ESLint ルール "no-object-constructor" の徹底解説: オブジェクトリテラル記法でコードをスッキリさせよう

2024-04-02

ESLint ルール "no-object-constructor" の詳細解説

no-object-constructor は、new キーワードなしで Object コンストラクタを使用することを禁止する ESLint ルールです。これは、オブジェクトリテラル記法の方が簡潔で読みやすいコードになるためです。

ルール設定

このルールはデフォルトではオフになっています。有効にするには、.eslintrc ファイルに以下のように設定します。

{
  "rules": {
    "no-object-constructor": "error"
  }
}

違反例

// 違反例
const obj1 = new Object();
const obj2 = new Object(1);

推奨される書き方

// 推奨される書き方
const obj1 = {};
const obj2 = { value: 1 };

例外

以下の場合、このルールは違反とみなされません。

  • new キーワードを使用して Object コンストラクタを呼び出す場合
  • サードパーティライブラリなどの外部コードで使用されている場合

補足

  • このルールは、コードの簡潔性と可読性を向上させるのに役立ちます。
  • オブジェクトリテラル記法は、プロパティの初期値を設定するなど、より多くの機能を提供します。
  • ほとんどの場合、new キーワードなしで Object コンストラクタを使用する必要はありません。

関連ルール

  • no-array-constructor: new キーワードなしで Array コンストラクタを使用することを禁止するルール
  • no-new-wrappers: new キーワードを使用してプリミティブ値をラッパーオブジェクトに変換することを禁止するルール


no-object-constructor ルールのサンプルコード

// 違反例: `new` キーワードなしで `Object` コンストラクタを使用
const obj1 = new Object();
const obj2 = new Object(1);
const obj3 = new Object({ name: "John" });

// 違反例: サードパーティライブラリで `new Object()` を使用
const someLib = require("some-library");
const obj4 = new someLib.Object();

推奨される書き方

// 推奨される書き方: オブジェクトリテラル記法を使用
const obj1 = {};
const obj2 = { value: 1 };
const obj3 = { name: "John" };

// 推奨される書き方: サードパーティライブラリのオブジェクトを直接使用
const someLib = require("some-library");
const obj4 = someLib.Object();

その他の例

// 例: `new` キーワードを使用して `Object` コンストラクタを呼び出す (例外)
const obj5 = new Object(null); // 空のオブジェクトを作成

// 例: サードパーティライブラリで `new Object()` を使用 (例外)
const someLib = require("some-library");
const obj6 = new someLib.Object(1, 2, 3); // サードパーティライブラリのコンストラクタを使用

ヒント

  • ESLint の自動修正機能を使用して、違反箇所を自動的に修正できます。
  • コードレビュー時に、このルール違反がないか確認することをおすすめします。


new Object() の代わりに使用できるその他の方法

オブジェクトリテラル記法は、オブジェクトを作成する最も簡潔で一般的な方法です。

const obj = {
  name: "John",
  age: 30,
  sayHello() {
    console.log("Hello!");
  },
};

クラスを使用して、テンプレートとなるオブジェクトを作成できます。

class Person {
  constructor(name, age) {
    this.name = name;
    this.age = age;
  }

  sayHello() {
    console.log("Hello!");
  }
}

const obj = new Person("John", 30);

ファクトリー関数を使用して、オブジェクトを作成できます。

function createPerson(name, age) {
  return {
    name,
    age,
    sayHello() {
      console.log("Hello!");
    },
  };
}

const obj = createPerson("John", 30);

オブジェクトスプリッド構文を使用して、既存のオブジェクトから新しいオブジェクトを作成できます。

const obj1 = {
  name: "John",
  age: 30,
};

const obj2 = { ...obj1, city: "New York" };

console.log(obj2); // { name: "John", age: 30, city: "New York" }

その他のライブラリ

Lodash などのライブラリには、オブジェクトを作成するための便利なユーティリティ関数が含まれています。

const _ = require("lodash");

const obj = _.defaults({ name: "John" }, { age: 30 });

console.log(obj); // { name: "John", age: 30 }
  • オブジェクトがシンプルでプロパティが少数の場合は、オブジェクトリテラル記法を使用するのが最適です。
  • オブジェクトが複雑な場合や、再利用可能なテンプレートが必要な場合は、クラスを使用するのが良いでしょう。
  • オブジェクトを作成するロジックが複雑な場合は、ファクトリー関数を使用するのが良いでしょう。
  • 既存のオブジェクトから新しいオブジェクトを作成したい場合は、オブジェクトスプリッド構文を使用するのが良いでしょう。
  • ライブラリに便利なユーティリティ関数がある場合は、それを使用することを検討しましょう。

new Object() の代わりに、さまざまな方法を使用してオブジェクトを作成できます。 状況に応じて最適な方法を選択してください。




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