デッドロックを防ぎ、データの整合性を守る! LOCK IN SHARE MODE の注意点
MariaDB の LOCK IN SHARE MODE について
MariaDB の LOCK IN SHARE MODE
は、SELECT ステートメント内で特定の行を 共有ロック するための構文です。共有ロックは、他のトランザクションによるデータの読み込みを許可しますが、書き込みは許可しません。
用途
LOCK IN SHARE MODE
は、以下の用途で役立ちます。
- データの読み込みの一貫性を保つ
- 他のトランザクションによるデータの変更を防ぐ
- 読み込み処理中にデータが更新されないようにする
構文
SELECT ... FROM table_name
WHERE condition
LOCK IN SHARE MODE;
例
SELECT * FROM customers
WHERE country = 'Japan'
LOCK IN SHARE MODE;
この例では、country
列が 'Japan' であるすべての行が共有ロックされます。他のトランザクションはこれらの行を読み込むことはできますが、更新することはできません。
注意事項
LOCK IN SHARE MODE
は、InnoDB ストレージエンジンを使用している場合にのみ有効です。- 共有ロックは、トランザクションがコミットされるまで保持されます。
- 共有ロックは、デッドロックの原因となる可能性があります。
LOCK IN SHARE MODE のサンプルコード
SELECT * FROM customers
WHERE id = 123
LOCK IN SHARE MODE;
この例では、id
列が 123 である行が共有ロックされます。
複数の行をロックする
SELECT * FROM customers
WHERE country = 'Japan'
AND age > 18
LOCK IN SHARE MODE;
この例では、country
列が 'Japan' であり、age
列が 18 より大きいすべての行が共有ロックされます。
サブクエリを使用する
SELECT * FROM customers
WHERE id IN (
SELECT id FROM orders
WHERE status = 'shipped'
)
LOCK IN SHARE MODE;
この例では、orders
テーブルの status
列が 'shipped' であるすべての注文に関連する customers
テーブルの行が共有ロックされます。
FOR UPDATE との比較
# 共有ロック
SELECT * FROM customers
WHERE id = 123
LOCK IN SHARE MODE;
# 排他ロック
SELECT * FROM customers
WHERE id = 123
FOR UPDATE;
LOCK IN SHARE MODE
は共有ロックを取得しますが、FOR UPDATE
は排他ロックを取得します。排他ロックは、他のトランザクションによるデータの読み込みも書き込みも許可しません。
デッドロックの回避
# ロックを取得する前に、他のトランザクションがコミットされるのを待つ
SELECT * FROM customers
WHERE id = 123;
# 共有ロックを取得
SELECT * FROM customers
WHERE id = 123
LOCK IN SHARE MODE;
上記の例では、最初の SELECT
ステートメントによって、他のトランザクションがコミットされるのを待つことができます。これにより、デッドロックの可能性を減らすことができます。
上記のサンプルコードは、基本的な使い方を示しています。実際の使用例では、必要に応じてコードを修正する必要があります。
LOCK IN SHARE MODE の代替方法
SELECT * FROM customers
WHERE id = 123
FOR SHARE;
SELECT ... FOR SHARE
は、LOCK IN SHARE MODE
と同様の機能を提供します。ただし、FOR SHARE
はより古い構文であり、InnoDB ストレージエンジン以外のストレージエンジンでも使用できます。
START TRANSACTION;
SELECT * FROM customers
WHERE id = 123;
# データの更新
COMMIT;
トランザクションレベルのロックは、START TRANSACTION
と COMMIT
ステートメントを使用して、一連の操作を原子的に実行します。トランザクション内で実行されたすべての操作は、他のトランザクションから見えない状態になります。
アプリケーションレベルのロックは、データベースではなくアプリケーションコードで実装されます。例えば、レコードを編集する前に、レコードIDをロックファイルに保存することができます。
- 読み込みの一貫性を保つ必要がある場合は、
LOCK IN SHARE MODE
またはSELECT ... FOR SHARE
を使用します。 - データの更新を防ぐ必要がある場合は、トランザクションレベルのロックまたはアプリケーションレベルのロックを使用します。
- 複数のストレージエンジンを使用している場合は、
SELECT ... FOR SHARE
を使用します。
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