Pandas Styleで特定範囲の値を視覚的に強調表示: highlight_quantile メソッド完全解説
Pandas Styleで特定の範囲の値をハイライト表示する:highlight_quantile メソッドの詳細解説
メソッドの概要
highlight_quantile
メソッドは、以下の引数を受け取ります。
quantile
: ハイライト対象となる範囲を指定します。0から1までの数値で、データの範囲を表します。例えば、quantile=0.25
とすると、下位25%の値がハイライトされます。subset
: ハイライト対象となる列を指定します。デフォルトでは全ての列が対象となりますが、特定の列のみをハイライトしたい場合は、列名をリストで指定できます。color
: ハイライト表示の色を指定します。デフォルトでは'yellow'
ですが、CSSのカラーコードや名前で任意の色を指定できます。axis
: ハイライト対象となる軸を指定します。デフォルトでは0
で、行方向にハイライト表示されます。1
を指定すると、列方向にハイライト表示されます。method
: 範囲の計算方法を指定します。デフォルトでは'inclusive'
で、指定された範囲を含む全ての値がハイライトされます。'exclusive'
を指定すると、範囲に含まれない値のみがハイライトされます。na_rule
: 欠損値の扱い方を指定します。デフォルトでは'ignore'
で、欠損値はハイライト対象となりません。'highlight'
を指定すると、欠損値もハイライトされます。
実践的な例
以下の例では、highlight_quantile
メソッドを使って、データフレーム内の下位25%と上位25%の値をそれぞれ異なる色でハイライト表示しています。
import pandas as pd
df = pd.DataFrame({'A': [1, 2, 3, 4, 5], 'B': [6, 7, 8, 9, 10]})
# 下位25%を黄色、上位25%を青色でハイライト
df.style.highlight_quantile(
quantile=[0.25, 0.75],
colors=['yellow', 'blue'],
subset=['A', 'B'],
)
出力結果:
A B
0 1 6
1 2 7
2 3 8
3 4 9
4 5 10
この例のように、highlight_quantile
メソッドは、データの分布や異常値を視覚的に強調表示することで、データ分析をより効率的に行うことができます。
補足情報
highlight_quantile
メソッドは、Styler
オブジェクトに対して呼び出します。- 複数の範囲を同時にハイライトしたい場合は、
quantile
引数に複数の数値をリストで渡すことができます。 - ハイライト表示のスタイルは、CSS を使ってカスタマイズできます。
その他の関連メソッド
highlight_max
: 最大値をハイライト表示します。highlight_between
: 2つの値の間にある値をハイライト表示します。
これらのメソッドを組み合わせることで、データフレームをより詳細に分析することができます。
pandas.io.formats.style.Styler.highlight_quantile
メソッドは、データフレーム内の特定の範囲の値を視覚的に強調表示するための強力なツールです。この機能を使いこなすことで、データ分析をより効率的に行うことができます。
Pandas Styleで特定の範囲の値をハイライト表示する:highlight_quantile メソッドのサンプルコード集
基本的な例
import pandas as pd
df = pd.DataFrame({'A': [1, 2, 3, 4, 5], 'B': [6, 7, 8, 9, 10]})
# 下位25%を黄色、上位25%を青色でハイライト
df.style.highlight_quantile(
quantile=[0.25, 0.75],
colors=['yellow', 'blue'],
subset=['A', 'B'],
)
複数の範囲をハイライト
df.style.highlight_quantile(
quantile=[0.1, 0.5, 0.9],
colors=['red', 'yellow', 'green'],
subset=['A', 'B'],
)
特定の列のみをハイライト
df.style.highlight_quantile(
quantile=[0.25, 0.75],
colors=['yellow', 'blue'],
subset=['A'],
)
範囲の計算方法を指定
df.style.highlight_quantile(
quantile=[0.25, 0.75],
colors=['yellow', 'blue'],
method='exclusive',
)
欠損値の扱い方を指定
df.style.highlight_quantile(
quantile=[0.25, 0.75],
colors=['yellow', 'blue'],
na_rule='highlight',
)
スタイルのカスタマイズ
df.style.highlight_quantile(
quantile=[0.25, 0.75],
colors=['yellow', 'blue'],
styler=lambda x: x.background_gradient('red', 'green')
)
条件付きハイライト
def highlight_low(x):
return x.apply(lambda y: 'background-color: yellow' if y < 3 else '')
df.style.highlight_quantile(
quantile=0.25,
subset=['A'],
styler=highlight_low
)
Pandasで特定の範囲の値をハイライト表示するその他の方法
loc と where を使う
df.loc[df['A'] < df['A'].quantile(0.25), 'A'] = 'yellow'
df.loc[df['A'] > df['A'].quantile(0.75), 'A'] = 'blue'
mask を使う
mask = (df['A'] < df['A'].quantile(0.25)) | (df['A'] > df['A'].quantile(0.75))
df['A'] = df['A'].mask(mask, 'yellow')
条件付きフォーマットを使う
df.style.apply(lambda x: ['background-color: yellow' if y < 3 else '' for y in x], subset=['A'])
カスタムフォーマッターを使う
def highlight_quantile(val):
if val < df['A'].quantile(0.25):
return 'background-color: yellow'
elif val > df['A'].quantile(0.75):
return 'background-color: blue'
else:
return ''
df.style.format(formatter=highlight_quantile, subset=['A'])
これらの方法はいずれも、highlight_quantile
メソッドよりも簡潔に記述できますが、機能的には劣ります。
- シンプルなハイライト表示であれば、
loc
とwhere
を使う方法が最も簡単です。 - より複雑な条件でハイライト表示したい場合は、
mask
を使う方法がおすすめです。 - 条件付きフォーマットを使うと、コードをより簡潔に記述できますが、すべてのバージョンでサポートされているわけではありません。
- カスタムフォーマッターを使うと、最も柔軟な方法でハイライト表示できますが、コード量が増えてしまいます。
pandas.io.formats.style.Styler.highlight_quantile
メソッド以外にも、データフレーム内の特定の範囲の値をハイライト表示する方法はいくつかあります。どの方法を使うべきかは、状況によって異なります。
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