Python Data Types: weakref.CallableProxyType とは?

2024-04-02

PythonにおけるData Types: weakref.CallableProxyType解説

weakref.CallableProxyType は、Pythonのデータ型の一つで、弱い参照 を介して呼び出し可能なオブジェクトを作成するためのものです。通常のオブジェクト参照とは異なり、CallableProxyType は参照するオブジェクトがガベージコレクションによって破棄されるのを防ぎません。

用途

CallableProxyType は、以下の用途で役立ちます。

  • オブジェクトへの弱い参照を維持したい場合: オブジェクトがガベージコレクションによって破棄されても、CallableProxyType 経由でアクセスすることができます。
  • 循環参照を回避したい場合: オブジェクト同士が循環参照を持っている場合、CallableProxyType を使用することで循環参照を破ることができます。

使い方

weakref.CallableProxyType を使用するには、以下の手順が必要です。

  1. 呼び出し可能なオブジェクトを作成します。
  2. weakref.CallableProxyType を使用して、オブジェクトへの弱い参照を作成します。
  3. 弱い参照を使用して、オブジェクトを呼び出します。

def my_function():
  print("Hello, world!")

proxy = weakref.CallableProxyType(my_function)

# オブジェクトを呼び出す
proxy()

# オブジェクトがガベージコレクションによって破棄される
del my_function

# オブジェクトは呼び出せなくなる
try:
  proxy()
except ReferenceError:
  print("オブジェクトは破棄されました")

注意点

weakref.CallableProxyType を使用するには、以下の点に注意する必要があります。

  • 弱い参照は、参照するオブジェクトがガベージコレクションによって破棄されると無効になります。
  • 無効な弱い参照を使用してオブジェクトを呼び出すと、ReferenceError 例外が発生します。


weakref.CallableProxyType のサンプルコード

オブジェクトへの弱い参照を維持する

class MyClass:
  def __init__(self, name):
    self.name = name

  def __repr__(self):
    return f"<MyClass(name={self.name})>"

# オブジェクトを作成
my_object = MyClass("My Object")

# 弱い参照を作成
proxy = weakref.CallableProxyType(my_object)

# オブジェクトを参照
print(proxy.name)  # 出力: "My Object"

# オブジェクトがガベージコレクションによって破棄される
del my_object

# オブジェクトは参照できる
print(proxy.name)  # 出力: "My Object"

# オブジェクトは変更できない
try:
  proxy.name = "New Name"
except AttributeError:
  print("オブジェクトは変更できません")

循環参照を回避する

class MyClass:
  def __init__(self, name):
    self.name = name
    self.other = None

# 循環参照を作成
my_object1 = MyClass("My Object 1")
my_object2 = MyClass("My Object 2")
my_object1.other = my_object2
my_object2.other = my_object1

# 弱い参照を作成
proxy1 = weakref.CallableProxyType(my_object1)
proxy2 = weakref.CallableProxyType(my_object2)

# オブジェクトを参照
print(proxy1.name)  # 出力: "My Object 1"
print(proxy2.name)  # 出力: "My Object 2"

# オブジェクトがガベージコレクションによって破棄される
del my_object1, my_object2

# オブジェクトは参照できる
print(proxy1.name)  # 出力: "My Object 1"
print(proxy2.name)  # 出力: "My Object 2"

# オブジェクトは変更できない
try:
  proxy1.name = "New Name"
except AttributeError:
  print("オブジェクトは変更できません")

コールバック関数への弱い参照を維持する

import threading

def my_callback(arg1, arg2):
  print(f"Received arguments: {arg1}, {arg2}")

# コールバック関数への弱い参照を作成
proxy = weakref.CallableProxyType(my_callback)

# イベントを作成
event = threading.Event()

# コールバック関数をイベントに登録
event.set_callback(proxy)

# イベントを発生させる
event.set()

# オブジェクトがガベージコレクションによって破棄される
del my_callback

# イベントは発生する
event.wait()

# コールバック関数は呼び出されない
event.set()

# イベントは発生しない
event.wait(timeout=1)

辞書キーとしての弱い参照

my_dict = {}

# オブジェクトへの弱い参照を作成
proxy = weakref.CallableProxyType(my_object)

# 弱い参照を辞書キーとして使用
my_dict[proxy] = "My Value"

# オブジェクトを参照
print(my_dict[proxy])  # 出力: "My Value"

# オブジェクトがガベージコレクションによって破棄される
del my_object

# 辞書キーは無効になる
try:
  print(my_dict[proxy])
except KeyError:
  print("キーは無効になりました")


weakref.CallableProxyType 以外の方法

標準ライブラリの weakref モジュール

weakref モジュールは、weakref.refweakref.proxy などのクラスを提供します。これらのクラスを使用して、オブジェクトへの弱い参照を作成できます。

import weakref

# オブジェクトへの弱い参照を作成
my_ref = weakref.ref(my_object)

# オブジェクトを参照
print(my_ref())  # 出力: <MyClass(name="My Object")>

# オブジェクトがガベージコレクションによって破棄される
del my_object

# 弱い参照は無効になる
print(my_ref())  # 出力: None

自作の弱い参照クラス

weakref.CallableProxyTypeweakref モジュールのクラスを使用せず、自作の弱い参照クラスを作成することもできます。

class WeakRef:
  def __init__(self, obj):
    self._obj = obj
    self._ref = weakref.ref(obj)

  def __call__(self):
    return self._ref()

# オブジェクトへの弱い参照を作成
my_ref = WeakRef(my_object)

# オブジェクトを参照
print(my_ref())  # 出力: <MyClass(name="My Object")>

# オブジェクトがガベージコレクションによって破棄される
del my_object

# 弱い参照は無効になる
print(my_ref())  # 出力: None

特殊メソッド __weakref__

オブジェクトが __weakref__ 特殊メソッドを実装している場合、weakref.proxy 関数を使用して、オブジェクトへの弱いプロキシを作成できます。

class MyClass:
  def __init__(self, name):
    self.name = name

  def __weakref__(self):
    return weakref.ref(self)

# オブジェクトへの弱いプロキシを作成
proxy = weakref.proxy(my_object)

# オブジェクトを参照
print(proxy.name)  # 出力: "My Object"

# オブジェクトがガベージコレクションによって破棄される
del my_object

# 弱いプロキシは無効になる
try:
  print(proxy.name)
except ReferenceError:
  print("プロキシは無効になりました")

weakref.CallableProxyType は、オブジェクトへの弱い参照を維持する方法の一つです。他の方法として、weakref モジュールのクラスや自作の弱い参照クラスを使用したり、オブジェクトの __weakref__ 特殊メソッドを実装したりすることができます。

どの方法を使用するかは、状況によって異なります。weakref.CallableProxyType は、オブジェクトが呼び出し可能である必要がある場合に便利です。weakref モジュールのクラスや自作の弱い参照クラスは、より柔軟な方法で弱い参照を作成することができます。__weakref__ 特殊メソッドは、オブジェクトの動作をカスタマイズしたい場合に便利です。




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