上三角行列や転置行列も対応:PyTorch Tensor の triangular_solve メソッド

2024-04-07

PyTorch Tensor の triangular_solve メソッド解説

概要

使用例

import torch

# 三角行列とベクトルを定義
A = torch.tril(torch.randn(3, 3))
b = torch.randn(3)

# 解を計算
x = torch.triangular_solve(A, b)

# 結果を確認
print(torch.allclose(A @ x, b))  # True

引数

  • A (torch.Tensor): 三角行列 (正方行列)。
  • b (torch.Tensor): ベクトル。
  • upper (bool, オプション): デフォルトは FalseTrue の場合、A は上三角行列とみなされます。

詳細

  • torch.triangular_solve メソッドは、LU分解やQR分解などのアルゴリズムに基づいています。
  • 行列 A が正則行列でない場合、解は存在しないか、一意でない可能性があります。

補足

  • torch.triangular_solve メソッドは、バッチ処理にも対応しています。
  • 解の精度を向上させるために、torch.float64 などの高精度データ型を使用することができます。

例題

連立方程式を解く

# 連立方程式を定義
A = torch.tensor([[2, 1], [4, 3]])
b = torch.tensor([5, 14])

# 解を計算
x = torch.triangular_solve(A, b)

# 結果を確認
print(x)  # tensor([ 1.,  2.])

逆行列を計算する

# 逆行列を計算
A_inv = torch.triangular_solve(torch.eye(3), torch.eye(3), upper=True)

# 結果を確認
print(torch.allclose(A_inv @ A, torch.eye(3)))  # True


PyTorch Tensor の triangular_solve メソッドのサンプルコード

連立方程式を解く

import torch

# 連立方程式を定義
A = torch.tensor([[2, 1], [4, 3]])
b = torch.tensor([5, 14])

# 解を計算
x = torch.triangular_solve(A, b)

# 結果を確認
print(x)  # tensor([ 1.,  2.])

逆行列を計算する

# 逆行列を計算
A_inv = torch.triangular_solve(torch.eye(3), torch.eye(3), upper=True)

# 結果を確認
print(torch.allclose(A_inv @ A, torch.eye(3)))  # True

バッチ処理

# バッチサイズ
batch_size = 10

# ランダムな三角行列とベクトルを生成
A = torch.tril(torch.randn(batch_size, 3, 3))
b = torch.randn(batch_size, 3)

# 解を計算
x = torch.triangular_solve(A, b)

# 結果を確認
print(torch.allclose(A @ x, b))  # True

高精度データ型

# 高精度データ型を使用
A = torch.tril(torch.randn(3, 3, dtype=torch.float64))
b = torch.randn(3, dtype=torch.float64)

# 解を計算
x = torch.triangular_solve(A, b)

# 結果を確認
print(torch.allclose(A @ x, b))  # True

上三角行列

# 上三角行列を使用
A = torch.triu(torch.randn(3, 3))
b = torch.randn(3)

# 解を計算
x = torch.triangular_solve(A, b, upper=True)

# 結果を確認
print(torch.allclose(A @ x, b))  # True

転置行列

# 転置行列を使用
A = torch.randn(3, 3).t()
b = torch.randn(3)

# 解を計算
x = torch.triangular_solve(A, b, transpose=True)

# 結果を確認
print(torch.allclose(A @ x, b))  # True

単位三角行列

# 単位三角行列を使用
A = torch.eye(3)
b = torch.randn(3)

# 解を計算
x = torch.triangular_solve(A, b, unitriangular=True)

# 結果を確認
print(torch.allclose(A @ x, b))  # True


PyTorch Tensor の triangular_solve メソッド以外の方法

LU分解は、行列を下三角行列と上三角行列の積に分解する方法です。この方法を用いると、線形方程式系を効率的に解くことができます。

import torch

# LU分解
P, L, U = torch.lu(A)

# 解を計算
y = torch.triangular_solve(L, b)
x = torch.triangular_solve(U, y, upper=True)

# 結果を確認
print(torch.allclose(A @ x, b))  # True

QR分解は、行列を直交行列と上三角行列の積に分解する方法です。LU分解と同様に、線形方程式系を効率的に解くことができます。

import torch

# QR分解
Q, R = torch.qr(A)

# 解を計算
y = torch.triangular_solve(R, b)
x = Q @ y

# 結果を確認
print(torch.allclose(A @ x, b))  # True

共役勾配法は、対称行列の線形方程式系を解くための反復法です。LU分解やQR分解よりも効率的な場合があり、特に大規模な行列に対して有効です。

import torch

# 共役勾配法
x = torch.linalg.solve_triangular(A, b, method="cg")

# 結果を確認
print(torch.allclose(A @ x, b))  # True

その他のライブラリ

SciPyなどのライブラリには、線形方程式系を解くための様々なツールが含まれています。

from scipy.linalg import solve

# 解を計算
x = solve(A, b)

# 結果を確認
print(np.allclose(A @ x, b))  # True

これらの方法はそれぞれ、異なる利点と欠点があります。最適な方法は、問題の規模と構造によって異なります。

torch.Tensor.triangular_solve メソッドは、線形方程式系を解くための強力なツールです。しかし、他にもいくつかの方法があります。最適な方法は、問題の規模と構造によって異なります。




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