JavaScript エラー発生時のファイル特定:意外と知らない Error.fileName プロパティ

2024-04-27

JavaScriptのErrorオブジェクトにおける "Error.fileName" プロパティについて

Error.fileName プロパティは、JavaScript でエラーが発生したファイルのパスを返すプロパティです。しかし、これは 非標準プロパティ であり、すべてのブラウザで同じように動作するとは限りません。そのため、本番環境で使用する場合は注意が必要です。

詳細

  • Error.fileName は、Error オブジェクトのプロパティです。
  • このプロパティは、エラーが発生したファイルの 絶対パス を返します。
  • パスは、オペレーティングシステムによって異なる形式で表現されます。
  • 例えば、Windows では C:\Users\username\project\script.js のような形式になり、Mac では /Users/username/project/script.js のような形式になります。

try {
  // 意図的にエラーを起こすコード
  console.log(undefined.prop);
} catch (error) {
  console.error(`エラーが発生しました: ${error.message}`);
  console.error(`ファイル名: ${error.fileName}`);
  console.error(`行番号: ${error.lineNumber}`);
}

注意点

  • 前述の通り、Error.fileName は非標準プロパティであり、すべてのブラウザで同じように動作するとは限りません。
  • 一部のブラウザでは、このプロパティがサポートされていない場合や、常に空文字列を返す場合があります。
  • エラーの詳細情報を取得するには、Error.messageError.stack などの標準プロパティを使用することをお勧めします。

代替手段

Error.fileName の代わりに、以下の方法でエラーが発生したファイルのパスを取得することができます。

  • Error.stack プロパティを使用する: Error.stack プロパティには、エラー発生時のスタックトレースが含まれています。この情報から、エラーが発生したファイルと行番号を特定することができます。
  • ソースマップを使用する: ソースマップを使用すると、コードが圧縮されていても、元のソースコードファイルと行番号を特定することができます。

Error.fileName プロパティは、エラーが発生したファイルのパスを取得するのに役立ちますが、非標準プロパティであるため、本番環境で使用する場合は注意が必要です。より確実な方法としては、Error.stack プロパティやソースマップを使用することをお勧めします。

この情報がお役に立てば幸いです。その他ご不明な点があれば、お気軽にご質問ください。



JavaScript エラーオブジェクトの Error.fileName プロパティを使用したサンプルコード

この例では、Error.fileName プロパティを使用して、エラーが発生したファイル名を取得します。

try {
  // 意図的にエラーを起こすコード
  console.log(undefined.prop);
} catch (error) {
  console.error(`エラーが発生しました: ${error.message}`);
  console.error(`ファイル名: ${error.fileName}`);
  console.error(`行番号: ${error.lineNumber}`);
}

エラーハンドリングとファイル名の記録

この例では、エラーが発生したファイル名と行番号をログに記録する方法を示します。

function logError(error) {
  console.error(`エラーが発生しました: ${error.message}`);
  console.error(`ファイル名: ${error.fileName}`);
  console.error(`行番号: ${error.lineNumber}`);
}

try {
  // 意図的にエラーを起こすコード
  console.log(undefined.prop);
} catch (error) {
  logError(error);
}

ソースマップを使用したファイル名の取得

この例では、ソースマップを使用して、圧縮されたコードからエラーが発生したファイル名と行番号を取得する方法を示します。

// ソースマップファイルを読み込む
const sourceMap = require('source-map');

function resolveSourceMap(error) {
  // エラーメッセージからソースマップファイルのパスを取得
  const sourceMapPath = /\/\/[@#] sourceMappingURL=([^\s]+)/.exec(error.stack)[1];

  // ソースマップファイルを読み込む
  const smc = new sourceMap.SourceMapConsumer(sourceMapPath);

  // エラー位置を元のソースファイルの形式に変換
  const originalPosition = smc.originalPositionFor({
    line: error.lineNumber,
    column: error.columnNumber
  });

  // 元のソースファイル名と行番号を返す
  return {
    fileName: originalPosition.source,
    lineNumber: originalPosition.line
  };
}

try {
  // 意図的にエラーを起こすコード
  console.log(undefined.prop);
} catch (error) {
  const { fileName, lineNumber } = resolveSourceMap(error);
  console.error(`エラーが発生しました: ${error.message}`);
  console.error(`ファイル名: ${fileName}`);
  console.error(`行番号: ${lineNumber}`);
}

