知っておけば怖いものなし!C言語のsetjmpとlongjmpを使いこなすためのヒント集

2024-04-02

C言語における「setjmp」と「longjmp」:プログラム制御の高度なテクニック

setjmp:現在の呼び出し環境を保存

「setjmp」は、現在の呼び出し環境(スタックフレーム、レジスタ値など)を保存します。これは、プログラムの特定の時点における状態を記録したい場合に役立ちます。

longjmp:保存された呼び出し環境へジャンプ

「longjmp」は、以前に「setjmp」によって保存された呼び出し環境へジャンプします。これは、プログラムの流れを非線形に制御したい場合に役立ちます。

使用例

エラー処理

「setjmp」と「longjmp」は、エラー処理に役立ちます。例えば、以下のように記述することで、エラー発生時に特定の処理を実行することができます。

jmp_buf env;

int main() {
  if (setjmp(env) != 0) {
    // エラー発生時の処理
    return 1;
  }

  // 処理

  if (エラー発生) {
    longjmp(env, 1);
  }

  return 0;
}

状態復元

「setjmp」と「longjmp」は、プログラムの状態を復元したい場合にも役立ちます。例えば、以下のように記述することで、ゲームのポーズ機能を実装することができます。

jmp_buf env;

void game_loop() {
  while (true) {
    if (setjmp(env) != 0) {
      // ポーズ状態からの復帰処理
      return;
    }

    // ゲーム処理

    if (ポーズボタン押下) {
      longjmp(env, 1);
    }
  }
}

注意点

「setjmp」と「longjmp」は、強力な機能であると同時に、使い方を誤ると予期せぬ動作を引き起こす可能性があります。以下のような点に注意が必要です。

  • 保存された呼び出し環境は、関数呼び出しによって破棄されます。
  • 「longjmp」は、呼び出し元の関数スタックを巻き戻します。
  • 複数の「setjmp」と「longjmp」を組み合わせる場合は、呼び出し関係を明確に理解する必要があります。

まとめ

「setjmp」と「longjmp」は、プログラム制御の高度なテクニックです。これらの機能を使いこなすことで、複雑な処理を効率的に記述することができます。ただし、使い方を誤ると予期せぬ動作を引き起こす可能性があるため、注意が必要です。



C言語における「setjmp」と「longjmp」のサンプルコード

jmp_buf env;

int main() {
  if (setjmp(env) != 0) {
    // エラー発生時の処理
    printf("エラーが発生しました。\n");
    return 1;
  }

  // 処理

  if (エラー発生) {
    longjmp(env, 1);
  }

  return 0;
}

状態復元

jmp_buf env;

void game_loop() {
  while (true) {
    if (setjmp(env) != 0) {
      // ポーズ状態からの復帰処理
      printf("ゲームを再開します。\n");
      return;
    }

    // ゲーム処理

    if (ポーズボタン押下) {
      printf("ゲームをポーズします。\n");
      longjmp(env, 1);
    }
  }
}

int main() {
  game_loop();
  return 0;
}

無限ループからの脱出

jmp_buf env;

int main() {
  if (setjmp(env) != 0) {
    // 無限ループからの脱出処理
    printf("無限ループから脱出しました。\n");
    return 0;
  }

  while (true) {
    // 処理

    if (脱出条件) {
      longjmp(env, 1);
    }
  }

  return 0;
}

再帰処理の代替

jmp_buf env;

void recursive_function(int n) {
  if (n == 0) {
    return;
  }

  if (setjmp(env) != 0) {
    // 再帰処理の続き
    return;
  }

  recursive_function(n - 1);
  longjmp(env, 1);
}

int main() {
  recursive_function(5);
  return 0;
}

コルーチン

jmp_buf env1, env2;

void coroutine1() {
  while (true) {
    if (setjmp(env1) != 0) {
      // コルーチン1の処理
      return;
    }

    // 処理

    longjmp(env2, 1);
  }
}

void coroutine2() {
  while (true) {
    if (setjmp(env2) != 0) {
      // コルーチン2の処理
      return;
    }

    // 処理

    longjmp(env1, 1);
  }
}

int main() {
  coroutine1();
  coroutine2();
  return 0;
}

これらのサンプルコードは、あくまでも基本的な使い方を示しています。実際の使用例では、必要に応じてコードを修正する必要があります。

  • [迷信] setjmpマクロの返却値は変数に代入できる - 株式会社きじ


C言語における「setjmp」と「longjmp」の代替方法

  • 使い方が複雑で、誤ると予期せぬ動作を引き起こす可能性がある
  • スタックを巻き戻すため、パフォーマンスに影響を与える

これらの欠点を克服するために、いくつかの代替方法が提案されています。

goto 文

単純なエラー処理や状態復元であれば、goto文を使用して実装することができます。

int main() {
  int n = 0;

  while (true) {
    switch (n) {
      case 0:
        // 処理
        if (エラー発生) {
          n = 1;
          goto error;
        }
        break;
      case 1:
        // エラー処理
        return 1;
    }
  }

error:
  // エラー処理

  return 0;
}

標準ライブラリには、エラー処理や状態復元のための関数があります。

  • エラー処理:
    • assert()
    • abort()
    • exit()
  • 状態復元:
    • rewind()
    • fseek()

これらの関数は、setjmpとlongjmpよりも使い方が簡単で、安全です。

コルーチンライブラリを使用すれば、setjmpとlongjmpよりも効率的にコルーチンを実装することができます。

  • libcoroutine
  • Boost.Coroutine
  • C++ Coroutines

これらのライブラリは、複雑な処理を並行して実行したい場合に役立ちます。

独自の関数

上記の方法で実現できない場合は、独自の関数を作成することができます。

  • 状態を保存するための構造体を作成する
  • 状態を保存・復元するための関数を作成する
  • 状態遷移を制御する関数を作成する

この方法は、複雑な処理を制御したい場合に役立ちます。

使用例

  • エラー処理:
    • エラー発生時にメッセージを表示する
    • エラー発生時にログに記録する
  • 状態復元:
    • ゲームのポーズ機能
    • アンドゥ・リドゥ機能
  • コルーチン:
    • ネットワーク通信
    • ファイル入出力

まとめ

C言語における「setjmp」と「longjmp」は、強力な機能ですが、いくつかの欠点があります。これらの欠点を克服するために、いくつかの代替方法が提案されています。

使用方法は、状況によって異なります。具体的な状況に応じて、適切な方法を選択してください。




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