std::stoi、std::stol、std::stoull：詳細解説

C++の文字列と std::atoll：詳細解説

本解説では、以下の内容を詳細に説明します:

• std::atoll の概要:
  • 動作
  • 型
  • ヘッダーファイル
  • 引数
  • 戻り値
• std::atoll の使用方法:
  • 基本的な例
  • エラー処理
  • 文字列ストリームとの比較
• std::atoll の利点と欠点:
  • 利点
  • 欠点
• その他の関連関数:
  • std::stoi
  • std::stol
  • std::stoull

std::atoll の概要

std::atollは、std::string 型の文字列を long long int 型の整数に変換します。文字列の先頭から数字が続く部分を探し、それを数値として解釈します。

1 動作

std::atollは、以下の規則に従って文字列を解析します。

1. 文字列の先頭から空白文字をスキップします。
2. 最初の非空白文字が数値でない場合は、エラーが発生します。
3. 数値文字の連続を見つけ、それを10進数として解釈します。
4. 数値文字列の後に続く文字は無視されます。

2 型

std::atollは、以下の型を受け取り、返します。

• 引数:
  • const std::string& str: 変換する文字列への参照
• 戻り値:
  • long long int: 変換結果

3 ヘッダーファイル

std::atollは、<cstdlib> ヘッダーファイルで定義されています。

#include <cstdlib>

4 引数

std::atollは以下の引数を受け取ります。

• str: 変換する文字列への参照。

5 戻り値

std::atollは以下の値を返します。

• 変換に成功した場合は、変換結果の long long int 型の値
• 変換に失敗した場合は、0

std::atoll の使用方法

1 基本的な例

#include <cstdlib>
#include <iostream>

int main() {
  std::string str = "12345";
  long long int num = std::atoll(str.c_str());
  std::cout << num << std::endl;
  return 0;
}

この例では、"12345" という文字列を long long int 型の 12345 に変換しています。

2 エラー処理

std::atollは、変換に失敗した場合、0 を返します。

#include <cstdlib>
#include <iostream>

int main() {
  std::string str = "abc";
  long long int num = std::atoll(str.c_str());
  if (num == 0) {
    std::cout << "変換に失敗しました" << std::endl;
  } else {
    std::cout << num << std::endl;
  }
  return 0;
}

この例では、"abc" という文字列は数値に変換できないため、変換に失敗し、"変換に失敗しました" と出力されます。

3 文字列ストリームとの比較

std::atollは、文字列ストリームよりも効率的で安全な選択肢となります。

#include <iostream>
#include <sstream>

int main() {
  std::string str = "12345";
  int num;

  // 文字列ストリームを使用
  std::stringstream ss(str);
  ss >> num;

  // std::atollを使用
  long long int num2 = std::atoll(str.c_str());

  std::cout << num << std::endl;
  std::cout << num2 << std::endl;
  return 0;
}

この例では、std::stringstream と std::atoll の両方を使用して "12345" という文字

C++ の文字列と std::atoll：サンプルコード集

目次:

1. 基本的な使用例
2. エラー処理
3. 文字列ストリームとの比較
4. その他のサンプルコード
5. 応用例

基本的な使用例

#include <cstdlib>
#include <iostream>

int main() {
  std::string str = "12345";
  long long int num = std::atoll(str.c_str());
  std::cout << num << std::endl;
  return 0;
}

このコードは、"12345" という文字列を long long int 型の 12345 に変換し、出力します。

エラー処理

#include <cstdlib>
#include <iostream>

int main() {
  std::string str = "abc";
  long long int num = std::atoll(str.c_str());
  if (num == 0) {
    std::cout << "変換に失敗しました" << std::endl;
  } else {
    std::cout << num << std::endl;
  }
  return 0;
}

このコードは、"abc" という文字列は数値に変換できないため、変換に失敗し、「変換に失敗しました」と出力します。

文字列ストリームとの比較

#include <iostream>
#include <sstream>

int main() {
  std::string str = "12345";
  int num;

  // 文字列ストリームを使用
  std::stringstream ss(str);
  ss >> num;

  // std::atollを使用
  long long int num2 = std::atoll(str.c_str());

  std::cout << num << std::endl;
  std::cout << num2 << std::endl;
  return 0;
}

このコードは、std::stringstream と std::atoll の両方を使用して "12345" という文字列を数値に変換し、比較します。

その他のサンプルコード

• 16進文字列を10進数に変換する

#include <cstdlib>
#include <iostream>

int main() {
  std::string str = "0x1234";
  long long int num = std::atoll(str.c_str());
  std::cout << num << std::endl;
  return 0;
}

• 浮動小数点数を文字列に変換する

#include <cstdlib>
#include <iostream>

int main() {
  double num = 3.1415926535;
  std::string str = std::to_string(num);
  std::cout << str << std::endl;
  return 0;
}

応用例

• ファイル名から数値を取り出す
• コマンドライン引数を数値に変換する
• 設定ファイルから数値を読み込む

C++ の文字列を数値に変換する方法

std::atoi

C 言語から存在する関数で、文字列を int 型の整数に変換します。

int num = std::atoi("12345");

std::atoll

C++ 標準ライブラリにある関数で、文字列を long long int 型の整数に変換します。

long long int num = std::atoll("12345");

std::stoi

C++11 で導入された関数で、文字列を int 型の整数に変換します。

int num = std::stoi("12345");

std::stol

C++11 で導入された関数で、文字列を long 型の整数に変換します。

long num = std::stol("12345");

std::stoull

C++11 で導入された関数で、文字列を unsigned long long 型の整数に変換します。

unsigned long long num = std::stoull("12345");

文字列ストリーム

std::stringstream を使って、文字列を数値に変換することもできます。

std::stringstream ss("12345");
int num;
ss >> num;

比較

各方法には、それぞれ利点と欠点があります。

• 変換したい数値の範囲
• 使用している C++ のバージョン
• 必要な処理の複雑さ