cursor.execute() メソッドを使用して生のSQLクエリを実行する
Djangoで生のSQLクエリを実行する方法
Djangoでは、以下の3つの方法で生のSQLクエリを実行することができます。
cursor.execute()を使用する
これは、最も基本的な方法です。PythonのDB-APIモジュールを使用して、データベース接続オブジェクトからカーソルを取得し、execute()
メソッドでクエリを実行します。
from django.db import connection
cursor = connection.cursor()
cursor.execute("SELECT * FROM my_table")
results = cursor.fetchall()
この方法では、クエリのパラメータを直接SQL文に埋め込む必要があります。そのため、SQLインジェクション攻撃のリスクがあります。パラメータを安全に渡すためには、プレースホルダ%s
を使用し、cursor.execute()
メソッドの2番目の引数にパラメータのリストを渡します。
cursor.execute("SELECT * FROM my_table WHERE id = %s", [1])
connection.raw()
メソッドは、cursor.execute()
と同様に生のSQLクエリを実行できますが、パラメータの安全な処理を自動的に行ってくれます。
from django.db import connection
results = connection.raw("SELECT * FROM my_table WHERE id = %s", [1])
モデルのraw()メソッドを使用する
モデルクラスのraw()
メソッドは、特定のモデルに対して生のSQLクエリを実行できます。
from myapp.models import MyModel
results = MyModel.objects.raw("SELECT * FROM my_table WHERE id = %s", [1])
この方法は、クエリ結果をモデルオブジェクトのリストに変換してくれるので、結果の処理が簡単になります。
注意事項
- 生のSQLクエリを実行する際は、SQLインジェクション攻撃のリスクに注意する必要があります。パラメータは必ず安全な方法で渡してください。
- 生のSQLクエリは、ORMで提供される機能よりもパフォーマンスが優れる場合がありますが、その逆の場合もあります。クエリの実行計画を分析し、最適な方法を選択する必要があります。
- 生のSQLクエリは、Djangoのバージョンによって動作が異なる場合があります。使用するバージョンのドキュメントを確認してください。
補足
- 上記の例では、SELECTクエリのみを扱っていますが、UPDATE、INSERT、DELETEなどのクエリも同様に実行できます。
- 生のSQLクエリを実行する際は、データベースのスキーマ変更に注意する必要があります。スキーマが変更された場合、クエリがエラーになる可能性があります。
- Django ORMは、複雑なクエリを簡単に記述できる強力なツールです。生のSQLクエリは、どうしてもORMで表現できない場合や、パフォーマンス上の理由で必要となる場合のみ使用することをおすすめします。
生のSQLクエリを実行するサンプルコード
cursor.execute()を使用する
from django.db import connection
# 全てのレコードを取得
cursor = connection.cursor()
cursor.execute("SELECT * FROM my_table")
results = cursor.fetchall()
# 主キーが1のレコードを取得
cursor.execute("SELECT * FROM my_table WHERE id = %s", [1])
result = cursor.fetchone()
# パラメータ付きのクエリ
name = "John Doe"
cursor.execute("SELECT * FROM my_table WHERE name = %s", [name])
results = cursor.fetchall()
connection.raw()を使用する
from django.db import connection
# 全てのレコードを取得
results = connection.raw("SELECT * FROM my_table")
# 主キーが1のレコードを取得
result = connection.raw("SELECT * FROM my_table WHERE id = %s", [1])
# パラメータ付きのクエリ
name = "John Doe"
results = connection.raw("SELECT * FROM my_table WHERE name = %s", [name])
モデルのraw()メソッドを使用する
from myapp.models import MyModel
# 全てのレコードを取得
results = MyModel.objects.raw("SELECT * FROM my_table")
# 主キーが1のレコードを取得
result = MyModel.objects.raw("SELECT * FROM my_table WHERE id = %s", [1])
# パラメータ付きのクエリ
name = "John Doe"
results = MyModel.objects.raw("SELECT * FROM my_table WHERE name = %s", [name])
その他のサンプルコード
- INSERTクエリ
from django.db import connection
cursor = connection.cursor()
cursor.execute("INSERT INTO my_table (name, age) VALUES (%s, %s)", ["John Doe", 30])
- UPDATEクエリ
from django.db import connection
cursor = connection.cursor()
cursor.execute("UPDATE my_table SET name = %s WHERE id = %s", ["Jane Doe", 1])
- DELETEクエリ
from django.db import connection
cursor = connection.cursor()
cursor.execute("DELETE FROM my_table WHERE id = %s", [1])
補足
- 上記のサンプルコードは、基本的な使い方を示しています。
Djangoで生のSQLクエリを実行するその他の方法
django.db.models.Model.objects.using()を使用する
Model.objects.using()
メソッドは、特定のデータベース接続を使用してクエリを実行できます。
from myapp.models import MyModel
# デフォルトのデータベース接続を使用
results = MyModel.objects.all()
# 別のデータベース接続を使用
results = MyModel.objects.using('other_db').all()
django.db.transaction.atomic()を使用する
transaction.atomic()
デコレータは、トランザクション内でクエリを実行できます。
from django.db import transaction
@transaction.atomic()
def my_function():
# 生のSQLクエリを実行
cursor.execute("UPDATE my_table SET name = %s WHERE id = %s", ["John Doe", 1])
カスタムクエリセットを作成して、生のSQLクエリを実行することができます。
from django.db import models
class MyCustomQuerySet(models.QuerySet):
def raw_query(self, sql, params=None):
"""
生のSQLクエリを実行する
"""
return self.model._default_manager.raw_query(sql, params)
class MyModel(models.Model):
objects = MyCustomQuerySet.as_manager()
# 生のSQLクエリを実行
results = MyModel.objects.raw_query("SELECT * FROM my_table")
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