Qt GUI:テキスト、画像、形状の描画領域を正確に取得するQPainter::boundingRect()関数

2024-04-10

Qt GUIにおけるQPainter::boundingRect()の詳細解説

boundingRect()関数は、以下の情報を取得するために使用されます。

  • 描画対象の最小外接矩形: これは、描画対象を完全に囲む最小の矩形です。
  • テキストの描画領域: これは、指定されたテキストを描画するために必要な最小の矩形です。

boundingRect()関数は、以下の2つの方法で使用できます。

  • 引数なし: この場合、現在のペン、フォント、および描画モードに基づいて、描画対象の最小外接矩形が返されます。
  • 引数あり: この場合、引数で指定された矩形、テキスト、または画像に基づいて、最小外接矩形が返されます。

boundingRect()関数の具体的な例

以下は、boundingRect()関数の具体的な例です。

例1:テキストの描画領域を取得する

QPainter painter;
QFont font("Arial", 12);
painter.setFont(font);

QString text = "Hello, world!";
QRectF rect = painter.boundingRect(QRectF(0, 0, 100, 100), Qt::AlignCenter, text);

// rect は、テキスト "Hello, world!" を中央揃えで描画するために必要な最小の矩形になります。

例2:画像の描画領域を取得する

QPainter painter;
QImage image("image.png");

QRectF rect = painter.boundingRect(QRectF(0, 0, 100, 100), image);

// rect は、画像 "image.png" を元のサイズで描画するために必要な最小の矩形になります。

boundingRect()関数の注意点

  • boundingRect()関数は、描画対象の形状や位置を正確に計算するものではありません。あくまでも、最小外接矩形を概算で取得するものです。
  • テキストの描画領域を取得する場合、フォントや描画モードの影響を受けます。
  • 画像の描画領域を取得する場合、画像のサイズやアスペクト比の影響を受けます。

boundingRect()関数は、Qt GUIにおける描画処理において非常に重要な役割を果たします。この関数を理解することで、描画対象の形状や位置を正確に計算し、効率的な描画処理を実現することができます。

補足

  • 上記の例は、Qt C++を使用していますが、Qt PythonやQt QMLでも同様の機能を利用できます。
  • Qt GUIに関する情報は、Qt公式ドキュメントやチュートリアルを参照してください。


Qt GUIにおけるQPainter::boundingRect()関数のサンプルコード

#include <QtWidgets/QApplication>
#include <QtWidgets/QMainWindow>
#include <QtWidgets/QLabel>
#include <QtWidgets/QVBoxLayout>

class MainWindow : public QMainWindow {
  Q_OBJECT
public:
  MainWindow() {
    QWidget *widget = new QWidget;
    setCentralWidget(widget);

    QVBoxLayout *layout = new QVBoxLayout;
    widget->setLayout(layout);

    QLabel *label = new QLabel("Hello, world!");
    label->setFont(QFont("Arial", 12));
    layout->addWidget(label);

    // テキストの描画領域を取得
    QRectF rect = label->boundingRect();

    // テキストの描画領域を表示
    qDebug() << "Bounding rect:" << rect;
  }
};

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  MainWindow mainWindow;
  mainWindow.show();

  return app.exec();
}

例2:画像の描画領域を取得する

#include <QtWidgets/QApplication>
#include <QtWidgets/QMainWindow>
#include <QtWidgets/QLabel>
#include <QtWidgets/QVBoxLayout>

class MainWindow : public QMainWindow {
  Q_OBJECT
public:
  MainWindow() {
    QWidget *widget = new QWidget;
    setCentralWidget(widget);

    QVBoxLayout *layout = new QVBoxLayout;
    widget->setLayout(layout);

    QLabel *label = new QLabel;
    label->setPixmap(QPixmap("image.png"));
    layout->addWidget(label);

    // 画像の描画領域を取得
    QRectF rect = label->boundingRect();

    // 画像の描画領域を表示
    qDebug() << "Bounding rect:" << rect;
  }
};

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  MainWindow mainWindow;
  mainWindow.show();

  return app.exec();
}

例3:さまざまな描画モードにおけるboundingRect()の動作

#include <QtWidgets/QApplication>
#include <QtWidgets/QMainWindow>
#include <QtWidgets/QWidget>
#include <QtWidgets/QVBoxLayout>
#include <QtWidgets/QPainter>

class MainWindow : public QMainWindow {
  Q_OBJECT
public:
  MainWindow() {
    QWidget *widget = new QWidget;
    setCentralWidget(widget);

    QVBoxLayout *layout = new QVBoxLayout;
    widget->setLayout(layout);

    // さまざまな描画モードを設定
    QPainter painter(widget);
    painter.setPen(Qt::red);
    painter.setBrush(Qt::blue);

    // 矩形を描画
    painter.drawRect(0, 0, 100, 100);

    // 矩形の最小外接矩形を取得
    QRectF rect = painter.boundingRect();

    // 矩形と最小外接矩形を描画
    painter.drawRect(rect);

    // 描画モードを変更
    painter.setPen(Qt::green);
    painter.setBrush(Qt::yellow);

    // 円を描画
    painter.drawEllipse(0, 0, 100, 100);

    // 円の最小外接矩形を取得
    rect = painter.boundingRect();

    // 円と最小外接矩形を描画
    painter.drawRect(rect);
  }
};

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  MainWindow mainWindow;
  mainWindow.show();

  return app.exec();
}


Qt GUIにおけるQPainter::boundingRect()関数の代替方法

QRectF::adjusted()関数は、矩形の各辺を指定された値だけ拡張または縮小することができます。この関数を使用して、描画対象の最小外接矩形を計算することができます。

例:

QRectF rect(0, 0, 100, 100);

// 矩形を上下左右に10ピクセルずつ拡張
QRectF boundingRect = rect.adjusted(-10, -10, 10, 10);

QTextLayout::boundingRect()関数は、指定されたテキストの描画領域を取得することができます。

例:

QTextLayout layout;
layout.setText("Hello, world!");

// テキストの描画領域を取得
QRectF boundingRect = layout.boundingRect();

QImage::rect()関数は、画像の矩形を取得することができます。

例:

QImage image("image.png");

// 画像の矩形を取得
QRectF boundingRect = image.rect();

自作関数

上記のいずれの方法も適切ではない場合は、自作関数を作成することもできます。

例:

QRectF boundingRect(const QPainter &painter, const QRectF &rect) {
  // ここに、描画対象の形状や位置を計算する処理を記述
  return QRectF();
}
  • 矩形を拡張または縮小したい場合は、QRectF::adjusted()関数が最も簡単です。
  • テキストの描画領域を取得したい場合は、QTextLayout::boundingRect()関数を使用する必要があります。
  • 画像の矩形を取得したい場合は、QImage::rect()関数を使用する必要があります。
  • 複雑な形状や位置を計算したい場合は、自作関数を作成する必要があります。

QPainter::boundingRect()関数は、描画対象の形状や位置を計算する上で便利な関数ですが、状況によって他の方法の方が適切な場合があります。上記の情報を参考に、最適な方法を選択してください。




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