std::wcstol 関数を使いこなして、C++ プログラミングをレベルアップ!

2024-04-02

C++ の Strings における std::wcstol 関数の詳細解説

機能概要

std::wcstol は、以下の引数を受け取ります。

  • str: 変換対象となるワイド文字列へのポインター
  • str_end: 変換が終了した後の文字列へのポインター (省略可能)
  • base: 数値の基数 (省略時は 10)

この関数は、str で指定されたワイド文字列を解析し、指定された基数に基づいて長整型値に変換します。変換が成功すると、変換結果が返されます。変換が失敗した場合、0 が返されます。

詳細解説

文字列解析

std::wcstol は、str で指定されたワイド文字列を解析し、以下の規則に基づいて数値に変換します。

  1. 最初の空白文字 (isspace() で判定) をスキップします。
  2. 最初の非空白文字が以下のいずれかであることを確認します。
    • + または - : 符号
    • 0 : 八進数または十六進数のプレフィックス
    • 0x または 0X : 十六進数のプレフィックス
  3. 数字の列を解析します。
    • 有効な数字は、基数によって異なります。
      • 10 進数の場合: 0 から 9
      • 16 進数の場合: 0 から 9 および A から F (または a から f)
    • 数字列の後に、基数によって異なる終端文字が続く場合があります。
      • 10 進数の場合: なし
      • 16 進数の場合: h または H
  4. 解析結果を長整型値に変換します。

以下の例は、std::wcstol 関数の使い方を示しています。

#include <cwchar>
#include <iostream>

int main() {
  wchar_t str[] = L"12345";
  long int value;

  // 10 進数として解析
  value = std::wcstol(str, nullptr, 10);
  std::cout << "10進数: " << value << std::endl;

  // 16 進数として解析
  value = std::wcstol(str, nullptr, 16);
  std::cout << "16進数: " << value << std::endl;

  return 0;
}

このコードは、以下の出力を生成します。

10進数: 12345
16進数: 3039

エラー処理

std::wcstol 関数は、以下のエラーが発生した場合に 0 を返します。

  • 数値に変換できない文字列が指定された
  • 数値が長整型型の範囲を超えている

エラーが発生したかどうかを判断するには、errno 変数を検査する必要があります。以下のエラーコードが設定されます。

  • ERANGE: 数値が長整型型の範囲を超えている

関連関数

  • std::wcstoll: ワイド文字列を長長整型値に変換する
  • std::strtol: 文字列を長整型値に変換する

std::wcstol 関数は、ワイド文字列を長整型値に変換する便利な機能です。C++ で Strings を扱う際には、この関数を活用することで、文字列と数値間の変換を効率的に行うことができます。

補足

  • std::wcstol 関数は、ロケールによって影響を受ける場合があります。
  • C++11 以降では、std::wcstoll 関数を使用して、ワイド文字列を長長整型値に変換することもできます。


C++ の Strings における std::wcstol 関数のサンプルコード

#include <cwchar>
#include <iostream>

int main() {
  wchar_t str[] = L"12345";
  long int value;

  // 10進数として解析
  value = std::wcstol(str, nullptr, 10);
  std::cout << "10進数: " << value << std::endl;

  // 16進数として解析
  value = std::wcstol(str, nullptr, 16);
  std::cout << "16進数: " << value << std::endl;

  return 0;
}

エラー処理

#include <cwchar>
#include <iostream>
#include <errno.h>

int main() {
  wchar_t str[] = L"abc";
  long int value;

  value = std::wcstol(str, nullptr, 10);
  if (value == 0) {
    if (errno == ERANGE) {
      std::cout << "数値が長整型型の範囲を超えています" << std::endl;
    } else {
      std::cout << "数値に変換できません" << std::endl;
    }
  } else {
    std::cout << "解析結果: " << value << std::endl;
  }

  return 0;
}

文字列終端文字の指定

#include <cwchar>
#include <iostream>

int main() {
  wchar_t str[] = L"12345x";
  long int value;

  // 'x' を終端文字として解析
  value = std::wcstol(str, &str + 5, 10);
  std::cout << "解析結果: " << value << std::endl;

  return 0;
}

基数の自動検出

#include <cwchar>
#include <iostream>

int main() {
  wchar_t str[] = L"0x1234";
  long int value;

  // 基数を自動検出
  value = std::wcstol(str, nullptr, 0);
  std::cout << "解析結果: " << value << std::endl;

  return 0;
}

ロケールの影響

#include <cwchar>
#include <iostream>
#include <locale>

int main() {
  std::setlocale(LC_ALL, "ja_JP.UTF-8");

  wchar_t str[] = L"12345";
  long int value;

  // 日本語ロケールで解析
  value = std::wcstol(str, nullptr, 10);
  std::cout << "解析結果: " << value << std::endl;

  return 0;
}

std::wcstoll 関数の使用

#include <cwchar>
#include <iostream>

int main() {
  wchar_t str[] = L"1234567890";
  long long int value;

  value = std::wcstoll(str, nullptr, 10);
  std::cout << "解析結果: " << value << std::endl;

  return 0;
}


C++ で文字列を数値に変換する他の方法

std::stringstream クラスを使用して、文字列をストリームに変換し、そのストリームから数値を読み取ることができます。

#include <sstream>
#include <iostream>

int main() {
  std::wstring str = L"12345";
  int value;

  std::wstringstream ss(str);
  ss >> value;

  std::cout << "value: " << value << std::endl;

  return 0;
}

手動変換

単純なケースでは、手動で文字列を数値に変換することができます。

#include <iostream>

int main() {
  std::wstring str = L"12345";
  int value = 0;

  for (wchar_t c : str) {
    value = value * 10 + (c - L'0');
  }

  std::cout << "value: " << value << std::endl;

  return 0;
}

ライブラリ

Boost や Qt などのライブラリには、文字列と数値変換のための便利な機能が提供されています。

Boost:

#include <boost/lexical_cast.hpp>

int main() {
  std::wstring str = L"12345";
  int value = boost::lexical_cast<int>(str);

  std::cout << "value: " << value << std::endl;

  return 0;
}

Qt:

#include <QString>

int main() {
  QString str = "12345";
  int value = str.toInt();

  std::cout << "value: " << value << std::endl;

  return 0;
}
  • 変換する文字列の形式
  • 変換後の数値の型
  • 必要な処理速度
  • コードの簡潔性

std::wcstol 関数は、最も汎用性の高い方法ですが、他の方法よりも処理速度が遅い場合があります。

std::stringstream クラスは、比較的処理速度が速く、コードも簡潔ですが、複雑な形式の文字列には対応できない場合があります。

手動変換 は、最も処理速度が速い方法ですが、コードが複雑になりがちです。

ライブラリ は、さまざまな形式の文字列に対応でき、コードも簡潔に書けますが、ライブラリの追加が必要になります。

C++ で文字列を数値に変換するには、さまざまな方法があります。各方法の長所と短所を理解し、要件に合った方法を選択することが重要です。




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