カスタムエラーハンドラーの作成

この例では、Error.fileName プロパティを使用して、独自のエラーハンドラーを作成する方法を示します。

class MyError extends Error {
  constructor(message, fileName) {
    super(message);
    this.fileName = fileName;
  }
}

function handleError(error) {
  if (error instanceof MyError) {
    console.error(`MyErrorが発生しました: ${error.message}`);
    console.error(`ファイル名: ${error.fileName}`);
  } else {
    console.error(error);
  }
}

try {
  // 意図的にエラーを起こすコード
  throw new MyError('カスタムエラーメッセージ', 'error.js');
} catch (error) {
  handleError(error);
}

これらの例は、Error.fileName プロパティを使用して、JavaScript エラーの詳細情報を取得する方法を示すものです。

補足

  • 上記のコードはあくまで例であり、実際の状況に合わせて調整する必要があります。
  • Error.fileName プロパティは非標準プロパティであるため、本番環境で使用する場合は注意が必要です。
  • より確実な方法としては、Error.stack プロパティやソースマップを使用することをお勧めします。

ご参考になれば幸いです。



JavaScript エラーオブジェクトの Error.fileName プロパティ以外の方法

JavaScript でエラーが発生したファイルのパスを取得するには、Error.fileName プロパティ以外にもいくつかの方法があります。

方法

  1. Error.stack プロパティを使用する

Error.stack プロパティには、エラー発生時のスタックトレースが含まれています。この情報から、エラーが発生したファイルと行番号を特定することができます。

try {
  // 意図的にエラーを起こすコード
  console.log(undefined.prop);
} catch (error) {
  const match = /\/\/[@#] sourceMappingURL=([^\s]+)/.exec(error.stack);
  if (match) {
    const sourceMapPath = match[1];
    // ソースマップファイルを読み込み、エラー位置を元のソースファイルの形式に変換する処理
  } else {
    const fileName = /^(?:(?:[^\.]+\.)?[^\.]+)\.(?:js|ts|jsx|tsx)$/.exec(error.stack)[1];
    const lineNumber = error.stack.split('\n')[1].match(/^\s+at\s+(.+):(\d+):(\d+)/)[2];
    console.error(`エラーが発生しました: ${error.message}`);
    console.error(`ファイル名: ${fileName}`);
    console.error(`行番号: ${lineNumber}`);
  }
}

ソースマップを使用すると、コードが圧縮されていても、元のソースコードファイルと行番号を特定することができます。

// ソースマップファイルを読み込む
const sourceMap = require('source-map');

function resolveSourceMap(error) {
  // エラーメッセージからソースマップファイルのパスを取得
  const sourceMapPath = /\/\/[@#] sourceMappingURL=([^\s]+)/.exec(error.stack)[1];

  // ソースマップファイルを読み込む
  const smc = new sourceMap.SourceMapConsumer(sourceMapPath);

  // エラー位置を元のソースファイルの形式に変換
  const originalPosition = smc.originalPositionFor({
    line: error.lineNumber,
    column: error.columnNumber
  });

  // 元のソースファイル名と行番号を返す
  return {
    fileName: originalPosition.source,
    lineNumber: originalPosition.line
  };
}

try {
  // 意図的にエラーを起こすコード
  console.log(undefined.prop);
} catch (error) {
  const { fileName, lineNumber } = resolveSourceMap(error);
  console.error(`エラーが発生しました: ${error.message}`);
  console.error(`ファイル名: ${fileName}`);
  console.error(`行番号: ${lineNumber}`);
}

カスタムエラーオブジェクトを使用する

独自のエラーオブジェクトを作成して、ファイル名などの情報を格納することができます。

class MyError extends Error {
  constructor(message, fileName) {
    super(message);
    this.fileName = fileName;
  }
}

function handleError(error) {
  if (error instanceof MyError) {
    console.error(`MyErrorが発生しました: ${error.message}`);
    console.error(`ファイル名: ${error.fileName}`);
  } else {
    console.error(error);
  }
}

try {
  // 意図的にエラーを起こすコード
  throw new MyError('カスタムエラーメッセージ', 'error.js');
} catch (error) {
  handleError(error);
}

ブラウザのデバッガーツールを使用すると、エラー発生時の詳細な情報を確認することができます。多くの場合、ファイル名と行番号も表示されます。

Error.fileName プロパティ以外にも、さまざまな方法でエラー発生時のファイルのパスを取得することができます。状況に合わせて最適な方法を選択してください。

ご参考になれば幸いです。




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