QScrollerProperties::FrameRatesのサンプルコード
Qt WidgetsにおけるQScrollerProperties::FrameRates (enum)の詳細解説
QScrollerProperties::FrameRatesは、Qt Widgetsモジュールでスクロールアニメーションのフレームレートを制御するために使用される列挙型です。スクロールの滑らかさやパフォーマンスに影響を与える重要なプロパティです。
解説
QScrollerProperties::FrameRatesは、以下の5つの値を持つ列挙型です。
- Fps60: 60 FPSでスクロールアニメーションを実行します。最も滑らかなスクロールを実現しますが、最も多くのCPUリソースを消費します。
- Fps30: 30 FPSでスクロールアニメーションを実行します。Fps60よりも滑らかさは劣りますが、CPUリソースの消費量は少なくなります。
- LowPower: バッテリー駆動などの低電力環境で最適なフレームレートを選択します。滑らかさは犠牲になりますが、電力消費を抑えられます。
- Fastest: 可能な限り高速でスクロールアニメーションを実行します。最も滑らかなスクロールを実現できますが、CPUリソースの消費量は最も多くなります。
設定方法
QScrollerProperties::FrameRatesは、QScroller::setScrollRate()関数を使用して設定できます。
QScroller *scroller = new QScroller(this);
scroller->setScrollRate(QScrollerProperties::Fps30);
使用例
- スクロールビューで滑らかなスクロールを実現したい場合は、Fps60またはFps30を使用します。
- バッテリー駆動のデバイスでスクロールビューを使用する場合は、LowPowerを使用します。
- スクロール速度を可能な限り速くしたい場合は、Fastestを使用します。
注意事項
- 使用するフレームレートは、デバイスの性能や電力状況によって異なります。
- 高いフレームレートを設定すると、CPUリソースの消費量が増加し、他の処理に影響を与える可能性があります。
- QScrollerProperties::FrameRates以外にも、スクロールアニメーションの滑らかさを制御するプロパティがあります。詳細は、Qt WidgetsドキュメントのQScrollerPropertiesクラスを参照してください。
Qt WidgetsにおけるQScrollerProperties::FrameRatesの使用例
#include <QtWidgets>
int main(int argc, char *argv[]) {
QApplication app(argc, argv);
// ウィジェットの作成
QWidget window;
QVBoxLayout layout(&window);
// スクロールビューの作成
QScrollArea scrollArea;
QWidget *widget = new QWidget; // スクロールビュー内に表示するウィジェット
scrollArea.setWidget(widget);
// スクロールアニメーションのフレームレートの設定
QScroller::setScrollRate(QScrollerProperties::Fps60);
// レイアウトへの追加
layout.addWidget(&scrollArea);
// ウィンドウの表示
window.show();
return app.exec();
}
バッテリー駆動のデバイスでスクロールビューを使用する
#include <QtWidgets>
int main(int argc, char *argv[]) {
QApplication app(argc, argv);
// ウィジェットの作成
QWidget window;
QVBoxLayout layout(&window);
// スクロールビューの作成
QScrollArea scrollArea;
QWidget *widget = new QWidget; // スクロールビュー内に表示するウィジェット
scrollArea.setWidget(widget);
// スクロールアニメーションのフレームレートの設定
QScroller::setScrollRate(QScrollerProperties::LowPower);
// レイアウトへの追加
layout.addWidget(&scrollArea);
// ウィンドウの表示
window.show();
return app.exec();
}
スクロール速度を可能な限り速くする
#include <QtWidgets>
int main(int argc, char *argv[]) {
QApplication app(argc, argv);
// ウィジェットの作成
QWidget window;
QVBoxLayout layout(&window);
// スクロールビューの作成
QScrollArea scrollArea;
QWidget *widget = new QWidget; // スクロールビュー内に表示するウィジェット
scrollArea.setWidget(widget);
// スクロールアニメーションのフレームレートの設定
QScroller::setScrollRate(QScrollerProperties::Fastest);
// レイアウトへの追加
layout.addWidget(&scrollArea);
// ウィンドウの表示
window.show();
return app.exec();
}
スクロールアニメーションの開始と停止
#include <QtWidgets>
int main(int argc, char *argv[]) {
QApplication app(argc, argv);
// ウィジェットの作成
QWidget window;
QVBoxLayout layout(&window);
// スクロールビューの作成
QScrollArea scrollArea;
QWidget *widget = new QWidget; // スクロールビュー内に表示するウィジェット
scrollArea.setWidget(widget);
// スクロールアニメーションの開始
QScroller::start();
// ...
