Tensor Core を活用してさらに高速化! torch.backends.cuda.matmul.allow_fp16_reduced_precision_reduction の活用方法

2024-04-02

PyTorch Backends: torch.backends.cuda.matmul.allow_fp16_reduced_precision_reduction 解説

torch.backends.cuda.matmul.allow_fp16_reduced_precision_reduction は、PyTorch の CUDA バックエンドにおける行列乗算の精度設定を制御するフラグです。このフラグを有効にすると、FP16 精度で計算された行列乗算の縮約処理において、精度をさらに低減して計算速度を向上させることができます。

詳細

  • デフォルト値: True

  • 有効な値: True または False

  • 影響を受ける操作:

    • torch.matmul
    • torch.nn.functional.linear
    • その他、上記の操作を内部的に使用する多くの PyTorch 関数

仕組み

従来の行列乗算は、FP32 精度で計算されます。しかし、多くの場合、この精度は必要以上に高く、FP16 精度で計算しても十分な精度が得られることがあります。torch.backends.cuda.matmul.allow_fp16_reduced_precision_reduction フラグを有効にすると、FP16 精度で計算された行列乗算の縮約処理において、精度をさらに低減して計算速度を向上させることができます。

注意点

  • 精度を低減することによる誤差が発生する可能性があります。
  • すべての GPU でこの機能がサポートされているわけではありません。
  • 使用する前に、モデルの精度と速度のバランスを検証する必要があります。

# FP16 精度で計算された行列乗算の縮約処理において、精度をさらに低減して計算速度を向上させる
torch.backends.cuda.matmul.allow_fp16_reduced_precision_reduction = True

# 行列乗算を実行
a = torch.randn(100, 100, dtype=torch.float16)
b = torch.randn(100, 100, dtype=torch.float16)
c = torch.matmul(a, b)

補足

  • 上記の情報に加え、以下の点にも注意してください。
    • このフラグは、CUDA バージョン 10.2 以降でのみ使用できます。
    • このフラグは、Tensor Core を使用する GPU でのみ効果を発揮します。
    • このフラグを有効にする前に、モデルの精度と速度のバランスを検証する必要があります。

用語解説

  • FP16: 半精度浮動小数点数形式
  • 縮約処理: 行列乗算の計算過程において、中間結果を累積していく処理

関連キーワード

  • PyTorch
  • Backends
  • CUDA
  • MatMul
  • FP16
  • Reduced Precision
  • Performance


PyTorch Backends: torch.backends.cuda.matmul.allow_fp16_reduced_precision_reduction サンプルコード

# FP16 精度で計算された行列乗算の縮約処理において、精度をさらに低減して計算速度を向上させる
torch.backends.cuda.matmul.allow_fp16_reduced_precision_reduction = True

# 行列乗算を実行
a = torch.randn(100, 100, dtype=torch.float16)
b = torch.randn(100, 100, dtype=torch.float16)
c = torch.matmul(a, b)

モデルの精度と速度の検証

# モデルの精度と速度を検証する

# FP16 精度で計算
torch.backends.cuda.matmul.allow_fp16_reduced_precision_reduction = True
model = MyModel()
accuracy_fp16, time_fp16 = evaluate(model)

# FP32 精度で計算
torch.backends.cuda.matmul.allow_fp16_reduced_precision_reduction = False
model = MyModel()
accuracy_fp32, time_fp32 = evaluate(model)

# 結果を出力
print("FP16 精度:", accuracy_fp16, time_fp16)
print("FP32 精度:", accuracy_fp32, time_fp32)

Tensor Core を使用する例

# Tensor Core を使用する

# デバイスが Tensor Core をサポートしているかどうかを確認
if torch.cuda.is_available() and torch.cuda.get_device_capability(torch.cuda.current_device()) >= (7, 0):
    # Tensor Core を使用する
    torch.backends.cuda.matmul.allow_fp16_reduced_precision_reduction = True
    
    # 行列乗算を実行
    a = torch.randn(100, 100, dtype=torch.float16)
    b = torch.randn(100, 100, dtype=torch.float16)
    c = torch.matmul(a, b)
else:
    # Tensor Core を使用しない
    torch.backends.cuda.matmul.allow_fp16_reduced_precision_reduction = False
    
    # 行列乗算を実行
    a = torch.randn(100, 100, dtype=torch.float16)
    b = torch.randn(100, 100, dtype=torch.float16)
    c = torch.matmul(a, b)

その他

  • 上記のサンプルコードは、あくまでも参考です。


PyTorch Backends: torch.backends.cuda.matmul.allow_fp16_reduced_precision_reduction の代替方法

データ型を FP16 に変換する

  • モデルの入力データと中間データを FP16 型に変換することで、計算速度を向上させることができます。
  • ただし、精度が低下する可能性があるため、注意が必要です。

モデルを最適化する

  • モデルを最適化することで、計算速度を向上させることができます。
  • PyTorch には、モデル最適化のためのツールが用意されています。

GPU をアップグレードする

  • より新しい GPU は、より高速な計算能力を持っています。
  • GPU をアップグレードすることで、計算速度を大幅に向上させることができます。

その他

  • 計算速度を向上させる方法は、他にもたくさんあります。
  • 詳細については、PyTorch のドキュメントやチュートリアルを参照してください。

代替方法の詳細

データ型を FP16 に変換する

  • torch.float16 型は、torch.float32 型よりもメモリ使用量が少なく、計算速度も速くなります。
  • ただし、torch.float16 型は、torch.float32 型よりも精度が低くなります。
  • モデルの精度が低下しないことを確認するために、変換する前に検証する必要があります。

モデルを最適化する

  • PyTorch には、torch.jit.tracetorch.jit.optimize などのツールが用意されています。
  • これらのツールを使用してモデルを最適化することで、計算速度を向上させることができます。

GPU をアップグレードする

  • より新しい GPU は、より多くの CUDA コアとより高いメモリ帯域幅を持っています。

その他

  • 以下は、その例です。
    • バッチサイズを大きくする
    • モデルの並列化
    • 異なるアルゴリズムを使用する

どの方法を選択するかは、モデルの要件とハードウェア環境によって異なります。

用語解説

  • 最適化: 計算速度やメモリ使用量を向上させるために、コードやモデルを変更すること
  • 並列化: 複数の処理を同時に実行すること



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