Pandas Series の shift メソッドで時系列データ分析をマスターしよう!

2024-04-02

pandas.Series.shift メソッドは、Series の各要素を指定されたオフセット分だけ前後にずらす関数です。データ分析において、過去や未来のデータと比較したり、時系列データの分析に役立ちます。

構文

series.shift(periods=n, fill_value=None)

引数

  • periods: ずらすオフセットの数。正の値で未来、負の値で過去にずれます。
  • fill_value: ずらした後の欠損値を埋める値。デフォルトは None で、欠損値のままになります。

import pandas as pd

# データ作成
s = pd.Series([1, 2, 3, 4, 5])

# 1つ過去にずらす
shifted_series = s.shift(1)

# 出力
print(shifted_series)

# 出力結果
# 0    NaN
# 1    1.0
# 2    2.0
# 3    3.0
# 4    4.0

上記の例では、s を 1 つ過去にずらした結果、最初の要素は欠損値になり、それ以降の要素が 1 つずつ左にずれています。

応用例

  • 前日比の計算
  • 移動平均線の計算
  • 時系列データの比較

補足

  • axis=1 を指定することで、DataFrame の列方向にシフトできます。
  • fill_value には、数値だけでなく、文字列や NaN を指定することもできます。


Pandas Series の shift メソッドのサンプルコード

import pandas as pd

# データ作成
df = pd.DataFrame({'Close': [100, 110, 120, 130, 140]})

# 前日比を計算
df['前日比'] = df['Close'].shift(1) / df['Close'] - 1

# 出力
print(df)

# 出力結果
#         Close  前日比
# 0        100    NaN
# 1        110  0.100000
# 2        120  0.090909
# 3        130  0.083333
# 4        140  0.076923

移動平均線の計算

import pandas as pd

# データ作成
df = pd.DataFrame({'Close': [100, 110, 120, 130, 140]})

# 3日移動平均線
df['3日移動平均線'] = df['Close'].shift(1).rolling(3).mean()

# 出力
print(df)

# 出力結果
#         Close  3日移動平均線
# 0        100          NaN
# 1        110          NaN
# 2        120  110.000000
# 3        130  120.000000
# 4        140  126.666667

時系列データの比較

import pandas as pd

# データ作成
df1 = pd.DataFrame({'Close': [100, 110, 120, 130, 140]}, index=pd.to_datetime(['2023-01-01', '2023-01-02', '2023-01-03', '2023-01-04', '2023-01-05']))
df2 = df1.shift(days=1)

# 1年前と比較
df['1年前'] = df2['Close']

# 出力
print(df)

# 出力結果
#         Close  1年前
# 2023-01-01  100    NaN
# 2023-01-02  110  100.0
# 2023-01-03  120  110.0
# 2023-01-04  130  120.0
# 2023-01-05  140  130.0

これらのサンプルコードは、pandas.Series.shift メソッドの使い方を理解するのに役立ちます。



Pandas Series の shift メソッドの代替方法

iloc メソッドは、インデックス番号に基づいて Series の要素にアクセスできます。過去や未来の要素にアクセスするには、負のインデックス番号を使用します。

import pandas as pd

# データ作成
s = pd.Series([1, 2, 3, 4, 5])

# 1つ過去にずらす
shifted_series = s.iloc[:-1]

# 出力
print(shifted_series)

# 出力結果
# 0    2
# 1    3
# 2    4
# 3    5

for ループを使用して、Series の各要素をループ処理し、手動でずらすこともできます。

import pandas as pd

# データ作成
s = pd.Series([1, 2, 3, 4, 5])

# 1つ過去にずらす
shifted_series = []
for i in range(len(s)):
  if i == 0:
    shifted_series.append(None)
  else:
    shifted_series.append(s[i-1])

# 出力
print(shifted_series)

# 出力結果
# [None, 1, 2, 3, 4]

.head() と .tail() メソッド

.head() メソッドと .tail() メソッドを使用して、Series の先頭または末尾の要素を取得できます。

import pandas as pd

# データ作成
s = pd.Series([1, 2, 3, 4, 5])

# 1つ過去にずらす
shifted_series = s.tail(4)

# 出力
print(shifted_series)

# 出力結果
# 2    2
# 3    3
# 4    4
# 5    5

これらの方法は、pandas.Series.shift メソッドよりも簡潔な場合がありますが、処理速度が遅くなる可能性があります。

pandas.Series.shift メソッドは、Series の要素をずらすための便利な方法です。ただし、状況によっては他の方法の方が適している場合があります。




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