Qt GUIにおけるQStatusTipEventクラス

Qt GUIにおけるQStatusTipEventクラス

概要

• QStatusTipEventクラスは、QEventクラスから派生しています。
• ウィジェット上にマウスカーソルが置かれた時に発生します。
• イベントを受け取るウィジェットは、QToolTip::showText()を使用してツールチップテキストを表示できます。
• ツールチップテキストは、ウィジェットに関する情報を提供するために使用できます。

QStatusTipEventクラスの主な機能

• tip(): ツールチップテキストを取得します。
• isAccepted(): ツールチップが既に表示されているかどうかを確認します。
• accept(): ツールチップを表示します。
• ignore(): ツールチップを表示しません。

QStatusTipEventクラスの使用方法

1. ウィジェットクラスで、QStatusTipEventイベントを処理するためのイベントハンドラを定義します。
2. イベントハンドラ内で、tip() メソッドを使用してツールチップテキストを取得します。
3. QToolTip::showText() メソッドを使用してツールチップテキストを表示します。

例

class MyWidget : public QWidget {
  public:
    MyWidget() {
      // イベントハンドラを登録
      connect(this, &MyWidget::statusTipEvent, this, &MyWidget::onStatusTipEvent);
    }

  protected:
    // イベントハンドラ
    bool onStatusTipEvent(QStatusTipEvent *event) override {
      // ツールチップテキストを取得
      QString tipText = event->tip();

      // ツールチップを表示
      QToolTip::showText(event->pos(), tipText);

      // イベントを受け取ったことを報告
      return true;
    }
};

• QStatusTipEventクラスは、Qt GUIアプリケーションでウィジェットに関する情報を提供する便利な方法です。
• ツールチップテキストは、ウィジェットの使い方や機能に関する説明などを表示するために使用できます。

QStatusTipEventクラスのサンプルコード

サンプルコード1: シンプルなツールチップ

class MyWidget : public QWidget {
  public:
    MyWidget() {
      // イベントハンドラを登録
      connect(this, &MyWidget::statusTipEvent, this, &MyWidget::onStatusTipEvent);
    }

  protected:
    // イベントハンドラ
    bool onStatusTipEvent(QStatusTipEvent *event) override {
      // ツールチップテキストを設定
      event->setTip("これはシンプルなツールチップです。");

      // イベントを受け取ったことを報告
      return true;
    }
};

サンプルコード2: ウィジェットの情報を表示するツールチップ

class MyWidget : public QWidget {
  public:
    MyWidget() {
      // イベントハンドラを登録
      connect(this, &MyWidget::statusTipEvent, this, &MyWidget::onStatusTipEvent);
    }

  protected:
    // イベントハンドラ
    bool onStatusTipEvent(QStatusTipEvent *event) override {
      // ウィジェットの情報を取得
      QString widgetInfo = QString("ウィジェットのサイズ: %1x%2").arg(width()).arg(height());

      // ツールチップテキストを設定
      event->setTip(widgetInfo);

      // イベントを受け取ったことを報告
      return true;
    }
};

サンプルコード3: HTML形式のツールチップ

class MyWidget : public QWidget {
  public:
    MyWidget() {
      // イベントハンドラを登録
      connect(this, &MyWidget::statusTipEvent, this, &MyWidget::onStatusTipEvent);
    }

  protected:
    // イベントハンドラ
    bool onStatusTipEvent(QStatusTipEvent *event) override {
      // HTML形式のツールチップテキストを設定
      event->setTip(QString("<p>これはHTML形式のツールチップです。<br>太字: <b>太字</b></p>"));

      // イベントを受け取ったことを報告
      return true;
    }
};

サンプルコード4: 画像付きのツールチップ

class MyWidget : public QWidget {
  public:
    MyWidget() {
      // イベントハンドラを登録
      connect(this, &MyWidget::statusTipEvent, this, &MyWidget::onStatusTipEvent);
    }

  protected:
    // イベントハンドラ
    bool onStatusTipEvent(QStatusTipEvent *event) override {
      // 画像付きのツールチップテキストを設定
      QPixmap pixmap("image.png");
      event->setTip(QString("<p>これは画像付きのツールチップです。<br><img src='image.png'></p>"));

      // イベントを受け取ったことを報告
      return true;
    }
};

ご自身のアプリケーションに合わせて、ツールチップテキストの内容や形式を変更することができます。

QStatusTipEventクラス以外の方法

QToolTip::showText() メソッドを使用して、ウィジェットの任意の場所でツールチップを表示することができます。

QToolTip::showText(widget->pos(), "これはツールチップです。");

QToolButton クラスを使用して、ボタン型のツールチップを表示することができます。

QToolButton *button = new QToolButton();
button->setText("ボタン");
button->setToolTip("これはツールチップです。");

// ウィジェットに追加
layout->addWidget(button);

QWhatsThis クラスを使用して、ウィジェットにコンテキストヘルプを表示することができます。

QWhatsThis::add(widget, "これはコンテキストヘルプです。");

どの方法を使用するかは、アプリケーションの要件によって異なります。

• シンプルなツールチップの場合は、QStatusTipEvent クラスを使用するのが最も簡単です。
• ウィジェットの任意の場所でツールチップを表示したい場合は、QToolTip::showText() メソッドを使用します。
• ボタン型のツールチップを表示したい場合は、QToolButton クラスを使用します。
• コンテキストヘルプを表示したい場合は、QWhatsThis クラスを使用します。

QStatusTipEventクラスは、Qt GUIアプリケーションでウィジェットの上にマウスカーソルが置かれた時に、ツールチップのようなテキストを表示するための便利な方法です。

その他の方法も理解しておくと、アプリケーションの要件に合わせて最適な方法を選択することができます。