C言語で空白文字を判定: iswspace 関数
C言語の文字列関数 iswspace 解説
概要
- 機能: 指定された文字が空白文字かどうかを判定
- ヘッダファイル:
<wctype.h>
- プロトタイプ:
int iswspace(wint_t wc);
-
引数:
wc
: 判定対象のワイド文字
-
戻り値:
- 空白文字の場合: 0 以外
- 空白文字でない場合: 0
空白文字の定義
iswspace
関数は、以下の文字を空白文字とみなします。
- 空白 (U+0020)
- 水平タブ (U+0009)
- 垂直タブ (U+000B)
- フォームフィード (U+000C)
- 改行 (U+000A)
- キャリッジリターン (U+000D)
使用例
#include <wctype.h>
int main() {
wchar_t c = L' '; // 空白文字
if (iswspace(c)) {
printf("'%lc' は空白文字です。\n", c);
} else {
printf("'%lc' は空白文字ではありません。\n", c);
}
return 0;
}
この例では、L' '
という空白文字を判定し、空白文字であることを出力します。
関連関数
isspace
: バイト文字版iswblank
: 空白文字またはタブ文字かどうかを判定
注意点
iswspace
はロケールによって影響を受ける可能性があります。- マルチバイト文字列を使用する場合は、
mbtowc
やwcstombs
などの関数を使用して、ワイド文字とバイト文字間で変換する必要があります。
まとめ
iswspace
関数は、C言語で文字列処理を行う際に、空白文字を判定するのに役立ちます。
文字列内の空白文字をすべて削除する
#include <wctype.h>
int main() {
wchar_t str[] = L"This is a string with spaces.";
wchar_t *p = str;
// 先頭から空白文字をスキップ
while (iswspace(*p)) {
p++;
}
// 文字列の終端までループ
while (*p) {
// 空白文字でない場合は出力
if (!iswspace(*p)) {
putchar(*p);
}
p++;
}
putchar('\n');
return 0;
}
文字列が空白文字のみかどうかを判定する
#include <wctype.h>
int main() {
wchar_t str[] = L" "; // 空白のみの文字列
// 全ての文字が空白文字かどうか判定
int is_all_space = 1;
for (const wchar_t *p = str; *p; p++) {
if (!iswspace(*p)) {
is_all_space = 0;
break;
}
}
if (is_all_space) {
printf("'%ls' は空白のみの文字列です。\n", str);
} else {
printf("'%ls' は空白のみの文字列ではありません。\n", str);
}
return 0;
}
このコードは、str
が空白のみかどうかを判定し、結果を出力します。
文字列内の空白文字を別の文字に置き換える
#include <wctype.h>
int main() {
wchar_t str[] = L"This is a string with spaces.";
wchar_t *p = str;
// 先頭から空白文字をスキップ
while (iswspace(*p)) {
p++;
}
// 文字列の終端までループ
while (*p) {
// 空白文字の場合は '_' に置き換える
if (iswspace(*p)) {
*p = L'_';
}
p++;
}
wprintf(L"%ls\n", str);
return 0;
}
このコードは、str
内の空白文字をすべて _
に置き換え、結果を出力します。
特定の空白文字のみを判定する
#include <wctype.h>
int main() {
wchar_t c = L'\t'; // タブ文字
// タブ文字かどうか判定
if (iswblank(c)) {
printf("'%lc' はタブ文字です。\n", c);
} else {
printf("'%lc' はタブ文字ではありません。\n", c);
}
return 0;
}
このコードは、c
がタブ文字かどうかを判定し、結果を出力します。
応用
iswspace
関数は、さまざまな文字列処理に役立ちます。
- 入力文字列のバリデーション
- 文字列のフォーマット調整
- トークナイゼーション
これらのサンプルコードは、iswspace
関数の使い方を理解するのに役立つでしょう。
iswspace 以外の方法
isspace
関数は、バイト文字版の iswspace
関数です。ワイド文字列ではなく、通常のバイト文字列で空白文字を判定する場合に使用できます。
#include <ctype.h>
int main() {
char str[] = "This is a string with spaces.";
char *p = str;
// 先頭から空白文字をスキップ
while (isspace(*p)) {
p++;
}
// ...
return 0;
}
手動で判定する
iswspace
や isspace
などの関数を使わずに、手動で空白文字を判定することもできます。
int is_space(char c) {
return (c == ' ' || c == '\t' || c == '\n' || c == '\r' || c == '\v' || c == '\f');
}
int main() {
char str[] = "This is a string with spaces.";
char *p = str;
// 先頭から空白文字をスキップ
while (is_space(*p)) {
p++;
}
// ...
return 0;
}
このコードは、空白文字とされる文字を個別に判定しています。
正規表現を使って、空白文字を処理することもできます。
#include <regex.h>
int main() {
char str[] = "This is a string with spaces.";
regex_t regex;
regmatch_t match;
// 空白文字を表す正規表現をコンパイル
regcomp(®ex, "[[:space:]]", 0);
// 最初の空白文字を探す
if (regexec(®ex, str, 1, &match, 0) == 0) {
// ...
}
regfree(®ex);
return 0;
}
このコードは、[[:space:]]
という正規表現を使って、空白文字を検索しています。
iswspace
関数は、C言語で空白文字を処理する便利な関数です。しかし、状況によっては他の方法の方が適している場合もあります。
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