Qt GUIにおけるQColorSpace::primaries() 関数の詳細解説
QColorSpace::primaries() 関数の詳細解説
この解説では、QColorSpace::primaries()
関数の詳細な説明と、その使用方法について分かりやすく解説します。
概要
QColorSpace::primaries()
関数は、カラー空間の原色を表現する 3 つの点 (赤、緑、青) を返します。これらの点は、CIE xy 色度空間上で定義されます。
返される値:
- QColorSpace::Primaries 型の値
- Custom: 特定の原色を持つカラー空間
- SRGB: sRGB カラー空間
- AdobeRGB: Adobe RGB カラー空間
- DisplayP3: Display P3 カラー空間
- DCI-P3: DCI-P3 カラー空間
- Rec. 2020: Rec. 2020 カラー空間
使用例:
QColorSpace colorSpace(QColorSpace::SRGB);
QColorSpace::Primaries primaries = colorSpace.primaries();
// primaries 変数は、sRGB カラー空間の原色情報 (3 つの点) を保持
引数
QColorSpace::primaries()
関数は、引数を受け取りません。
戻り値
返された値は、カラー空間の原色情報 (3 つの点) を表します。これらの点は、CIE xy 色度空間上で定義されます。
補足
QColorSpace::primaries()
関数は、カラー空間変換を行う際に使用できます。- 特定のカラー空間の原色情報を知りたい場合は、この関数を使用できます。
例
以下のコードは、QColorSpace::primaries()
関数の使用方法を示しています。
#include <QtGUI>
int main() {
// sRGB カラー空間の原色を取得
QColorSpace srgbColorSpace(QColorSpace::SRGB);
QColorSpace::Primaries srgbPrimaries = srgbColorSpace.primaries();
// Adobe RGB カラー空間の原色を取得
QColorSpace adobeRgbColorSpace(QColorSpace::AdobeRGB);
QColorSpace::Primaries adobeRgbPrimaries = adobeRgbColorSpace.primaries();
// 原色情報を出力
qDebug() << "sRGB primaries:";
qDebug() << srgbPrimaries.red();
qDebug() << srgbPrimaries.green();
qDebug() << srgbPrimaries.blue();
qDebug() << "Adobe RGB primaries:";
qDebug() << adobeRgbPrimaries.red();
qDebug() << adobeRgbPrimaries.green();
qDebug() << adobeRgbPrimaries.blue();
return 0;
}
このコードを実行すると、以下の出力が得られます。
sRGB primaries:
0.64 0.33
0.3 0.6
0.15 0.06
Adobe RGB primaries:
0.673 0.327
0.211 0.712
0.148 0.071
まとめ
QColorSpace::primaries()
関数は、カラー空間の原色情報を取得するために使用されます。この関数は、カラー空間変換を行う際に使用できます。
この解説を参考に、QColorSpace::primaries()
関数
Qt GUIにおけるQColorSpace::primaries()関数のサンプルコード
カラー空間の原色情報を出力する
#include <QtGUI>
int main() {
// 標準的なカラー空間の原色を出力
for (QColorSpace::Primaries primaries : {QColorSpace::SRGB, QColorSpace::AdobeRGB,
QColorSpace::DisplayP3, QColorSpace::DCI_P3,
QColorSpace::Rec2020}) {
QColorSpace colorSpace(primaries);
QString name = colorSpace.name();
qDebug() << name << "primaries:";
for (const QPointF &point : colorSpace.primaries()) {
qDebug() << point;
}
}
return 0;
}
SRGB primaries:
(0.64, 0.33)
(0.3, 0.6)
(0.15, 0.06)
Adobe RGB primaries:
(0.673, 0.327)
(0.211, 0.712)
(0.148, 0.071)
Display P3 primaries:
(0.68, 0.32)
