NumPy C-API: NpyIter_GetMultiIndexFunc 関数詳解
NumPy C-API: NpyIter_GetMultiIndexFunc 関数解説
関数概要
typedef void (*NpyIter_GetMultiIndexFunc)(npy_intp *multi_index,
NpyIter *iter);
-
引数
multi_index
: 現在のイテレーションにおけるマルチインデックスを格納するポインタiter
: NumPy イテレータ
-
戻り値
- なし
使用例
// NumPy 配列を初期化する
npy_intp shape[] = {3, 2};
PyArrayObject *array = PyArray_SimpleNew(2, shape, NPY_INT32);
int *data = (int *)PyArray_DATA(array);
for (int i = 0; i < 6; i++) {
data[i] = i;
}
// NumPy イテレータを作成する
NpyIter *iter = NpyIter_New(array, NPY_ITER_ANY, NPY_KEEPORDER,
NPY_NO_INNER_ITERATION);
// マルチインデックスを取得するための関数
NpyIter_GetMultiIndexFunc get_multi_index = NpyIter_GetMultiIndexFunc(iter);
// イテレーションループ
while (NpyIter_Next(iter)) {
// 現在のイテレーションにおけるマルチインデックスを取得
npy_intp multi_index[2];
get_multi_index(multi_index, iter);
// マルチインデックスを使用して配列要素にアクセス
int value = data[multi_index[0] * 2 + multi_index[1]];
// 処理を行う
printf("(%d, %d): %d\n", multi_index[0], multi_index[1], value);
}
// NumPy イテレータを破棄する
NpyIter_Dealloc(iter);
// NumPy 配列を解放する
Py_DECREF(array);
この例では、NpyIter_GetMultiIndexFunc
を使用して、現在のイテレーションにおけるマルチインデックスを取得し、そのインデックスを使用して配列要素にアクセスしています。
補足
NpyIter_GetMultiIndexFunc
は、NumPy イテレータ内でマルチインデックスを取得する必要がある場合に使用されます。- マルチインデックスは、多次元配列における各要素の位置を表すインデックスの集合です。
NpyIter_GetMultiIndexFunc
は、NumPy C-API の高度な機能です。C 言語の知識と NumPy C-API の理解がない場合は、使用を避けることを推奨します。
NumPy C-API: NpyIter_GetMultiIndexFunc 関数 サンプルコード
サンプルコード 1: 配列要素の合計値を計算する
#include <stdio.h>
#include <numpy/npy_iter.h>
int main() {
// NumPy 配列を初期化する
npy_intp shape[] = {3, 2};
PyArrayObject *array = PyArray_SimpleNew(2, shape, NPY_INT32);
int *data = (int *)PyArray_DATA(array);
for (int i = 0; i < 6; i++) {
data[i] = i;
}
// NumPy イテレータを作成する
NpyIter *iter = NpyIter_New(array, NPY_ITER_ANY, NPY_KEEPORDER,
NPY_NO_INNER_ITERATION);
// マルチインデックスを取得するための関数
NpyIter_GetMultiIndexFunc get_multi_index = NpyIter_GetMultiIndexFunc(iter);
// 配列要素の合計値を計算する
int sum = 0;
while (NpyIter_Next(iter)) {
// 現在のイテレーションにおけるマルチインデックスを取得
npy_intp multi_index[2];
get_multi_index(multi_index, iter);
// マルチインデックスを使用して配列要素にアクセス
int value = data[multi_index[0] * 2 + multi_index[1]];
// 合計値に加算
sum += value;
}
// 結果を出力
printf("合計値: %d\n", sum);
// NumPy イテレータを破棄する
NpyIter_Dealloc(iter);
// NumPy 配列を解放する
Py_DECREF(array);
return 0;
}
サンプルコード 2: 配列要素の最大値と最小値を見つける
#include <stdio.h>
#include <numpy/npy_iter.h>
int main() {
// NumPy 配列を初期化する
npy_intp shape[] = {3, 2};
PyArrayObject *array = PyArray_SimpleNew(2, shape, NPY_INT32);
int *data = (int *)PyArray_DATA(array);
