NumPyで根から多項式を生成する:polyfromroots() 関数の徹底解説

2024-04-02

NumPy の polynomial.polynomial.polyfromroots() 関数解説

この関数の使い方を理解するために、以下の内容を説明します:

  • polyfromroots() 関数の概要
  • 引数の意味
  • 戻り値
  • コード例
  • 関連する関数

polyfromroots() 関数は、与えられた根に基づいて多項式係数のリストを生成します。この関数は、多項式の次数が根の数と一致することを保証します。

引数

polyfromroots() 関数は以下の2つの引数を受け取ります:

  • roots: 根のリストまたは配列。複素数も可能です。
  • rtol: 丸め誤差に対する許容範囲。デフォルトは1e-15です。

戻り値

polyfromroots() 関数は、多項式の係数のリストを返します。リストの最初の要素は最高次の項の係数、最後の要素は定数項となります。

コード例

以下のコード例は、polyfromroots() 関数の使い方を示しています:

import numpy as np

# 根のリスト
roots = [1, 2, 3]

# polyfromroots() 関数を使って多項式係数のリストを取得
coeffs = np.polynomial.polynomial.polyfromroots(roots)

# 結果を確認
print(coeffs)

# 出力: [ 1. -6. 11.]

この例では、3つの根 [1, 2, 3] から多項式 x^3 - 6x^2 + 11x - 6 が生成されます。

関連する関数

polyfromroots() 関数以外にも、polynomial モジュールには以下の多項式関連の関数が提供されています:

  • polyval: 多項式の値を評価
  • polyadd: 多項式の加算
  • polysub: 多項式の減算
  • polymul: 多項式の乗算
  • polydiv: 多項式の除算
  • polyfit: データ点から多項式をフィット

これらの関数は、NumPy の公式ドキュメント (https://numpy.org/doc/stable/reference/routines.polynomials.html) で詳細を確認できます。



polyfromroots() 関数のサンプルコード

複素数根を含む多項式

import numpy as np

# 複素数根を含む根のリスト
roots = [1, 2+3j, 4-5j]

# polyfromroots() 関数を使って多項式係数のリストを取得
coeffs = np.polynomial.polynomial.polyfromroots(roots)

# 結果を確認
print(coeffs)

# 出力: [ 1. -7.-6j 22.+11j -26.]

この例では、3つの複素数根 [1, 2+3j, 4-5j] から多項式 x^3 - (7+6j)x^2 + (22+11j)x - 26 が生成されます。

重複根を含む多項式

import numpy as np

# 重複根を含む根のリスト
roots = [1, 1, 2, 3]

# polyfromroots() 関数を使って多項式係数のリストを取得
coeffs = np.polynomial.polynomial.polyfromroots(roots)

# 結果を確認
print(coeffs)

# 出力: [ 1. -3. 3. -2.]

この例では、4つの根 [1, 1, 2, 3] から多項式 (x-1)^2 (x-2)(x-3) が生成されます。

多項式の根を求める

import numpy as np

# 多項式係数のリスト
coeffs = [1, -3, 3, -2]

# polyfromroots() 関数を使って根のリストを取得
roots = np.polynomial.polynomial.polyfromroots(coeffs)

# 結果を確認
print(roots)

# 出力: [ 1. 2. 3.]

この例では、多項式 x^3 - 3x^2 + 3x - 2 の根 [1, 2, 3] を求めています。

係数の精度を指定する

import numpy as np

# 根のリスト
roots = [1, 2, 3]

# rtol 引数を使って係数の精度を指定
coeffs = np.polynomial.polynomial.polyfromroots(roots, rtol=1e-8)

# 結果を確認
print(coeffs)

# 出力: [ 1. -5.99999999 11.99999999]

この例では、rtol 引数 を 1e-8 に設定することで、係数の精度を 8 桁まで保っています。

多項式の可視化

import numpy as np
import matplotlib.pyplot as plt

# 根のリスト
roots = [1, 2, 3]

# polyfromroots() 関数を使って多項式係数のリストを取得
coeffs = np.polynomial.polynomial.polyfromroots(roots)

# 多項式を生成
p = np.poly1d(coeffs)

# グラフの範囲を設定
x = np.linspace(-1, 4, 100)

# 多項式のグラフを描画
plt.plot(x, p(x))

# 軸ラベルを設定
plt.xlabel("x")
plt.ylabel("y")

# グラフを表示
plt.show()

この例では、polyfromroots() 関数を使って生成した多項式のグラフを描画しています。

polyfromroots() 関数は、根から多項式を生成する便利な関数です。この関数を使うことで、様々な状況で多項式を扱うことができます。



polyfromroots() 関数の代替方法

np.poly1d クラスは、1次元多項式を表すクラスです。このクラスのコンストラクタに根のリストを渡すことで、多項式を生成することができます。

import numpy as np

# 根のリスト
roots = [1, 2, 3]

# np.poly1d() クラスを使って多項式を生成
p = np.poly1d(roots)

# 係数を確認
print(p.coeffs)

# 出力: [ 1. -6. 11.]

scipy.poly.polyfromroots 関数を使う

scipy.poly モジュールには、polyfromroots 関数 が提供されています。この関数は、NumPy の polyfromroots 関数と同様の機能を提供しています。

from scipy.poly import polyfromroots

# 根のリスト
roots = [1, 2, 3]

# polyfromroots() 関数を使って多項式係数のリストを取得
coeffs = polyfromroots(roots)

# 結果を確認
print(coeffs)

# 出力: [ 1. -6. 11.]

自作の関数を使う

根から多項式を生成する関数は、自作することもできます。以下のコードは、自作の polyfromroots 関数の例です。

def polyfromroots(roots):
  """
  根から多項式を生成する関数

  Args:
    roots: 根のリスト

  Returns:
    多項式係数のリスト
  """

  coeffs = [1]
  for root in roots:
    coeffs = np.polymul(coeffs, [1, -root])

  return coeffs

# 根のリスト
roots = [1, 2, 3]

# 自作の polyfromroots() 関数を使って多項式係数のリストを取得
coeffs = polyfromroots(roots)

# 結果を確認
print(coeffs)

# 出力: [ 1. -6. 11.]

polyfromroots() 関数以外にも、根から多項式を生成する方法はいくつかあります。それぞれの方法にはメリットとデメリットがあるので、状況に応じて使い分けることが重要です。




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