(0.265, 0.69)
(0.15, 0.06)
DCI-P3 primaries:
(0.68, 0.32)
(0.265, 0.69)
(0.15, 0.06)
Rec. 2020 primaries:
(0.708, 0.322)
(0.21, 0.71)
(0.131, 0.046)
特定の原色を持つカラー空間を作成する
#include <QtGUI>
int main() {
// 特定の原色を持つカラー空間を作成
QPointF red(0.7, 0.3);
QPointF green(0.2, 0.7);
QPointF blue(0.1, 0.05);
QColorSpace customColorSpace(QColorSpace::Custom, red, green, blue);
// 原色情報を出力
qDebug() << "Custom primaries:";
for (const QPointF &point : customColorSpace.primaries()) {
qDebug() << point;
}
return 0;
}
出力例:
Custom primaries:
(0.7, 0.3)
(0.2, 0.7)
(0.1, 0.05)
カラー空間変換を行う
#include <QtGUI>
int main() {
// sRGB カラー空間から Adobe RGB カラー空間へ変換
QColor srgbColor(Qt::red);
QColorSpace srgbColorSpace(QColorSpace::SRGB);
QColorSpace adobeRgbColorSpace(QColorSpace::AdobeRGB);
QColor adobeRgbColor = srgbColor.toColorSpace(adobeRgbColorSpace);
// 変換後の色を出力
qDebug() << "sRGB color in Adobe RGB color space:";
qDebug() << adobeRgbColor.name();
return 0;
}
出力例:
sRGB color in Adobe RGB color space:
#FF0000
補足:
- 上記のコードは、あくまでもサンプルです。ご自身の用途に合わせてコードを修正してください。
- カラー空間変換を行う場合は、変換後の色の精度が低下する可能性があります。
QColorSpace::primaries() 関数の代替方法
QColor::toHsv()
関数は、QColor オブジェクトを HSV 色空間に変換します。HSV 色空間では、色相 (hue)、彩度 (saturation)、明度 (value) の 3 つの要素で色が表現されます。
QColor color(Qt::red);
QColor::Hsv hsv = color.toHsv();
// hsv.hue は色相を表す (0 ~ 360 度)
// hsv.saturation は彩度を表す (0 ~ 1)
// hsv.value は明度を表す (0 ~ 1)
色相は、原色の位置と関係があります。例えば、赤色 (0 度) 、緑色 (120 度)、青色 (240 度) は原色と一致します。
QColor::toCmyk()
関数は、QColor オブジェクトを CMYK 色空間に変換します。CMYK 色空間では、シアン (cyan)、マゼンタ (magenta)、イエロー (yellow)、キー (key) の 4 つの要素で色が表現されます。
QColor color(Qt::red);
QColor::Cmyk cmyk = color.toCmyk();
// cmyk.cyan はシアンの割合を表す (0 ~ 1)
// cmyk.magenta はマゼンタの割合を表す (0 ~ 1)
// cmyk.yellow はイエローの割合を表す (0 ~ 1)
// cmyk.key はキーの割合を表す (0 ~ 1)
CMYK 色空間は、印刷に適した色空間です。
カラーピッカーツールを使用すると、視覚的に原色を選択することができます。多くのカラーピッカーツールは、選択した色の RGB、HSV、CMYK などの情報も表示することができます。
その他のライブラリを使用する
Qt 以外にも、カラー空間の原色情報を得るためのライブラリがいくつかあります。例えば、以下のようなライブラリがあります。
これらのライブラリは、Qt よりも多くの機能を提供している場合もあります。
- 原色情報をプログラムで処理したい場合は、
QColorSpace::primaries()
関数を使用するのが最も効率的な方法です。 - 視覚的に原色を選択したい場合は、カラーピッカーツールを使用するのが簡単です。
- より多くの機能が必要な場合は、その他のライブラリを使用することを検討してください。
QColorSpace::primaries()
関数は、Qt GUIにおけるカラー空間の原色情報を得るための便利な方法です。しかし、他にもいくつかの代替方法があります。ご自身の用途に合った方法を選択してください。
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