// スクロールアニメーションの停止
QScroller::stop();
// レイアウトへの追加
layout.addWidget(&scrollArea);
// ウィンドウの表示
window.show();
return app.exec();
}
スクロールアニメーションの速度変更
#include <QtWidgets>
int main(int argc, char *argv[]) {
QApplication app(argc, argv);
// ウィジェットの作成
QWidget window;
QVBoxLayout layout(&window);
// スクロールビューの作成
QScrollArea scrollArea;
QWidget *widget = new QWidget; // スクロールビュー内に表示するウィジェット
scrollArea.setWidget(widget);
// スクロールアニメーションの開始
QScroller::start();
// ...
// スクロールアニメーションの速度変更
QScroller::setSpeed(100); // 速度は0から100までの範囲で設定できます
// ...
// スクロールアニメーションの停止
QScroller::stop();
// レイアウトへの追加
layout.addWidget(&scrollArea);
// ウィンドウの表示
window.show();
return app.exec();
}
Qt WidgetsにおけるQScrollerProperties::FrameRates以外の方法
QAbstractScrollArea::setScrollRate()関数は、スクロールバーの動きを制御するために使用できます。QScrollerProperties::FrameRatesよりも細かい制御が可能ですが、フレームレートを直接設定することはできません。
QScroller::setEasingCurve()関数は、スクロールアニメーションの緩急を制御するために使用できます。デフォルトでは、QEasingCurve::Linearを使用していますが、他のイージングカーブを設定することで、スクロールの開始と終了を滑らかにすることができます。
カスタムスクロールアニメーションの実装
QScrollerクラスを使用せずに、カスタムスクロールアニメーションを実装することもできます。これにより、フレームレートやイージングカーブなど、スクロールアニメーションのあらゆる側面を完全に制御できます。
各方法の詳細
QAbstractScrollArea::setScrollRate()関数は、以下の2つの引数を受け取ります。
- scrollBar: スクロールバーの種類 (Qt::HorizontalまたはQt::Vertical)
- rate: スクロール速度 (ピクセル/秒)
scrollArea->setScrollRate(Qt::Horizontal, 100);
scrollArea->setScrollRate(Qt::Vertical, 200);
QScroller::setEasingCurve()関数は、QEasingCurveクラスのインスタンスを受け取ります。
QEasingCurve curve = QEasingCurve::OutCubic;
scroller->setEasingCurve(curve);
カスタムスクロールアニメーションを実装するには、以下の手順が必要です。
- QTimerオブジェクトを作成します。
- QTimer::timeout()シグナルにスロットを接続します。
- スロット内で、スクロール位置を更新します。
- QTimer::start()関数を呼び出して、タイマーを開始します。
QTimer timer;
void updateScrollPosition() {
// スクロール位置を更新するコード
}
int main(int argc, char *argv[]) {
QApplication app(argc, argv);
// ...
timer.setInterval(10); // 10ミリ秒ごとにupdateScrollPosition()スロットを呼び出す
timer.start();
// ...
return app.exec();
}
各方法の比較
方法 | 利点 | 欠点 |
---|---|---|
QScrollerProperties::FrameRates | 簡単 | 制御が細かい |
QAbstractScrollArea::setScrollRate() | 細かい制御が可能 | フレームレートを直接設定できない |
QScroller::setEasingCurve() | スクロールアニメーションの緩急を制御できる | 複雑 |
カスタムスクロールアニメーション | 完全に制御できる | 複雑 |
QScrollerProperties::FrameRatesは、スクロールアニメーションのフレームレートを簡単に設定する方法です。より細かい制御が必要な場合は、QAbstractScrollArea::setScrollRate()関数やQScroller::setEasingCurve()関数を使用することができます。完全に制御したい場合は、カスタムスクロールアニメーションを実装することができます。
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