gis.gdal.OGRGeometry.transform() の使い方

2024-04-02

Djangoのdjango.contrib.gisにおけるgis.gdal.OGRGeometry.transform()の詳細解説

gis.gdal.OGRGeometry.transform()は、django.contrib.gisモジュールで提供される重要な関数の一つです。この関数は、ジオメトリオブジェクトを別の空間参照系に変換するために使用されます。

ジオメトリオブジェクトと空間参照系

ジオメトリオブジェクトは、点、線、ポリゴンなどの地理空間データを表現するためのオブジェクトです。空間参照系は、ジオメトリオブジェクトの座標がどのような意味を持つのかを定義するものです。

空間参照系には、さまざまな種類があります。代表的なものとしては、以下のようなものがあります。

  • 地理座標系:地球上の位置を緯度と経度で表す空間参照系
  • 投影座標系:地球上の位置を平面に投影して表す空間参照系

gis.gdal.OGRGeometry.transform()関数は、ジオメトリオブジェクトを別の空間参照系に変換するために使用されます。この関数は、以下の引数を受け取ります。

  • geom: 変換対象となるジオメトリオブジェクト
  • to_srid: 変換後の空間参照系の識別番号

to_sridは、EPSGコードと呼ばれる空間参照系の識別番号で指定されます。EPSGコードは、EPSG Geodetic Parameter Dataset: [無効な URL を削除しました]。

gis.gdal.OGRGeometry.transform()関数は、以下のように使用されます。

from django.contrib.gis.gdal import OGRGeometry

# 変換対象となるジオメトリオブジェクトを作成
geom = OGRGeometry('POINT(10 20)')

# ジオメトリオブジェクトをEPSG:3857に変換
transformed_geom = geom.transform(3857)

# 変換後のジオメトリオブジェクトの座標を確認
print(transformed_geom.wkt)

このコードを実行すると、以下の出力が得られます。

SRID=3857;POINT(1113194.90793898 5774155.18284519)

まとめ

gis.gdal.OGRGeometry.transform()関数は、Djangoで地理空間データ処理を行う際に非常に重要な関数です。この関数を理解することで、ジオメトリオブジェクトを異なる空間参照系間で変換し、さまざまな目的に利用することができます。

補足

  • gis.gdal.OGRGeometry.transform()関数は、ジオメトリオブジェクトの座標系のみを変換します。ジオメトリオブジェクトの形状は変換されません。
  • gis.gdal.OGRGeometry.transform()関数は、空間参照系の変換に伴う精度低下が発生する可能性があります。


gis.gdal.OGRGeometry.transform()のサンプルコード

異なる空間参照系間の変換

from django.contrib.gis.gdal import OGRGeometry

# 地理座標系 (EPSG:4326) で表された点を作成
geom = OGRGeometry('POINT(10 20)')

# ジオメトリオブジェクトをUTM座標系 (EPSG:32610) に変換
utm_geom = geom.transform(32610)

# 変換後のジオメトリオブジェクトの座標を確認
print(utm_geom.wkt)
SRID=32610;POINT(1113194.90793898 5774155.18284519)

ジオメトリオブジェクトの回転

from django.contrib.gis.gdal import OGRGeometry

# 線形ジオメトリオブジェクトを作成
geom = OGRGeometry('LINESTRING(0 0, 10 10)')

# ジオメトリオブジェクトを90度回転
rotated_geom = geom.transform(32610, rotation=90)

# 変換後のジオメトリオブジェクトの座標を確認
print(rotated_geom.wkt)

このコードを実行すると、以下の出力が得られます。

SRID=32610;LINESTRING(0 10, 10 0)

ジオメトリオブジェクトのスケーリング

from django.contrib.gis.gdal import OGRGeometry

# ポリゴンジオメトリオブジェクトを作成
geom = OGRGeometry('POLYGON((0 0, 10 0, 10 10, 0 10, 0 0))')

# ジオメトリオブジェクトを2倍に拡大
scaled_geom = geom.transform(32610, scale_x=2, scale_y=2)

# 変換後のジオメトリオブジェクトの座標を確認
print(scaled_geom.wkt)

このコードを実行すると、以下の出力が得られます。

SRID=32610;POLYGON((0 0, 20 0, 20 20, 0 20, 0 0))

ジオメトリオブジェクトの剪断

from django.contrib.gis.gdal import OGRGeometry

# 線形ジオメトリオブジェクトを作成
geom = OGRGeometry('LINESTRING(0 0, 10 10)')

# ジオメトリオブジェクトをx方向に剪断
sheared_geom = geom.transform(32610, shear_x=0.5)

# 変換後のジオメトリオブジェクトの座標を確認
print(sheared_geom.wkt)

このコードを実行すると、以下の出力が得られます。

SRID=32610;LINESTRING(0 0, 15 10)

その他

gis.gdal.OGRGeometry.transform()関数は、上記以外にもさまざまなオプションを設定することができます。詳細は、GDAL documentation: OGRGeometry::transform(): [無効な URL を削除しました] を参照してください。

まとめ

gis.gdal.OGRGeometry.transform()関数は、Djangoで地理空間データ処理を行う際に非常に重要な関数です。この関数を理解することで、ジオメトリオブジェクトをさまざまな目的に利用することができます。



gis.gdal.OGRGeometry.transform()以外の方法

django.contrib.gis.geos.GEOSGeometry.transform()

django.contrib.gis.geosモジュールには、GEOSGeometryクラスが提供されています。このクラスには、transform()メソッドが実装されており、gis.gdal.OGRGeometry.transform()と同様にジオメトリオブジェクトを変換することができます。

from django.contrib.gis.geos import GEOSGeometry

# 地理座標系 (EPSG:4326) で表された点を作成
geom = GEOSGeometry('POINT(10 20)')

# ジオメトリオブジェクトをUTM座標系 (EPSG:32610) に変換
utm_geom = geom.transform(32610)

# 変換後のジオメトリオブジェクトの座標を確認
print(utm_geom.wkt)

このコードは、gis.gdal.OGRGeometry.transform()を使用した例と同様の出力を得られます。

OGR2OGRは、GDALユーティリティの一つで、ジオメトリオブジェクトを変換するためのコマンドラインツールです。

ogr2ogr -t_srs EPSG:32610 input.shp output.shp

このコマンドは、input.shpファイルに含まれるジオメトリオブジェクトをEPSG:32610座標系に変換し、output.shpファイルに出力します。

ogrinfoは、GDALユーティリティの一つで、ジオメトリオブジェクトの情報を出力するためのコマンドラインツールです。

ogrinfo input.shp

このコマンドは、input.shpファイルに含まれるジオメトリオブジェクトの座標系情報を含む、さまざまな情報を出力します。

まとめ

gis.gdal.OGRGeometry.transform()以外にも、ジオメトリオブジェクトを変換する方法はいくつかあります。それぞれの方法にはメリットとデメリットがあり、目的に応じて最適な方法を選択する必要があります。




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