"-w" オプションと Makefile の .SILENT ディレクティブ:徹底比較
GNU Make の Make Cli オプション "-w" の詳細解説
-w
オプションは、GNU Make における重要なコマンドラインオプションの一つです。このオプションは、警告メッセージの表示を制御するために使用されます。
機能
-w
オプションには、以下の 3 つの機能があります。
- 警告メッセージの抑制
- 特定の警告メッセージの抑制
- 警告メッセージの出力レベルの設定
使用方法
-w
オプションは、以下の形式でコマンドラインに指定します。
make -w [オプション]
オプション
-w
オプションには、以下のオプションを指定できます。
- -w : すべての警告メッセージを抑制します。
- -w <警告番号> : 特定の警告メッセージを抑制します。
- -w <レベル> : 警告メッセージの出力レベルを設定します。
詳細
警告メッセージの抑制
-w
オプションを単独で指定すると、すべての警告メッセージが表示されなくなります。
例
make -w
この例では、すべての警告メッセージが表示されなくなります。
特定の警告メッセージの抑制
-w
オプションに警告番号を指定すると、その番号の警告メッセージが表示されなくなります。
例
make -w 1
この例では、警告番号 1 の警告メッセージのみが表示されなくなります。
警告メッセージの出力レベルの設定
-w
オプションにレベルを指定すると、そのレベル以上の警告メッセージが表示されます。
レベル
- 0 : エラーメッセージのみ表示
- 1 : 重要な警告メッセージのみ表示
- 2 : すべての警告メッセージを表示
例
make -w 2
この例では、すべての警告メッセージが表示されます。
補足
-w
オプションは、Makefile 内の.SILENT
ディレクティブと同様に、警告メッセージの抑制に使用できます。-w
オプションは、-s
オプションと組み合わせて使用することで、エラーメッセージのみを表示することができます。
-w
オプションは、警告メッセージの表示を制御する便利なオプションです。しかし、警告メッセージには重要な情報が含まれている場合もあるため、むやみに抑制することは避けた方がよいでしょう。
GNU Make の "-w" オプションを使ったサンプルコード
すべての警告メッセージを抑制する
make -w
特定の警告メッセージを抑制する
make -w 1
このコードは、警告番号 1 の警告メッセージのみを抑制します。
警告メッセージの出力レベルを設定する
make -w 2
このコードは、すべての警告メッセージを表示します。
Makefile 内で "-w" オプションを使用する
.PHONY: all
all:
make -w 1 main
main: main.c
gcc -Wall -o main main.c
この Makefile は、make all
コマンドを実行すると、main.c
をコンパイルして main
という実行ファイルを作成します。このとき、警告番号 1 の警告メッセージのみが表示されます。
"-w" オプションと "-s" オプションを組み合わせて使用する
make -w 2 -s
このコードは、すべての警告メッセージを表示しますが、エラーメッセージのみを標準出力に出力します。
上記以外にも、-w
オプションと組み合わせて使用できるオプションや、Makefile 内で利用できるディレクティブなどがあります。詳細は、GNU Make の公式ドキュメントを参照してください。
GNU Make で警告メッセージを制御する他の方法
Makefile 内の .SILENT ディレクティブ
.SILENT
ディレクティブは、特定のターゲットの警告メッセージを抑制するために使用されます。
.PHONY: all
all:
make -C subdir
subdir:
$(MAKE) -C subdir
.SILENT: subdir
この Makefile は、make all
コマンドを実行すると、subdir
ディレクトリ内の Makefile を実行します。このとき、subdir
ディレクトリ内の Makefile から出力される警告メッセージは抑制されます。
環境変数 MAKEFLAGS
MAKEFLAGS
環境変数に -w
オプションを設定することで、すべてのターゲットの警告メッセージを抑制することができます。
export MAKEFLAGS=-w
このコマンドを実行すると、make
コマンドを実行するたびに、すべての警告メッセージが抑制されます。
コンパイラオプションを使用して、警告メッセージのレベルを設定することもできます。
gcc -Wall -o main main.c
この例では、-Wall
オプションを使用して、すべての警告メッセージを表示するように設定しています。
IDE の設定
多くの IDE は、警告メッセージの表示レベルを設定する機能を提供しています。IDE の設定を使用して、警告メッセージの表示を制御することができます。
- 特定のターゲットの警告メッセージのみを抑制したい場合は、
.SILENT
ディレクティブを使用するのが最も簡単です。 - すべてのターゲットの警告メッセージを抑制したい場合は、
MAKEFLAGS
環境変数を使用するのが便利です。 - 特定の警告メッセージのみを抑制したい場合は、
-w
オプションを使用することができます。 - コンパイラオプションを使用して、警告メッセージのレベルを設定したい場合は、コンパイラオプションを使用するのが最適です。
- IDE を使用している場合は、IDE の設定を使用して、警告メッセージの表示を制御することができます。
GNU Make で警告メッセージを制御するには、いくつかの方法があります。どの方法を使用するべきかは、状況によって異なります。
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