PyTorch Tensor の要素ごとに閾値処理を行う

2024-04-02

PyTorch Tensor の hardshrink() メソッド

メソッドの概要

  • 引数
    • self: 入力テンソル
    • lambd: 閾値 (デフォルト: 0.5)
  • 戻り値

import torch

# 入力テンソル
x = torch.tensor([-1.2, 0.5, 1.8, -0.3])

# 閾値0.5でhardshrink
y = torch.hardshrink(x, lambd=0.5)

print(y)

出力:

tensor([-0.0000,  0.5000,  1.8000,  0.0000])

上記の例では、x の要素のうち、絶対値が0.5を超える 0.51.8 はそのまま出力され、その他の要素は0になっています。

応用例

  • 画像処理におけるノイズ除去
  • スパース化
  • 活性化関数の代替
  • lambd を0に設定すると、すべての要素が0になります。
  • lambd を大きくすると、より多くの要素が0になります。
  • inplace=True オプションを指定すると、入力テンソル自体が書き換えられます。

補足

  • hardshrink() メソッドは、勾配計算が可能です。
  • hardshrink() メソッドは、量子化にも使用できます。


PyTorch Tensor の hardshrink() メソッド サンプルコード

画像処理におけるノイズ除去

import torch
import torchvision

# 画像の読み込み
image = torchvision.datasets.MNIST(
    "./data",
    download=True,
    train=False,
).data[0]

# ノイズを加える
noise = torch.randn(image.size())
noisy_image = image + noise

# ハードシュリンクによるノイズ除去
denoised_image = torch.hardshrink(noisy_image, lambd=0.1)

# 画像の表示
import matplotlib.pyplot as plt

plt.subplot(131)
plt.imshow(image, cmap="gray")
plt.title("Original")

plt.subplot(132)
plt.imshow(noisy_image, cmap="gray")
plt.title("Noisy")

plt.subplot(133)
plt.imshow(denoised_image, cmap="gray")
plt.title("Denoised")

plt.show()

スパース化

import torch

# ランダムなテンソルの作成
x = torch.randn(10, 10)

# ハードシュリンクによるスパース化
y = torch.hardshrink(x, lambd=0.5)

# スパース度
sparsity = 100. * (1 - y.nelement() / x.nelement())

print(f"スパース度: {sparsity:.2f}%")

活性化関数の代替

import torch

# シグモイド関数とハードシュリンク関数の比較
x = torch.linspace(-2, 2, 100)

y_sigmoid = torch.sigmoid(x)
y_hardshrink = torch.hardshrink(x, lambd=0.5)

import matplotlib.pyplot as plt

plt.plot(x, y_sigmoid, label="Sigmoid")
plt.plot(x, y_hardshrink, label="Hardshrink")
plt.legend()
plt.show()
  • 上記のサンプルコードは、あくまでも参考です。
  • 具体的な用途に合わせて、コードを修正する必要があります。


PyTorch Tensor の要素ごとに閾値処理を行う他の方法

手動で実装する

def hardshrink(x, lambd):
  """
  要素ごとにハードシュリンクを行う関数

  Args:
    x: 入力テンソル
    lambd: 閾値

  Returns:
    出力テンソル
  """

  y = torch.zeros_like(x)
  for i in range(x.size(0)):
    for j in range(x.size(1)):
      if abs(x[i, j]) > lambd:
        y[i, j] = x[i, j]
  return y

torch.where() を使用する

def hardshrink(x, lambd):
  """
  要素ごとにハードシュリンクを行う関数

  Args:
    x: 入力テンソル
    lambd: 閾値

  Returns:
    出力テンソル
  """

  return torch.where(torch.abs(x) > lambd, x, torch.zeros_like(x))

どの方法を選択するべきかは、以下の要素を考慮する必要があります。

  • 処理速度

  • メモリ使用量

  • コードの簡潔性

  • 処理速度が重要な場合は、手動で実装する方法が最も高速です。

  • メモリ使用量が重要な場合は、torch.where() を使用する方法は最もメモリ効率的です。

  • コードの簡潔性が重要な場合は、torch.Tensor.hardshrink() メソッドを使用するのが最も簡単です。

PyTorch Tensor の要素ごとに閾値処理を行う方法はいくつかあります。それぞれ




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