JavaScriptのfinallyブロック:安全な使い方とno-unsafe-finallyルールの活用
ESLint の no-unsafe-finally ルールについて
概要
- ルール名:
no-unsafe-finally
- デフォルト設定:
error
- 使用可能なオプション: なし
問題点
finally
ブロックは、try
ブロック内で発生した例外に関わらず、必ず実行されます。そのため、finally
ブロック内で例外が発生しても、それが隠蔽されてしまい、プログラムの動作がおかしくなる可能性があります。
例
try {
throw new Error('エラーが発生しました');
} finally {
// 例外が発生しても、このコードは必ず実行される
console.log('finally ブロック');
}
上記のコードでは、try
ブロック内で例外が発生していますが、finally
ブロック内の console.log
は問題なく実行されます。
解決策
no-unsafe-finally
ルールを有効にすることで、finally
ブロック内で例外が発生した場合に警告またはエラーを出すことができます。
例外
以下の場合は、no-unsafe-finally
ルールによる警告は発生しません。
finally
ブロック内で例外を再スローしている場合finally
ブロック内でreturn
ステートメントを使用している場合
設定例
{
"rules": {
"no-unsafe-finally": "error"
}
}
no-unsafe-finally ルールのサンプルコード
警告が発生する例
try {
throw new Error('エラーが発生しました');
} finally {
// 例外が発生しても、このコードは必ず実行される
console.log('finally ブロック');
}
例2:finally ブロック内で return ステートメントを使用している
try {
return '正常終了';
} finally {
// 例外が発生しても、このコードは必ず実行される
console.log('finally ブロック');
}
警告が発生しない例
例1:finally ブロック内で例外を再スロー
try {
throw new Error('エラーが発生しました');
} finally {
// 例外を再スローすることで、隠蔽を防ぐ
throw new Error('finally ブロックで再スロー');
}
例2:finally ブロック内で return ステートメントを使用せず、例外を発生させる
try {
throw new Error('エラーが発生しました');
} finally {
// 例外を発生させることで、隠蔽を防ぐ
throw new Error('finally ブロックで例外発生');
}
例3:finally ブロック内で何もしない
try {
throw new Error('エラーが発生しました');
} finally {
// 何もしない
}
no-unsafe-finally
ルールは、潜在的な問題を防ぐための予防策として有効ですが、すべてのケースに当てはまるわけではありません。- コードの意図を理解した上で、必要に応じてルールを無効にすることも検討してください。
no-unsafe-finally ルールの代替方法
finally ブロック内で例外を再スローする
try {
throw new Error('エラーが発生しました');
} finally {
// 例外を再スローすることで、隠蔽を防ぐ
throw new Error('finally ブロックで再スロー');
}
finally ブロック内で return ステートメントを使用せず、例外を発生させる
try {
throw new Error('エラーが発生しました');
} finally {
// 例外を発生させることで、隠蔽を防ぐ
throw new Error('finally ブロックで例外発生');
}
finally ブロック内で何もしない
try {
throw new Error('エラーが発生しました');
} finally {
// 何もしない
}
try/catch ブロックを使用する
try {
// 処理
} catch (error) {
// 例外処理
} finally {
// クリーンアップ処理
}
Promise.finally を使用する
const promise = new Promise((resolve, reject) => {
// 処理
});
promise.finally(() => {
// クリーンアップ処理
});
async/await を使用する
async function myFunction() {
try {
// 処理
} finally {
// クリーンアップ処理
}
}
これらの方法は、それぞれ異なる利点と欠点があります。コードの状況に合わせて、適切な方法を選択してください。
- 上記以外にも、状況に応じて他の方法も考えられます。
- コードの意図を理解した上で、最適な方法を選択することが重要です。
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