

// OpenGLコンテキストを取得
QOpenGLContext *context = QOpenGLContext::currentContext();

// 頂点シェーダーを作成
GLuint vertexShader = glCreateShader(GL_VERTEX_SHADER);

// 頂点シェーダーソースコードを設定
// ...

// 頂点シェーダーをコンパイル
glCompileShader(vertexShader);

// フラグメントシェーダーを作成
GLuint fragmentShader = glCreateShader(GL_FRAGMENT_SHADER);

// フラグメントシェーダーソースコードを設定
// ...

// フラグメントシェーダーをコンパイル
glCompileShader(fragmentShader);

// プログラムオブジェクトを作成
GLuint program = glCreateProgram();

// 頂点シェーダーとフラグメントシェーダーをプログラムオブジェクトにアタッチ
glAttachShader(program, vertexShader);
glAttachShader(program, fragmentShader);

// プログラムオブジェクトをリンク
glLinkProgram(program);

// プログラムオブジェクトにラベルを付ける
QOpenGLExtraFunctions::glObjectLabel(GL_PROGRAM, program, -1, "My Shader Program");

// プログラムオブジェクトを使用
glUseProgram(program);

// ...

// プログラムオブジェクトを削除
glDeleteProgram(program);

// シェーダーオブジェクトを削除
glDeleteShader(vertexShader);
glDeleteShader(fragmentShader);

テクスチャオブジェクトにラベルを付ける

// OpenGLコンテキストを取得
QOpenGLContext *context = QOpenGLContext::currentContext();

// テクスチャオブジェクトを作成
GLuint texture;
glGenTextures(1, &texture);

// テクスチャデータを設定
// ...

// テクスチャオブジェクトにラベルを付ける
QOpenGLExtraFunctions::glObjectLabel(GL_TEXTURE, texture, -1, "My Texture");

// テクスチャオブジェクトを使用
glBindTexture(GL_TEXTURE_2D, texture);

// ...

// テクスチャオブジェクトを削除
glDeleteTextures(1, &texture);

Qt GUIでOpenGLオブジェクトにラベルを付けるその他の方法

QOpenGLDebugLogger クラスを使用すると、OpenGLエラーや警告メッセージをログに出力することができます。ログメッセージには、オブジェクトのラベルを含めることができます。

// OpenGLデバッグロガーを作成
QOpenGLDebugLogger logger;

// OpenGLデバッグロガーを有効にする
logger.startLogging();

// ...

// OpenGLエラーが発生した場合
if (logger.hasError()) {
  // エラーメッセージを取得
  QOpenGLDebugMessage message = logger.nextMessage();

  // エラーメッセージにオブジェクトのラベルが含まれていることを確認
  if (message.type() == QOpenGLDebugMessage::Error) {
    // オブジェクトのラベルを取得
    QString label = message.objectLabel();

    // エラーメッセージを処理
    // ...
  }
}

// ...

// OpenGLデバッグロガーを無効にする
logger.stopLogging();

独自のラベル管理システムを作成することもできます。このシステムは、オブジェクトとラベルの対応関係を保存するデータベースを使用することができます。

// ラベル管理システムクラス
class LabelManager {
public:
  // オブジェクトにラベルを付ける
  void addLabel(GLuint object, const QString &label);

  // オブジェクトのラベルを取得
  QString getLabel(GLuint object);

  // ...
};

// ...

// ラベル管理システムを作成
LabelManager labelManager;

// オブジェクトにラベルを付ける
labelManager.addLabel(vertexBuffer, "Vertex Buffer");

// オブジェクトのラベルを取得
QString label = labelManager.getLabel(vertexBuffer);

// ...

OpenGL拡張機能を使用

OpenGLには、オブジェクトにラベルを付けるための拡張機能がいくつかあります。これらの拡張機能を使用すると、glObjectLabel() 関数よりも多くの機能を利用することができます。

• GL_KHR_debug 拡張機能: オブジェクトにラベルを付けるだけでなく、デバッグメッセージを出力するための機能も提供します。
• GL_ARB_debug_output 拡張機能: GL_KHR_debug 拡張機能よりも多くの機能を提供します。

これらの拡張機能を使用するには、OpenGLコンテキストが対応している必要があります。

Qt GUIでOpenGLオブジェクトにラベルを付ける方法はいくつかあります。どの方法を使用するかは、開発者のニーズと環境によって異なります。