MBRTouches関数の落とし穴:形状の複雑なオブジェクトの接触判定には注意が必要!
MariaDB の "SQL Statements & Structure" における "MBRTouches" 関数の詳細解説
MBRTouches
は、MariaDB の SQL Statements & Structure
における空間データ型処理用の関数の一つです。2つのジオメトリオブジェクトの最小境界矩形 (MBR) が互いに接触しているかどうかを判断します。
構文
MBRTouches(geom1, geom2)
引数
geom1
: 空間データ型 (Point, LineString, Polygon など) の最初のオブジェクト
戻り値
TRUE
: 2つのオブジェクトの MBR が接触している場合
動作
MBRTouches
関数は、2つのジオメトリオブジェクトの MBR を比較します。MBR は、ジオメトリオブジェクトの最小の境界矩形です。2つのオブジェクトの MBR が重なり合っている場合、2つのオブジェクトは接触しているとみなされます。
例
以下の例では、MBRTouches
関数を使用して、2つのポリゴンの接触判定を行っています。
SELECT MBRTouches(
ST_GeomFromText('POLYGON((0 0, 10 0, 10 10, 0 10, 0 0))'),
ST_GeomFromText('POLYGON((5 5, 15 5, 15 15, 5 15, 5 5))')
);
この例では、2つのポリゴンの MBR は重なり合っているため、TRUE
が返されます。
注意事項
MBRTouches
関数は、MBR を使用して接触判定を行うため、形状の複雑なオブジェクトの場合、正確な結果が得られない場合があります。- より正確な接触判定を行う場合は、
ST_Touches
関数などの他の関数を使用する必要があります。
補足
- 上記の解説は、MariaDB 10.5.14 を基にしています。
- 他のバージョンの MariaDB では、
MBRTouches
関数の機能や構文が異なる場合があります。
MariaDB の "MBRTouches" 関数を使用したサンプルコード
点とポリゴンの接触判定
SELECT MBRTouches(
ST_GeomFromText('POINT(5 5)'),
ST_GeomFromText('POLYGON((0 0, 10 0, 10 10, 0 10, 0 0))')
);
2つのポリゴンの接触判定
SELECT MBRTouches(
ST_GeomFromText('POLYGON((0 0, 10 0, 10 10, 0 10, 0 0))'),
ST_GeomFromText('POLYGON((5 5, 15 5, 15 15, 5 15, 5 5))')
);
この例では、2つのポリゴン ((0, 0), (10, 0), (10, 10), (0, 10), (0, 0))
と ((5, 5), (15, 5), (15, 15), (5, 15), (5, 5))
が接触しているかどうかを判定します。結果は TRUE
となります。
線分とポリゴンの接触判定
SELECT MBRTouches(
ST_GeomFromText('LINESTRING(0 0, 10 10)'),
ST_GeomFromText('POLYGON((0 0, 10 0, 10 10, 0 10, 0 0))')
);
この例では、線分 ((0, 0), (10, 10))
がポリゴン ((0, 0), (10, 0), (10, 10), (0, 10), (0, 0))
と接触しているかどうかを判定します。結果は TRUE
となります。
複数のジオメトリオブジェクトの接触判定
SELECT MBRTouches(
ST_GeomFromText('POINT(5 5)'),
ST_GeomFromText('LINESTRING(0 0, 10 10)'),
ST_GeomFromText('POLYGON((0 0, 10 0, 10 10, 0 10, 0 0))')
);
この例では、点 (5, 5)
、線分 ((0, 0), (10, 10))
、ポリゴン ((0, 0), (10, 0), (10, 10), (0, 10), (0, 0))
のいずれかが接触しているかどうかを判定します。結果は TRUE
となります。
MBRTouches 関数と他の関数の組み合わせ
SELECT ST_AsText(
ST_Intersection(
geom1,
geom2
)
)
FROM (
SELECT
geom1,
geom2
FROM
table_name
WHERE
MBRTouches(geom1, geom2)
) AS t;
この例では、MBRTouches
関数を使用して、テーブル table_name
の geom1
と geom2
列のジオメトリオブジェクトが接触しているかどうかを
MariaDB の "SQL Statements & Structure" における "MBRTouches" 関数の代替方法
MBRTouches
関数は、2つのジオメトリオブジェクトの MBR が接触しているかどうかを判断する関数です。しかし、MBR は形状の複雑なオブジェクトの場合、正確な境界を表さない場合があります。そのため、より正確な接触判定を行う場合は、MBRTouches
関数以外の方法を使用する必要があります。
代替方法
ST_Touches
関数: 2つのジオメトリオブジェクトの境界線が接触しているかどうかを判断します。ST_Intersects
関数: 2つのジオメトリオブジェクトが互いに重なり合っているかどうかを判断します。ST_Distance
関数: 2つのジオメトリオブジェクト間の距離を計算します。
例
以下の例では、MBRTouches
関数の代わりに ST_Touches
関数を使用して、2つのポリゴンの接触判定を行っています。
SELECT ST_Touches(
ST_GeomFromText('POLYGON((0 0, 10 0, 10 10, 0 10, 0 0))'),
ST_GeomFromText('POLYGON((5 5, 15 5, 15 15, 5 15, 5 5))')
);
この例では、2つのポリゴンの境界線が接触しているため、TRUE
が返されます。
注意事項
ST_Touches
関数は、MBRTouches
関数よりも処理速度が遅くなる場合があります。ST_Intersects
関数は、2つのジオメトリオブジェクトが重なり合っているかどうかを判断するだけなので、接触しているかどうかを詳細に判定することはできません。ST_Distance
関数は、2つのジオメトリオブジェクト間の距離を計算するだけなので、接触しているかどうかを直接判定することはできません。
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