torch.Tensor.narrow メソッドで PyTorch Tensor の一部を切り取る

2024-04-03

PyTorch Tensor の torch.Tensor.narrow メソッド解説

メソッドの概要

torch.Tensor.narrow(dim, start, length)
  • dim: 部分集合を取得したい次元
  • start: 部分集合の開始インデックス
  • length: 部分集合の長さ

メソッドの動作

narrow メソッドは、元の Tensor と同じストレージを共有する新しい Tensor を返します。つまり、元の Tensor を変更すると、新しい Tensor も変更されます。

メソッドの例

# 3次元 Tensor を作成
tensor = torch.arange(24).view(2, 3, 4)

# 1番目の次元(行)で、2番目から4番目までの行を取得
tensor_narrowed = tensor.narrow(1, 1, 2)

print(tensor_narrowed)

# 出力:
# tensor([[ 6  7  8  9]
#        [10 11 12 13]])

この例では、tensor は 2 x 3 x 4 の Tensor です。narrow メソッドを使用して、1番目の次元(行)で 2番目から4番目までの行を取得しています。

メソッドの応用例

narrow メソッドは、さまざまな場面で使用できます。

  • 画像処理: 画像の一部を切り取る
  • 自然言語処理: 文の一部を抽出
  • 機械学習: データセットの一部を選択

narrow メソッドには、startlength の代わりに、indices という引数を使用して、部分集合を取得することもできます。indices は、取得したい要素のインデックスを含む Tensor です。

詳細は、PyTorch の公式ドキュメントを参照してください。

補足

関連するメソッド

  • torch.Tensor.slice: 特定の次元における単一の要素を取得
  • torch.Tensor.chunk: Tensor を複数の部分に分割

注意事項

  • startlength は、Tensor のサイズを超えてはいけません。
  • indices は、Tensor の要素数を超えてはいけません。


PyTorch Tensor の torch.Tensor.narrow メソッドのサンプルコード

画像処理

import torch
from PIL import Image

# 画像を読み込み、Tensor に変換
image = Image.open("image.jpg").convert("RGB")
tensor = torch.from_numpy(np.array(image))

# 画像の左半分を取得
tensor_narrowed = tensor.narrow(2, 0, tensor.size(2) // 2)

# 画像を保存
Image.fromarray(tensor_narrowed.numpy()).save("image_left.jpg")

自然言語処理

import torch

# 文を単語に分割
words = ["This", "is", "a", "sentence", "."]

# Tensor に変換
tensor = torch.tensor(words)

# 2番目から4番目までの単語を取得
tensor_narrowed = tensor.narrow(0, 1, 3)

# 文を再構築
sentence = " ".join(tensor_narrowed.tolist())

print(sentence)

# 出力:
# is a sentence

機械学習

import torch

# データセットを作成
data = torch.arange(100).view(10, 10)

# 5番目から10番目までの行を取得
tensor_narrowed = data.narrow(0, 4, 6)

# データセットを分割
train_data = tensor_narrowed[:5]
test_data = tensor_narrowed[5:]

# モデルを訓練
# ...

# モデルを評価
# ...

高度な使い方

詳細は、PyTorch の公式ドキュメントを参照してください。



PyTorch Tensor の一部を切り取る他の方法

スライシング

# 3次元 Tensor を作成
tensor = torch.arange(24).view(2, 3, 4)

# 1番目の次元(行)で、2番目から4番目までの行を取得
tensor_narrowed = tensor[1:3]

print(tensor_narrowed)

# 出力:
# tensor([[ 6  7  8  9]
#        [10 11 12 13]])

インデックス

# 3次元 Tensor を作成
tensor = torch.arange(24).view(2, 3, 4)

# 1番目の次元(行)で、2番目と4番目の行を取得
tensor_narrowed = tensor[[1, 3]]

print(tensor_narrowed)

# 出力:
# tensor([[ 6  7  8  9]
#        [18 19 20 21]])

.view メソッド

# 3次元 Tensor を作成
tensor = torch.arange(24).view(2, 3, 4)

# 1番目の次元(行)で、2番目から4番目までの行を取得
tensor_narrowed = tensor.view(1, -1, 4)[0]

print(tensor_narrowed)

# 出力:
# tensor([[ 6  7  8  9]
#        [10 11 12 13]])

これらの方法は、それぞれ異なる利点と欠点があります。

  • スライシングは、最も簡潔な方法ですが、複数の次元を同時に指定することはできません。
  • インデックスは、複数の次元を同時に指定することができますが、コードが冗長になることがあります。
  • .view メソッドは、最も柔軟な方法ですが、コードが複雑になることがあります。



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