Django Signal.send() とは?

2024-04-02

Django の dispatch.Signal.send() について

動作の概要

  • 送信者 (Publisher): イベントを発生させるオブジェクト
  • 受信者 (Subscriber): イベントを処理するオブジェクト
  • シグナル (Signal): 送信者と受信者をつなぐメッセージ

Signal.send() は、送信者とシグナルを指定して呼び出すことで、シグナルを発信します。受信者は、シグナルに デコレータ を介して登録しておきます。シグナルが送信されると、登録されたすべての受信者関数が呼び出されます。

シグナルの種類

Django には、さまざまなイベントに対応する 組み込みシグナル が多数用意されています。例えば、以下のようなものがあります。

  • post_save: モデルが保存された後に送信
  • pre_delete: モデルが削除される前に送信
  • user_logged_in: ユーザーがログインした時に送信

これらのシグナルは、プロジェクト内のさまざまなタスクを実行するために利用できます。例えば、post_save シグナルを使用して、モデルが保存された後にプロフィールを更新したり、メールを送信したりすることができます。

カスタムシグナルの定義

独自のイベントを通知したい場合は、カスタムシグナル を定義することができます。これは、django.dispatch.Signal クラスを継承して行います。

from django.dispatch import Signal

# シグナルの定義
my_signal = Signal(providing_args=["name"])

# シグナルの送信
def my_function(sender, **kwargs):
    print(f"シグナル受信: sender={sender}, name={kwargs['name']}")

# シグナルの受信
@receiver(my_signal)
def my_receiver(sender, **kwargs):
    my_function(sender, **kwargs)

上記の例では、my_signal という名前のカスタムシグナルを定義し、my_function という受信者関数を登録しています。my_signal シグナルが送信されると、my_functionmy_receiver の両方が呼び出されます。

send() 関数の詳細

Signal.send() 関数は、以下の引数を受け取ります。

  • sender: シグナルを送信するオブジェクト
  • signal: 送信するシグナル
  • *args: 受信者関数に渡される追加の引数
  • **kwargs: 受信者関数に渡される追加のキーワード引数

send() 関数は、シグナルに登録されているすべての受信者関数を 同期的に 呼び出します。

補足

  • シグナルは、プロジェクト内の異なる部分でイベントを通知するための 強力なツール です。
  • 組み込みシグナルとカスタムシグナルを使い分けることで、さまざまなイベントに対応することができます。
  • send() 関数は、シグナルに登録されているすべての受信者関数を 同期的に 呼び出します。


Django dispatch.Signal.send() のサンプルコード

組み込みシグナルの使用例

post_save シグナルを使用してプロフィールを更新

from django.contrib.auth.models import User
from django.db.models.signals import post_save

def update_profile(sender, instance, **kwargs):
    # ユーザーのプロフィールを更新する処理

# シグナル受信
@receiver(post_save, sender=User)
def my_receiver(sender, instance, **kwargs):
    update_profile(sender, instance, **kwargs)

pre_delete シグナルを使用してファイルを削除

from django.db.models.signals import pre_delete

def delete_file(sender, instance, **kwargs):
    # 関連するファイルを削除する処理

# シグナル受信
@receiver(pre_delete)
def my_receiver(sender, instance, **kwargs):
    if hasattr(instance, 'file'):
        delete_file(instance.file)

上記のコードは、pre_delete シグナルを使用して、モデルが削除される前に関連するファイルを削除します。

カスタムシグナルの使用例

注文完了時にメールを送信

from django.dispatch import Signal

# シグナルの定義
order_completed = Signal(providing_args=["order"])

# シグナル送信
def complete_order(order):
    # 注文処理
    order_completed.send(sender=self, order=order)

# シグナル受信
@receiver(order_completed)
def send_email(sender, order, **kwargs):
    # 注文完了メールを送信する処理

上記のコードは、注文完了時にメールを送信するために、order_completed というカスタムシグナルを定義しています。

ログイン時にログを出力

from django.contrib.auth.signals import user_logged_in

def log_login(sender, user, request, **kwargs):
    # ログインログを出力する処理

# シグナル受信
@receiver(user_logged_in)
def my_receiver(sender, user, request, **kwargs):
    log_login(sender, user, request, **kwargs)

上記のコードは、ユーザーログイン時にログを出力するために、user_logged_in シグナルを使用しています。

ポイント

  • シグナルは、プロジェクト内の異なる部分でイベントを通知するための 強力なツール です。
  • 組み込みシグナルとカスタムシグナルを使い分けることで、さまざまなイベントに対応することができます。
  • send() 関数は、シグナルに登録されているすべての受信者関数を 同期的に 呼び出します。

注意

  • シグナルは、プロジェクト内の異なる部分でイベントを通知するための 強力なツール であると同時に、 複雑なコード を生み出す可能性もあります。
  • シグナルを使用する際は、コードの 可読性保守性 を考慮する必要があります。


Django でイベントを通知する他の方法

モデリングによるイベント通知

post_save シグナル

モデルの save() メソッドをオーバーライドすることで、post_save シグナルを直接送信することができます。

class MyModel(models.Model):
    def save(self, *args, **kwargs):
        super().save(*args, **kwargs)

        # シグナル送信
        post_save.send(sender=self.__class__, instance=self)

自身のシグナル定義

モデルクラス内に独自のシグナルを定義し、save() メソッドから送信することもできます。

class MyModel(models.Model):
    model_saved = Signal(providing_args=["instance"])

    def save(self, *args, **kwargs):
        super().save(*args, **kwargs)

        # シグナル送信
        self.model_saved.send(sender=self.__class__, instance=self)

イベントリスナーによるイベント通知

django.contrib.admin.ModelAdmin クラスの get_model_perms() メソッドをオーバーライドすることで、モデル変更時のイベントを処理することができます。

from django.contrib import admin

class MyModelAdmin(admin.ModelAdmin):
    def get_model_perms(self, request):
        perms = super().get_model_perms(request)

        # イベント処理
        if request.method == 'POST':
            if 'action' in request.POST and request.POST['action'] == 'delete_selected':
                # モデル削除時の処理

        return perms

Celery による非同期処理

Celery などのタスクキューを使用することで、イベント処理を非同期的に実行することができます。

from celery import task

@task
def my_task(model_instance):
    # イベント処理

# シグナル送信
post_save.connect(my_task, sender=MyModel)

イベントの種類や処理内容、プロジェクトの規模などを考慮して、最適な方法を選択する必要があります。

シンプルなイベント

  • post_save シグナルなどの組み込みシグナルを使用する

複雑なイベント

  • モデルクラス内に独自のシグナルを定義する
  • イベントリスナーを使用する

スケーラビリティ

  • Celery などのタスクキューを使用して、イベント処理を非同期的に実行する
  • django.dispatch.Signal.send() は、Django プロジェクトでイベントを通知するための 強力なツール です。
  • 他の方法もいくつか存在し、それぞれメリットとデメリットがあります。
  • イベントの種類や処理内容、プロジェクトの規模などを考慮して、最適な方法を選択する必要があります。



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