Pandasで差をつけろ: Styler.applymap を使った高度なスタイル設定
PandasのStyleで個別にセルを装飾する:pandas.io.formats.style.Styler.applymap解説
pandas.io.formats.style.Styler.applymap
は、PandasのDataFrameのセルに個別にスタイルを適用するための強力なツールです。セル値に基づいて、色、フォント、背景色などのスタイルを個別に設定できます。
使い方
applymap
は、関数を受け取り、DataFrameの各セルにその関数を適用します。関数は、セル値を受け取り、スタイルを表す辞書を返す必要があります。
例:値に基づいてセルを色付けする
def color_negative_red(val):
"""
負の値を赤く、正の値を黒くする関数
"""
if val < 0:
return {'color': 'red'}
else:
return {}
df.style.applymap(color_negative_red)
より複雑なスタイル
applymap
は、より複雑なスタイル設定にも使用できます。例えば、以下のコードは、値に基づいてセルを色付けし、かつ、絶対値が大きいセルには太字にするスタイルを設定します。
def highlight_abs_large(val):
"""
絶対値が大きいセルを太字にする関数
"""
abs_val = abs(val)
if abs_val > 10:
return {'color': 'red', 'font-weight': 'bold'}
elif abs_val > 5:
return {'color': 'orange'}
else:
return {}
df.style.applymap(highlight_abs_large)
その他の活用例
- セルの値に基づいて、フォントサイズや背景色を設定する
- 特定の条件を満たすセルに、ハイライトや下線を付ける
- HTMLタグを使用して、セル内に画像やリンクを挿入する
注意点
applymap
は、DataFrameのすべてのセルに適用されます。処理速度が気になる場合は、subset
パラメータを使用して、適用範囲を限定することができます。applymap
は、関数オブジェクトを受け取ります。ラムダ式を使用する場合は、lambda x: ...
ではなく、lambda x: {}
のように、明示的に辞書を返すように記述する必要があります。
応用例
applymap
は、Pandasのデータフレームを可視化し、分析結果を分かりやすく伝える上で非常に役立ちます。例えば、以下の様な場面で活用できます。
- 財務分析: 利益と損失のセルを色分けして、財務状況を可視化する
- 顧客分析: 顧客属性に基づいて、ターゲティングを行う
- 科学データ分析: データの異常値をハイライトして、調査を行う
pandas.io.formats.style.Styler.applymap
は、PandasのDataFrameに個別にスタイルを適用するための強力なツールです。関数オブジェクトを受け取り、セル値に基づいてスタイルを設定できます。使い方を理解すれば、データ分析をより効果的に行うことができます。
PandasのStyler.applymapを使ったサンプルコード集
def color_negative_red(val):
"""
負の値を赤く、正の値を黒くする関数
"""
if val < 0:
return {'color': 'red'}
else:
return {}
df.style.applymap(color_negative_red)
絶対値が大きいセルを太字にする
def highlight_abs_large(val):
"""
絶対値が大きいセルを太字にする関数
"""
abs_val = abs(val)
if abs_val > 10:
return {'color': 'red', 'font-weight': 'bold'}
elif abs_val > 5:
return {'color': 'orange'}
else:
return {}
df.style.applymap(highlight_abs_large)
セルの値に基づいてフォントサイズを変更する
def font_size_by_value(val):
"""
値に基づいてフォントサイズを変更する関数
"""
if val > 100:
return {'font-size': '18px'}
elif val > 50:
return {'font-size': '16px'}
else:
return {'font-size': '14px'}
df.style.applymap(font_size_by_value)
特定の条件を満たすセルにハイライトを付ける
def highlight_max(val):
"""
最大値のセルにハイライトを付ける関数
"""
if val == df.max():
return {'background-color': 'yellow'}
else:
return {}
df.style.applymap(highlight_max)
HTMLタグを使用してセル内に画像を挿入する
def image_url(val):
"""
値に基づいて画像のURLを返す関数
"""
if val > 0:
return '<img src="https://example.com/image.png">'
else:
return ''
df.style.applymap(image_url)
セル内にリンクを挿入する
def link_url(val):
"""
値に基づいてリンクのURLを返す関数
"""
if val > 0:
return f'<a href="https://example.com/{val}">リンク</a>'
else:
return ''
df.style.applymap(link_url)
特定の列にのみスタイルを適用する
df.style.applymap(color_negative_red, subset=['col1', 'col2'])
処理速度を上げるためにsubsetパラメータを使用する
df.style.applymap(highlight_abs_large, subset=df[abs(df) > 5])
これらのサンプルコードを参考に、Styler.applymap
を使って、データフレームを分かりやすく可視化してみましょう。
Styler
には、applymap
以外にも様々な機能があります。詳しくは、Pandasドキュメントを参照してください。- 上記のサンプルコードはあくまでも例です。必要に応じて、コードを修正して使用してください。
Styler.applymap 以外の方法
Styler.format
は、フォーマット文字列を使用して、セル値をフォーマットすることができます。例えば、以下のコードは、負の値を赤く、正の値を黒くフォーマットします。
df.style.format({'col1': '{:.2f}'.format, 'col2': '{:.2%}'})
Styler.set_properties
は、特定の条件を満たすセルに、一括でスタイルを設定することができます。例えば、以下のコードは、絶対値が大きいセルを太字にします。
df.style.set_properties(subset=df[abs(df) > 10], props={'font-weight': 'bold'})
Styler.background_gradient
は、セル値に基づいて、セルの背景色をグラデーションで変化させることができます。例えば、以下のコードは、値が低いセルは青色、値が高いセルは赤色になるようにグラデーションを設定します。
df.style.background_gradient(cmap='RdYlGn')
HTMLテンプレートを使用して、より複雑なスタイルを適用することもできます。詳細は、Pandasドキュメントを参照してください。
Styler.applymap
は、PandasのDataFrameに個別にスタイルを適用するための強力なツールですが、他にもいくつかの方法があります。それぞれの方法の特徴を理解して、目的に合った方法を選択しましょう。
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