Qt WidgetsにおけるQTableView::setSpan()の徹底解説

2024-04-02

Qt WidgetsにおけるQTableView::setSpan()の解説

QTableView::setSpan()は、Qt Widgets モジュールにおける重要な関数の一つです。これは、テーブルビュー内の複数のセルを結合して、あたかも一つの大きなセルのように表示するために使用されます。この機能は、表内の関連するデータをまとめて表示したり、見やすくするために使用できます。

この解説で学ぶこと

  • QTableView::setSpan() の役割と機能
  • 関数の使用方法
  • コード例
  • 関連情報

関数詳細

QTableView::setSpan() は、以下の引数を受け取ります。

  • row: 結合したいセルの先頭行
  • column: 結合したいセルの先頭列
  • rowSpan: 結合したいセルの行数
  • columnSpan: 結合したいセルの列数

この関数は、指定された範囲のセルを一つのセルとして扱い、そのセル内に表示されるデータは、左上のセルに設定されます。

コード例

#include <QtWidgets>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // テーブルモデルの作成
  QStandardItemModel model;
  model.setHorizontalHeaderLabels(QStringList() << "名前" << "年齢" << "性別");
  model.setItem(0, 0, new QStandardItem("田中 太郎"));
  model.setItem(0, 1, new QStandardItem(20));
  model.setItem(0, 2, new QStandardItem("男性"));
  model.setItem(1, 0, new QStandardItem("佐藤 花子"));
  model.setItem(1, 1, new QStandardItem(25));
  model.setItem(1, 2, new QStandardItem("女性"));

  // テーブルビューの作成
  QTableView tableView;
  tableView.setModel(&model);

  // 2行1列目のセルを2行2列に結合
  tableView.setSpan(1, 0, 2, 2);

  tableView.show();

  return app.exec();
}

このコードでは、2行1列目のセルを2行2列に結合しています。実行すると、以下の画像のようなテーブルビューが表示されます。

[画像: 結合されたセルを持つテーブルビュー]

補足

  • QTableView::setSpan() は、モデルに対してではなく、ビューに対して呼び出す関数です。
  • 結合されたセルは、編集や選択することができません。
  • 結合されたセル内のデータは、左上のセルに設定されたデータのみが表示されます。

QTableView::setSpan() は、テーブルビュー内の複数のセルを結合して、見やすく表示するための便利な関数です。この関数を活用することで、表内の関連データをまとめて表示したり、レイアウトを調整したりすることができます。



Qt WidgetsにおけるQTableView::setSpan()のサンプルコード

#include <QtWidgets>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // テーブルモデルの作成
  QStandardItemModel model;
  model.setHorizontalHeaderLabels(QStringList() << "名前" << "年齢" << "性別");
  model.setItem(0, 0, new QStandardItem("田中 太郎"));
  model.setItem(0, 1, new QStandardItem(20));
  model.setItem(0, 2, new QStandardItem("男性"));
  model.setItem(1, 0, new QStandardItem("佐藤 花子"));
  model.setItem(1, 1, new QStandardItem(25));
  model.setItem(1, 2, new QStandardItem("女性"));

  // テーブルビューの作成
  QTableView tableView;
  tableView.setModel(&model);

  // 2行1列目のセルを2行2列に結合
  tableView.setSpan(1, 0, 2, 2);

  // 3行1列目のセルを1行3列に結合
  tableView.setSpan(2, 0, 1, 3);

  tableView.show();

  return app.exec();
}

結合されたセルの背景色を変更する

#include <QtWidgets>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // テーブルモデルの作成
  QStandardItemModel model;
  model.setHorizontalHeaderLabels(QStringList() << "名前" << "年齢" << "性別");
  model.setItem(0, 0, new QStandardItem("田中 太郎"));
  model.setItem(0, 1, new QStandardItem(20));
  model.setItem(0, 2, new QStandardItem("男性"));
  model.setItem(1, 0, new QStandardItem("佐藤 花子"));
  model.setItem(1, 1, new QStandardItem(25));
  model.setItem(1, 2, new QStandardItem("女性"));

  // テーブルビューの作成
  QTableView tableView;
  tableView.setModel(&model);

  // 2行1列目のセルを2行2列に結合
  tableView.setSpan(1, 0, 2, 2);

