Djangoでユーザー管理をもっと自由に！カスタムユーザーモデルの活用

Django settings.AUTH_USER_MODEL 設定の詳細解説

settings.AUTH_USER_MODEL は、Django プロジェクトで認証とユーザー管理に使用するユーザーモデルを指定する重要な設定です。デフォルトでは django.contrib.auth.models.User モデルが使用されますが、独自のニーズに合わせてカスタムユーザーモデルを作成し、この設定で指定することで、より柔軟なユーザー管理を実現できます。

設定内容

settings.AUTH_USER_MODEL は、以下の形式で設定します。

AUTH_USER_MODEL = 'app_label.ModelName'

• app_label: カスタムユーザーモデルを含むアプリの名前
• ModelName: カスタムユーザーモデルの名前

例

myapp アプリに MyUser というカスタムユーザーモデルがある場合、settings.AUTH_USER_MODEL は以下のようになります。

AUTH_USER_MODEL = 'myapp.MyUser'

設定の影響

settings.AUTH_USER_MODEL を設定すると、以下の影響があります。

• ユーザー認証: ログイン、ログアウト、パスワード変更などの認証処理は、指定されたユーザーモデルに対して行われます。
• ユーザー管理: Django Admin でユーザーを管理する際、指定されたユーザーモデルが表示されます。
• パーミッション: Django のパーミッションシステムは、指定されたユーザーモデルの属性に基づいて動作します。
• シグナル: ユーザーモデルに関するシグナルは、指定されたユーザーモデルに対して送信されます。

注意事項

• settings.AUTH_USER_MODEL を設定する前に、カスタムユーザーモデルを作成する必要があります。
• 設定を変更する場合は、既存のデータベースとの互換性を考慮する必要があります。
• 設定を変更した後、Django プロジェクトを再起動する必要があります。

補足

• settings.AUTH_USER_MODEL を設定する代わりに、get_user_model() ヘルパー関数を使用して、現在のユーザーモデルを取得することができます。
• カスタムユーザーモデルを作成する際は、AbstractUser または AbstractBaseUser クラスを継承することを推奨します。

settings.AUTH_USER_MODEL のサンプルコード

from django.contrib.auth.models import AbstractUser

class MyUser(AbstractUser):
    # 追加フィールド
    phone_number = models.CharField(max_length=20)
    address = models.CharField(max_length=255)

settings.AUTH_USER_MODEL 設定

AUTH_USER_MODEL = 'myapp.MyUser'

ログイン処理

from django.contrib.auth import authenticate, login

username = 'johndoe'
password = 'secret123'

user = authenticate(username=username, password=password)

if user is not None:
    login(request, user)

ユーザー管理

from django.contrib.auth.admin import UserAdmin

class MyUserAdmin(UserAdmin):
    # 管理画面のカスタマイズ

admin.site.register(MyUser, MyUserAdmin)

パーミッション

from django.contrib.auth.models import Permission

# カスタムパーミッションの作成

permission = Permission.objects.create(
    name='Can access my app',
    codename='can_access_myapp',
    content_type=ContentType.objects.get_for_model(MyUser)
)

# ユーザーにパーミッションを付与

user.user_permissions.add(permission)

シグナル

from django.contrib.auth.signals import user_logged_in

@receiver(user_logged_in)
def on_user_logged_in(sender, user, request, **kwargs):
    # ログイン時に処理を実行

settings.AUTH_USER_MODEL 以外の方法

複数のユーザーモデルを使用する場合は、各モデルを個別に管理する必要があります。

# models.py

class User1(models.Model):
    # ...

class User2(models.Model):
    # ...

# settings.py

AUTH_USER_MODEL = 'myapp.User1'

# views.py

def login(request):
    username = request.POST['username']
    password = request.POST['password']

    if '@' in username:
        user = User2.objects.authenticate(username=username, password=password)
    else:
        user = User1.objects.authenticate(username=username, password=password)

    if user is not None:
        login(request, user)

抽象ユーザーモデル

django.contrib.auth.models.AbstractUser クラスを継承してカスタムユーザーモデルを作成することができます。

from django.contrib.auth.models import AbstractUser

class MyUser(AbstractUser):
    # 追加フィールド
    phone_number = models.CharField(max_length=20)
    address = models.CharField(max_length=255)

カスタム認証バックエンド

独自の認証バックエンドを作成して、カスタムユーザーモデルを認証することができます。

from django.contrib.auth.backends import ModelBackend

class MyBackend(ModelBackend):
    # 認証ロジック

既存のユーザーモデルを拡張

既存の User モデルを拡張して、必要なフィールドを追加することができます。

from django.contrib.auth.models import User

class MyProfile(models.Model):
    # 追加フィールド
    phone_number = models.CharField(max_length=20)
    address = models.CharField(max_length=255)

# 1対1の関係

user = User.objects.get(username='johndoe')
profile = user.profile

各方法の比較

• シンプルなプロジェクトであれば、settings.AUTH_USER_MODEL を使用するのがおすすめです。
• 複数ユーザーモデルが必要であれば、個別に管理できる方法を選択する必要があります。
• 認証ロジックをカスタマイズしたい場合は、カスタム認証バックエンドを作成する必要があります。