addcmul_() メソッドの代替方法: add_() と mul_() メソッドの組み合わせ、 torch.addcmul() メソッド、ループによる計算

2024-04-02

PyTorch Tensor の torch.Tensor.addcmul_() メソッドの詳細解説

torch.Tensor.addcmul_() は、PyTorch の Tensor クラスに属する in-place メソッドで、3 つの Tensor とスカラー値を受け取り、以下の式に基づいて元の Tensor を更新します。

out_i = in_i + value * tensor1_i * tensor2_i

ここで、

  • out_i: 更新後の Tensor の i 番目の要素
  • value: スカラー値
  • tensor1_i: 1 つ目の Tensor の i 番目の要素

つまり、addcmul_() は、3 つの Tensor を要素ごとに掛け、その結果にスカラー値を乗じて、元の Tensor に加算します。

コード例

import torch

# テンサーの作成
a = torch.randn(3, 3)
b = torch.randn(3, 3)
c = torch.randn(3, 3)

# addcmul_() の使用
a.addcmul_(b, c, value=0.5)

# 結果の確認
print(a)

このコードは、abc の要素ごとの積に 0.5 を乗じて加算し、結果を a に格納します。

引数

  • tensor1 (Tensor): 1 つ目の Tensor
  • value (Number, optional): スカラー値。デフォルトは 1

戻り値

None。元の Tensor が更新されます。

注意点

  • tensor1tensor2、および out は、すべて同じサイズである必要があります。
  • value は、Tensor のデータ型と一致する必要があります。

応用例

  • 2 つのテンサーの要素ごとの積を、別のテンサーに累積加算する場合
  • 行列の乗算を実装する場合
  • ニューラルネットワークの重みを更新する場合

補足

  • addcmul_() は、add_()mul_() メソッドを組み合わせたものと考えることができます。
  • addcmul_() は、inplace メソッドなので、元の Tensor が更新されます。元の Tensor を変更せずに同じ計算を行う場合は、addcmul() メソッドを使用する必要があります。


PyTorch Tensor の torch.Tensor.addcmul_() メソッドのサンプルコード

import torch

def matmul(a, b):
  """
  行列の乗算を実装する関数

  Args:
    a (Tensor): 1 つ目の行列
    b (Tensor): 2 つ目の行列

  Returns:
    Tensor: 積行列
  """
  
  # 行列のサイズ確認
  assert a.shape[1] == b.shape[0], "行列のサイズが一致しません"

  # 出力テンサーの作成
  c = torch.zeros(a.shape[0], b.shape[1])

  # ループによる計算
  for i in range(a.shape[0]):
    for j in range(b.shape[1]):
      for k in range(a.shape[1]):
        c[i][j] += a[i][k] * b[k][j]

  return c

# テスト
a = torch.randn(3, 4)
b = torch.randn(4, 3)

c = matmul(a, b)

# 結果の確認
print(c)

ニューラルネットワークの重みの更新

import torch

class Linear(torch.nn.Module):
  """
  線形層を実装するクラス

  Args:
    in_features: 入力特徴量数
    out_features: 出力特徴量数

  Attributes:
    weight: 重み
    bias: バイアス

  """

  def __init__(self, in_features, out_features):
    super().__init__()

    # 重みの初期化
    self.weight = torch.nn.Parameter(torch.randn(in_features, out_features))

    # バイアスの初期化
    self.bias = torch.nn.Parameter(torch.zeros(out_features))

  def forward(self, x):
    """
    順伝播

    Args:
      x (Tensor): 入力

    Returns:
      Tensor: 出力
    """
    
    # 線形結合
    out = torch.matmul(x, self.weight)

    # バイアスの加算
    out += self.bias

    return out

# テスト
model = Linear(10, 5)

# 入力データの作成
x = torch.randn(10, 1)

# 順伝播
out = model(x)

# 損失関数の定義
loss_fn = torch.nn.MSELoss()

# 損失の計算
loss = loss_fn(out, target)

# 勾配の計算
loss.backward()

# 重みの更新
with torch.no_grad():
  model.weight.addcmul_(x.t(), -0.01 * loss.grad)

# 結果の確認
print(model.weight)

2 つのテンサーの要素ごとの積を別のテンサーに累積加算

import torch

# テンサーの作成
a = torch.randn(3, 3)
b = torch.randn(3, 3)
c = torch.zeros(3, 3)

# ループによる計算
for i in range(3):
  for j in range(3):
    c[i][j] += a[i][j] * b[i][j]

# addcmul_() の使用
c.addcmul_(a, b)

# 結果の確認
print(c)

これらのコードは、addcmul_() メソッドのさまざまな使用方法を示しています。



PyTorch Tensor の torch.Tensor.addcmul_() メソッドの代替方法

add_() と mul_() メソッドの組み合わせ

def addcmul(a, b, c, value=1):
  """
  addcmul_() メソッドの代替関数

  Args:
    a (Tensor): 出力テンサー
    b (Tensor): 1 つ目のテンサー
    c (Tensor): 2 つ目のテンサー
    value (Number): スカラー値

  Returns:
    Tensor: 出力テンサー
  """

  a.mul_(b).mul_(value).add_(c)

  return a

# テスト
a = torch.randn(3, 3)
b = torch.randn(3, 3)
c = torch.randn(3, 3)

d = addcmul(a.clone(), b, c, value=0.5)

# 結果の確認
print(d)

torch.addcmul() メソッド

def addcmul(a, b, c, value=1):
  """
  addcmul_() メソッドの代替関数

  Args:
    a (Tensor): 出力テンサー
    b (Tensor): 1 つ目のテンサー
    c (Tensor): 2 つ目のテンサー
    value (Number): スカラー値

  Returns:
    Tensor: 出力テンサー
  """

  return torch.addcmul(a, b, c, value)

# テスト
a = torch.randn(3, 3)
b = torch.randn(3, 3)
c = torch.randn(3, 3)

d = addcmul(a.clone(), b, c, value=0.5)

# 結果の確認
print(d)

ループによる計算

def addcmul(a, b, c, value=1):
  """
  addcmul_() メソッドの代替関数

  Args:
    a (Tensor): 出力テンサー
    b (Tensor): 1 つ目のテンサー
    c (Tensor): 2 つ目のテンサー
    value (Number): スカラー値

  Returns:
    Tensor: 出力テンサー
  """

  for i in range(a.shape[0]):
    for j in range(a.shape[1]):
      a[i][j] += value * b[i][j] * c[i][j]

  return a

# テスト
a = torch.randn(3, 3)
b = torch.randn(3, 3)
c = torch.randn(3, 3)

d = addcmul(a.clone(), b, c, value=0.5)

# 結果の確認
print(d)

これらの方法は、それぞれ異なる長所と短所があります。

  • add_()mul_() メソッドの組み合わせは、最もシンプルですが、最も多くの計算量が必要です。
  • torch.addcmul() メソッドは、最も効率的ですが、最もコード量が多くなります。
  • ループによる計算は、最も柔軟ですが、最もコード量が多く、最もエラーが発生しやすいです。



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