vwscanf 関数を使ったファイル読み込み:サンプルコード集
C言語における vwscanf 関数の詳細解説:フォーマット指定付きファイル読み込み
vwscanf 関数の概要:
vwscanf
は可変引数関数であり、以下の形式で記述されます。
int vwscanf(FILE *stream, const char *format, va_list arg);
stream
: データを読み込むストリーム。stdin
またはファイルポインタを指定できます。format
: 読み込むデータのフォーマットを指定する文字列。arg
: 可変引数リスト。フォーマット指定に従って読み込んだデータを格納する変数のアドレスを順番に渡します。
フォーマット指定の詳細:
フォーマット指定は、scanf
関数と同様の書式を使用します。主な書式要素は以下の通りです。
%c
: 文字を読み込みます。%d
: 整数を10進数で読み込みます。%f
: 浮動小数点数を読み込みます。%n
: 現在の入力位置を格納します。
これらの書式要素に、幅や修飾子を追加することで、より詳細な制御が可能です。
読み込み処理の流れ:
vwscanf
関数は以下の流れで処理を行います。
- フォーマット文字列を解析し、データ型と読み込み幅を決定します。
- ストリームからデータを読み込み、データ型と幅に従って変換します。
- 変換されたデータを可変引数リストで指定された変数に格納します。
- フォーマット文字列とデータの照合が成功するまで、2と3を繰り返します。
- フォーマット文字列の終端に達するか、入力データが不足すると、読み込みを終了します。
読み込み成功と失敗の判定:
vwscanf
関数は、読み込んだデータの個数を返します。
- 読み込んだデータの個数がフォーマット指定で指定された個数と一致する場合、読み込みは成功します。
- 読み込んだデータの個数がフォーマット指定で指定された個数よりも少ない場合、または入力データが不足している場合、読み込みは失敗します。
使用例:
#include <stdio.h>
int main() {
int age;
char name[20];
// ファイルからデータを読み込む
FILE *fp = fopen("data.txt", "r");
if (fp == NULL) {
perror("fopen");
return 1;
}
// フォーマット指定付きで読み込む
vwscanf(fp, "%d %s", &age, name);
// 読み込んだデータを表示する
printf("年齢: %d, 名前: %s\n", age, name);
fclose(fp);
return 0;
}
この例では、data.txt
ファイルから年齢と名前を読み込み、標準出力に表示しています。
ポイント:
- フォーマット指定は正確に行う必要があります。誤ったフォーマット指定は、予期しない動作やエラーを引き起こす可能性があります。
- 入力データが不足している場合、
vwscanf
関数はエラーを検出せずに読み込みを終了します。入力データのチェックは、プログラム側で行う必要があります。 - ファイルストリームを使用する場合は、ファイルオープンエラーなどのエラー処理を忘れずに行う必要があります。
その他:
vwscanf
関数は、フォーマット指定付きファイル読み込み以外にも、様々な用途で使用できます。詳細は、C言語の参考書やオンラインチュートリアルなどを参照してください。
C言語における vwscanf 関数のサンプルコード
標準入力からデータを読み込む
#include <stdio.h>
int main() {
int age;
char name[20];
// 標準入力からデータを読み込む
vwscanf("%d %s", &age, name);
// 読み込んだデータを表示する
printf("年齢: %d, 名前: %s\n", age, name);
return 0;
}
ファイルからデータを読み込む
#include <stdio.h>
int main() {
int age;
char name[20];
// ファイルからデータを読み込む
FILE *fp = fopen("data.txt", "r");
if (fp == NULL) {
perror("fopen");
return 1;
}
// フォーマット指定付きで読み込む
vwscanf(fp, "%d %s", &age, name);
// 読み込んだデータを表示する
printf("年齢: %d, 名前: %s\n", age, name);
fclose(fp);
return 0;
}
この例では、data.txt
ファイルから年齢と名前を読み込み、標準出力に表示しています。
スペース区切りのデータを読み込む
#include <stdio.h>
int main() {
int num1, num2, num3;
// スペース区切りのデータを読み込む
vwscanf("%d %d %d", &num1, &num2, &num3);
// 読み込んだデータを表示する