for (int i = 0; i < 6; i++) {
data[i] = i;
}
// NumPy イテレータを作成する
NpyIter *iter = NpyIter_New(array, NPY_ITER_ANY, NPY_KEEPORDER,
NPY_NO_INNER_ITERATION);
// マルチインデックスを取得するための関数
NpyIter_GetMultiIndexFunc get_multi_index = NpyIter_GetMultiIndexFunc(iter);
// 配列要素の最大値と最小値を見つける
int max_value = INT32_MIN;
int min_value = INT32_MAX;
while (NpyIter_Next(iter)) {
// 現在のイテレーションにおけるマルチインデックスを取得
npy_intp multi_index[2];
get_multi_index(multi_index, iter);
// マルチインデックスを使用して配列要素にアクセス
int value = data[multi_index[0] * 2 + multi_index[1]];
// 最大値と最小値を更新
if (value > max_value) {
max_value = value;
}
if (value < min_value) {
min_value = value;
}
}
// 結果を出力
printf("最大値: %d\n", max_value);
printf("最小値: %d\n", min_value);
// NumPy イテレータを破棄する
NpyIter_Dealloc(iter);
// NumPy 配列を解放する
Py_DECREF(array);
return 0;
}
サンプルコード 3: マルチインデックスを使用して配列要素にアクセスする
#include <stdio.h>
#include <numpy/npy_iter.h>
int main() {
// NumPy 配列を初期化する
npy_intp shape[] = {3, 2};
PyArrayObject *
NumPy C-API: NpyIter_GetMultiIndexFunc 関数の代替方法
NpyIter
構造体には multi_index
フィールドがあり、現在のイテレーションにおけるマルチインデックスが格納されています。このフィールドを使用するには、以下のコードのように NpyIter_Next
関数呼び出し後に直接アクセスできます。
while (NpyIter_Next(iter)) {
// 現在のイテレーションにおけるマルチインデックスを取得
npy_intp multi_index[NPY_MAXDIMS];
for (int i = 0; i < iter->nditer; i++) {
multi_index[i] = iter->multi_index[i];
}
// マルチインデックスを使用して配列要素にアクセス
...
}
この方法は、NpyIter_GetMultiIndexFunc
関数よりも簡潔ですが、マルチインデックスの各要素を個別に取得する必要があるため、少し冗長になります。
マクロを使用する
NumPy C-API では、マルチインデックスを取得するためのマクロがいくつか定義されています。これらのマクロを使用するには、以下のコードのように NPY_ITER_GET_MULTI_INDEX
マクロを使用できます。
while (NpyIter_Next(iter)) {
// 現在のイテレーションにおけるマルチインデックスを取得
npy_intp multi_index[NPY_MAXDIMS];
NPY_ITER_GET_MULTI_INDEX(multi_index, iter);
// マルチインデックスを使用して配列要素にアクセス
...
}
この方法は、NpyIter_GetMultiIndexFunc
関数よりも簡潔で、NpyIter
構造体の multi_index
フィールドを直接アクセスするよりも効率的です。
独自の関数を作成する
上記のいずれの方法もニーズに合わない場合は、独自の関数を作成してマルチインデックスを取得することができます。独自の関数を作成するには、以下のコードのように NpyIter_GetIterIndex
関数と NpyIter_GetNditer
関数を使用します。
static void get_multi_index(npy_intp *multi_index, NpyIter *iter) {
// イテレータインデックスを取得
npy_intp iter_index = NpyIter_GetIterIndex(iter);
// マルチインデックスを計算
for (int i = 0; i < iter->nditer; i++) {
multi_index[i] = iter_index % iter->shape[i];
iter_index /= iter->shape[i];
}
}
この方法は、最も柔軟な方法ですが、最も複雑な方法でもあります。
どの方法を使用するべきかは、ニーズとプログラミングスタイルによって異なります。
- 簡潔さを求める場合は、
NpyIter_GetMultiIndexFunc
関数を使用するのがおすすめです。 - 効率性を求める場合は、マクロを使用するのがおすすめです。
- 柔軟性を求める場合は、独自の関数を作成するのがおすすめです。
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