nearbyint 関数を使ったサンプルコード
C言語 Numerics - nearbyint 関数解説
概要
- 機能: 浮動小数点数を整数に丸める
- ヘッダーファイル:
<math.h>
- プロトタイプ:
double nearbyint(double x);
float nearbyintf(float x);
long double nearbyintl(long double x);
-
引数:
x
: 丸める浮動小数点数
-
戻り値:
詳細
-
丸めモード:
- 四捨五入 (FE_TONEAREST): デフォルトの丸めモード。0.5 より大きい場合は切り上げ、0.5 以下の場合は切り捨て。
- 切り捨て (FE_TOWARDZERO): 常に切り捨て。
- 切り上げ (FE_UPWARD): 常に切り上げ。
- 最小絶対値 (FE_DOWNWARD): 0 に近い方に丸める。
-
丸めモードの設定:
fegetround()
関数で現在の丸めモードを取得できます。
-
nearbyint と rint の違い:
nearbyint
は、rint
と同様に浮動小数点数を整数に丸めますが、FE_INEXACT
例外を発生させません。rint
は、FE_INEXACT
例外が発生する可能性があります。
例
#include <math.h>
#include <stdio.h>
int main() {
double x = 3.1415926535;
// 四捨五入
printf("nearbyint(3.1415926535) = %f\n", nearbyint(x)); // 出力: 3.000000
// 切り捨て
fesetround(FE_TOWARDZERO);
printf("nearbyint(3.1415926535) = %f\n", nearbyint(x)); // 出力: 3.000000
// 切り上げ
fesetround(FE_UPWARD);
printf("nearbyint(3.1415926535) = %f\n", nearbyint(x)); // 出力: 4.000000
return 0;
}
nearbyint 関数を使ったサンプルコード
#include <math.h>
#include <stdio.h>
int main() {
double x = 3.1415926535;
int n;
n = nearbyint(x);
printf("x = %f\n", x);
printf("nearbyint(x) = %d\n", n);
return 0;
}
出力
x = 3.1415926535
nearbyint(x) = 3
切り捨て
#include <math.h>
#include <stdio.h>
int main() {
double x = 3.1415926535;
int n;
fesetround(FE_TOWARDZERO);
n = nearbyint(x);
printf("x = %f\n", x);
printf("nearbyint(x) = %d\n", n);
return 0;
}
出力
x = 3.1415926535
nearbyint(x) = 3
切り上げ
#include <math.h>
#include <stdio.h>
int main() {
double x = 3.1415926535;
int n;
fesetround(FE_UPWARD);
n = nearbyint(x);
printf("x = %f\n", x);
printf("nearbyint(x) = %d\n", n);
return 0;
}
出力
x = 3.1415926535
nearbyint(x) = 4
浮動小数点数の範囲
#include <math.h>
#include <stdio.h>
int main() {
double x = 1.0e20;
printf("nearbyint(1.0e20) = %f\n", nearbyint(x));
return 0;
}
出力
nearbyint(1.0e20) = 1.000000e+20
NaN と無限大
#include <math.h>
#include <stdio.h>
int main() {
double x = NaN;
printf("nearbyint(NaN) = %f\n", nearbyint(x));
x = INFINITY;
printf("nearbyint(INFINITY) = %f\n", nearbyint(x));
return 0;
}
出力
nearbyint(NaN) = nan
nearbyint(INFINITY) = inf
例外処理
#include <math.h>
#include <fenv.h>
#include <stdio.h>
int main() {
double x = 3.1415926535;
int n;
fesetround(FE_INVALID);
n = nearbyint(x);
if (fetestexcept(FE_INVALID)) {
printf("FE_INVALID exception raised\n");
} else {
printf("nearbyint(x) = %d\n", n);
}
return 0;
}
出力
FE_INVALID exception raised
浮動小数点数を整数に丸める他の方法
double x = 3.1415926535;
int n = (int)x;
- この方法は、デフォルトで切り捨てを行います。
- 四捨五入を行う場合は、
floor
やceil
関数と組み合わせて使用できます。
double x = 3.1415926535;
int n = (int)floor(x + 0.5);
lround 関数
double x = 3.1415926535;
long int n = lround(x);
- この方法は、現在の丸めモードに基づいて浮動小数点数を最も近い整数に丸めます。
nearbyint
関数とほぼ同じ機能ですが、long int
型の値を返します。
手作りの関数
int my_round(double x) {
if (x >= 0) {
return (int)(x + 0.5);
} else {
return (int)(x - 0.5);
}
}
- この方法は、より細かい制御が必要な場合に役立ちます。
マクロ
#define ROUND(x) ((int)(x + 0.5))
int main() {
double x = 3.1415926535;
int n = ROUND(x);
printf("n = %d\n", n);
return 0;
}
- マクロを使うと、コードをより簡潔に書くことができます。
- 簡単な場合は、キャスト演算子を使うのが最も簡単です。
- より細かい制御が必要な場合は、
nearbyint
関数や手作りの関数を使うことができます。 - コードを簡潔に書きたい場合は、マクロを使うことができます。
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