printf("num1: %d, num2: %d, num3: %d\n", num1, num2, num3);
return 0;
}
この例では、標準入力からスペース区切りの3つの整数を読み込み、標準出力に表示しています。
文字列を読み込む
#include <stdio.h>
int main() {
char str[20];
// 文字列を読み込む
vwscanf("%s", str);
// 読み込んだ文字列を表示する
printf("str: %s\n", str);
return 0;
}
この例では、標準入力から文字列を読み込み、標準出力に表示しています。
幅を指定して読み込む
#include <stdio.h>
int main() {
int num;
// 幅5桁の整数を読み込む
vwscanf("%5d", &num);
// 読み込んだデータを表示する
printf("num: %d\n", num);
return 0;
}
この例では、標準入力から幅5桁の整数を読み込み、標準出力に表示しています。
修飾子を使用して読み込む
#include <stdio.h>
int main() {
int num;
// 10進数の整数を読み込む
vwscanf("%d", &num);
// 読み込んだデータを表示する
printf("num: %d\n", num);
return 0;
}
この例では、標準入力から10進数の整数を読み込み、標準出力に表示しています。
エラー処理
#include <stdio.h>
int main() {
int num;
// 標準入力からデータを読み込む
if (vwscanf("%d", &num) != 1) {
// エラー処理
printf("読み込みエラー\n");
return 1;
}
// 読み込んだデータを表示する
printf("num: %d\n", num);
return 0;
}
この例では、標準入力からデータを読み込み、読み込みエラーが発生した場合はエラー処理を行っています。
これらのサンプルコードは、vwscanf
関数の基本的な使い方を理解するのに役立ちます。
fscanf
関数は、vwscanf
関数と同様の機能を提供しますが、可変引数リストを使用せず、代わりに個々の変数を引数として渡します。
#include <stdio.h>
int main() {
int age;
char name[20];
// ファイルからデータを読み込む
FILE *fp = fopen("data.txt", "r");
if (fp == NULL) {
perror("fopen");
return 1;
}
// フォーマット指定付きで読み込む
fscanf(fp, "%d %s", &age, name);
// 読み込んだデータを表示する
printf("年齢: %d, 名前: %s\n", age, name);
fclose(fp);
return 0;
}
この例では、fscanf
関数を使用して data.txt
ファイルから年齢と名前を読み込み、標準出力に表示しています。
fread
関数は、ファイルからバイナリデータを直接読み込みます。
#include <stdio.h>
int main() {
int data[10];
// ファイルからデータを読み込む
FILE *fp = fopen("data.bin", "rb");
if (fp == NULL) {
perror("fopen");
return 1;
}
// バイナリデータを読み込む
fread(data, sizeof(int), 10, fp);
// 読み込んだデータを表示する
for (int i = 0; i < 10; i++) {
printf("data[%d]: %d\n", i, data[i]);
}
fclose(fp);
return 0;
}
この例では、fread
関数を使用して data.bin
ファイルから10個の整数をバイナリデータとして読み込み、標準出力に表示しています。
fgets
関数は、ファイルから1行分の文字列を読み込みます。
#include <stdio.h>
int main() {
char str[100];
// ファイルからデータを読み込む
FILE *fp = fopen("data.txt", "r");
if (fp == NULL) {
perror("fopen");
return 1;
}
// 文字列を読み込む
fgets(str, sizeof(str), fp);
// 読み込んだ文字列を表示する
printf("str: %s\n", str);
fclose(fp);
return 0;
}
この例では、fgets
関数を使用して data.txt
ファイルから1行分の文字列を読み込み、標準出力に表示しています。
これらの方法はそれぞれ異なる利点と欠点があり、状況に応じて使い分ける必要があります。
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