  // 結合されたセルの背景色を設定
  QBrush brush;
  brush.setColor(Qt::red);
  tableView.setSpan(1, 0, 2, 2, brush);

  tableView.show();

  return app.exec();
}

結合されたセルのテキストを中央揃えにする

#include <QtWidgets>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // テーブルモデルの作成
  QStandardItemModel model;
  model.setHorizontalHeaderLabels(QStringList() << "名前" << "年齢" << "性別");
  model.setItem(0, 0, new QStandardItem("田中 太郎"));
  model.setItem(0, 1, new QStandardItem(20));
  model.setItem(0, 2, new QStandardItem("男性"));
  model.setItem(1, 0, new QStandardItem("佐藤 花子"));
  model.setItem(1, 1, new QStandardItem(25));
  model.setItem(1, 2, new QStandardItem("女性"));

  // テーブルビューの作成
  QTableView tableView;
  tableView.setModel(&model);

  // 2行1列目のセルを2行2列に結合
  tableView.setSpan(1, 0, 2, 2);

  // 結合されたセルのテキスト配置を設定
  QTextAl


これらの制限を克服するために、以下の代替方法を使用することができます。

QGraphicsViewとQGraphicsItemを使う

  • QGraphicsView は、グラフィックスアイテムを表示するためのクラスです。
  • QGraphicsItem は、グラフィックスビューに表示されるオブジェクトを表すクラスです。

これらのクラスを使用して、テーブルビューのようなレイアウトを作成し、セルの結合を実現することができます。

カスタムウィジェットを使う

  • カスタムウィジェットは、独自のウィジェットを作成するためのクラスです。

このクラスを使用して、テーブルビューのようなレイアウトを作成し、セルの結合を実現することができます。

  • QTableWidget は、Qt Widgets モジュールにおけるもう一つのテーブルビュークラスです。
  • QTableWidget は、QTableView よりも多くの機能を備えています。

QTableWidget には、setSpan() と同様の機能を持つ setSpan() という関数があります。この関数は、QTableViewsetSpan() よりも多くの機能を備えています。

それぞれの方法の比較

方法メリットデメリット
QGraphicsViewとQGraphicsItemを使う自由度の高いレイアウトを作成できる複雑なコードが必要
カスタムウィジェットを使う柔軟な設計が可能開発コストが高い
QTableWidgetを使う比較的簡単なコードで実装できるQTableView よりも機能が少ない
  • QGraphicsViewとQGraphicsItemを使う
#include <QtWidgets>
#include <QtGraphics>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // テーブルモデルの作成
  QStandardItemModel model;
  model.setHorizontalHeaderLabels(QStringList() << "名前" << "年齢" << "性別");
  model.setItem(0, 0, new QStandardItem("田中 太郎"));
  model.setItem(0, 1, new QStandardItem(20));
  model.setItem(0, 2, new QStandardItem("男性"));
  model.setItem(1, 0, new QStandardItem("佐藤 花子"));
  model.setItem(1, 1, new QStandardItem(25));
  model.setItem(1, 2, new QStandardItem("女性"));

  // グラフィックスビューの作成
  QGraphicsView view;

  // シーンの作成
  QGraphicsScene scene;

  // テーブルアイテムの作成
  QGraphicsRectItem *item1 = new QGraphicsRectItem();
  item1->setRect(0, 0, 100, 50);
  item1->setText("田中 太郎");

  QGraphicsRectItem *item2 = new QGraphicsRectItem();
  item2->setRect(100, 0, 100, 50);
  item2->setText("20");

  QGraphicsRectItem *item3 = new QGraphicsRectItem();
  item3->setRect(200, 0, 100, 50);
  item3->setText("男性");

  // シーンに追加
  scene.addItem(item1);
  scene.addItem(item2);
  scene.addItem(item3);

  // ビューにシーンを設定
  view.setScene(&scene);

  view.show();

  return app.exec();
}
  • カスタムウィジェットを使う
#include <QtWidgets>

class CustomWidget : public QWidget {
  Q_OBJECT

public:
  CustomWidget(QWidget *parent = nullptr) : QWidget(parent) {
    // レイアウトの設定
    QHBoxLayout *layout = new QHBoxLayout(this);

    // ラベルの作成
    QLabel *label1 = new QLabel("田中 太郎");
    QLabel *label2 = new QLabel("20");
    QLabel *label3 = new QLabel("男性");

    // レイアウトに追加
    layout->addWidget(label1);
    layout->addWidget(label2);
    layout->addWidget(label3);
  }
};

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // カスタムウィジェットの作成



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