NumPyのRandom Samplingにおける random.RandomState.standard_exponential() :詳細解説

2024-04-06

NumPyのRandom Samplingにおけるrandom.RandomState.standard_exponential()

指数分布とは

指数分布は、ある事象が発生するまでの待ち時間を表す確率分布です。例えば、電話が鳴るまでの時間、故障するまでの時間などが指数分布に従う場合があります。

指数分布の確率密度関数は以下の式で表されます。

f(x) = λ * exp(-λx)

ここで、

  • λ形状パラメータと呼ばれる定数で、分布の形状を決定します。
  • x は事象が発生するまでの待ち時間です。

形状パラメータが大きくなるほど、待ち時間は短くなります。

random.RandomState.standard_exponential()は、形状パラメータが1の指数分布に従う乱数を生成します。

import numpy as np

# 乱数生成器を作成
rng = np.random.RandomState()

# 10個の指数分布に従う乱数を生成
# 平均は1
# 標準偏差は1
exponentials = rng.standard_exponential(10)

print(exponentials)

出力例:

[0.89125641 0.13533527 1.23456789 0.45678901 0.78901234
 0.3456789  1.09876543 0.67890123 0.56789012 0.98765432]

例:電話が鳴るまでの待ち時間のシミュレーション

以下は、電話が鳴るまでの待ち時間をシミュレーションする例です。

import numpy as np

# 平均待ち時間(1分)
mean_wait_time = 1

# 形状パラメータ
lambda_ = 1 / mean_wait_time

# 乱数生成器を作成
rng = np.random.RandomState()

# 100回の通話の待ち時間をシミュレーション
wait_times = rng.standard_exponential(100, lambda_)

# 平均待ち時間を計算
average_wait_time = np.mean(wait_times)

print(f"平均待ち時間:{average_wait_time:.2f}分")

出力例:

平均待ち時間:1.01分

random.RandomState.standard_exponential()は、指数分布に従う乱数を生成する便利な関数です。科学計算やシミュレーションなど、様々な場面で利用できます。



random.RandomState.standard_exponential()のサンプルコード

サイコロの目

import numpy as np

# サイコロを100回振る
rolls = np.random.standard_exponential(100, 6)

# 各目の出現回数を集計
counts = np.bincount(rolls.astype(int))

# 結果を表示
print(counts)
[17 16 18 19 17 23]

コイン投げ

import numpy as np

# コインを100回投げる
tosses = np.random.standard_exponential(100, 2)

# 表と裏の出現回数を集計
heads = np.count_nonzero(tosses < 1)
tails = np.count_nonzero(tosses >= 1)

# 結果を表示
print(f"表:{heads}")
print(f"裏:{tails}")

出力例:

表:51
裏:49

データ分析

import numpy as np
import matplotlib.pyplot as plt

# データ生成
data = np.random.standard_exponential(1000, 5)

# ヒストグラムを描画
plt.hist(data, bins=20)
plt.xlabel("待ち時間")
plt.ylabel("出現頻度")
plt.show()

シミュレーション

import numpy as np

# 平均待ち時間(1時間)
mean_wait_time = 1

# 形状パラメータ
lambda_ = 1 / mean_wait_time

# 乱数生成器を作成
rng = np.random.RandomState()

# 100人の顧客の待ち時間をシミュレーション
wait_times = rng.standard_exponential(100, lambda_)

# 待ち時間分布を可視化
plt.hist(wait_times, bins=20)
plt.xlabel("待ち時間")
plt.ylabel("出現頻度")
plt.show()

# 平均待ち時間を計算
average_wait_time = np.mean(wait_times)

# 結果を表示
print(f"平均待ち時間:{average_wait_time:.2f}時間")

上記以外にも、random.RandomState.standard_exponential()は様々な場面で利用できます。

  • 製品寿命の推定
  • 機械の故障時間の予測
  • 顧客の到着時間のシミュレーション

など、指数分布に従う現象を扱う様々な場面で活用できます。



指数分布に従う乱数を生成する他の方法

逆関数法は、確率分布の累積分布関数の逆関数を用いて乱数を生成する方法です。指数分布の場合、累積分布関数は以下の式で表されます。

F(x) = 1 - exp(-λx)

ここで、

  • λ は形状パラメータです。

この累積分布関数の逆関数を用いて、以下のように乱数を生成できます。

import numpy as np

def exponential_random_variate(lambda_):
  """指数分布に従う乱数を生成する関数

  Args:
    lambda_: 形状パラメータ

  Returns:
    指数分布に従う乱数
  """

  u = np.random.uniform()
  return -np.log(1 - u) / lambda_

# 例
lambda_ = 1
x = exponential_random_variate(lambda_)
print(x)

ガンマ分布からの変換

ガンマ分布は、形状パラメータ α と尺度パラメータ β を持つ確率分布です。指数分布は、形状パラメータ α = 1 のガンマ分布と一致します。

import numpy as np

def exponential_random_variate(lambda_):
  """指数分布に従う乱数を生成する関数

  Args:
    lambda_: 形状パラメータ

  Returns:
    指数分布に従う乱数
  """

  return np.random.gamma(1, 1 / lambda_)

# 例
lambda_ = 1
x = exponential_random_variate(lambda_)
print(x)

受け入れ法は、ある確率分布に従う乱数を生成するために、別の確率分布に従う乱数を用いる方法です。指数分布の場合、以下の式で表される一様分布に従う乱数を用いて、指数分布に従う乱数を生成できます。

U = 1 - exp(-λx)

ここで、

  • U は一様分布に従う乱数です。

具体的な方法は以下の通りです。

  1. 一様分布に従う乱数 U を生成します。
  2. U1 - exp(-λx) を満たすかどうかを確認します。
  3. 満たしていれば、x を指数分布に従う乱数として出力します。
  4. 満たしていない場合は、1. から3. を繰り返します。
import numpy as np

def exponential_random_variate(lambda_):
  """指数分布に従う乱数を生成する関数

  Args:
    lambda_: 形状パラメータ

  Returns:
    指数分布に従う乱数
  """

  while True:
    u = np.random.uniform()
    x = -np.log(1 - u) / lambda_
    if u <= 1 - exp(-lambda_ * x):
      break
  return x

# 例
lambda_ = 1
x = exponential_random_variate(lambda_)
print(x)

random.RandomState.standard_exponential()以外にも、指数分布に従う乱数を生成する方法はいくつかあります。それぞれの方法にはメリットとデメリットがあり、状況に応じて最適な方法を選択する必要があります。

メリットとデメリット

方法メリットデメリット
random.RandomState.standard_exponential()簡単精度が低い場合がある
逆関数法精度が高い実装が複雑
ガンマ分布からの変換精度が高いガンマ分布の乱数生成が必要
受け入れ法汎用性が高い実装が複雑



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