QWidget::focusNextPrevChild() 以外のフォーカス移動方法

2024-04-02

Qt WidgetsにおけるQWidget::focusNextPrevChild()の解説

QWidget::focusNextPrevChild()は、Qt Widgetsフレームワークにおける重要な関数の一つです。これは、キーボードのTabキーやShift+Tabキーを押した際に、フォーカスを次のウィジェットに移動させるための処理を実装します。

機能

この関数は、以下の2つの引数を受け取ります。

  • next: 次のウィジェットに移動するかどうかを指定します。trueの場合は次のウィジェットに、falseの場合は前のウィジェットにフォーカスを移動します。

この関数は、以下の処理を行います。

  1. フォーカスを受け付ける子ウィジェットを検索します。
  2. 見つかったウィジェットにフォーカスを設定します。
  3. フォーカスを設定できなかった場合は、親ウィジェットに対してfocusNextPrevChild()を呼び出します。

実装例

以下のコードは、QWidget::focusNextPrevChild()関数をどのように実装すればよいかを示しています。

bool QWidget::focusNextPrevChild(bool next) {
  // フォーカスを受け付ける子ウィジェットを検索します。
  QWidget *child = next ? nextInFocusChain() : previousInFocusChain();

  // 見つかったウィジェットにフォーカスを設定します。
  if (child) {
    child->setFocus();
    return true;
  }

  // フォーカスを設定できなかった場合は、親ウィジェットに対して
  // focusNextPrevChild()を呼び出します。
  if (parentWidget()) {
    return parentWidget()->focusNextPrevChild(next);
  }

  return false;
}

注意点

  • この関数は、ウィジェットがフォーカスを受け付けるように設定されている場合にのみ呼び出されます。
  • この関数は、ウィジェットのタブ順序に基づいて次のウィジェットを検索します。
  • この関数は、親ウィジェットに対してfocusNextPrevChild()を呼び出すことで、フォーカスチェーンを遡ることができます。

QWidget::focusNextPrevChild()関数は、Qt Widgetsフレームワークにおける重要な関数の一つです。これは、キーボードのTabキーやShift+Tabキーを押した際に、フォーカスを次のウィジェットに移動させるための処理を実装します。この関数を理解することで、ユーザーインターフェースの操作性を向上させることができます。



QWidget::focusNextPrevChild() のサンプルコード

基本的なサンプル

class MyWidget : public QWidget {
  Q_OBJECT

public:
  MyWidget() {
    // 3つのボタンを作成
    for (int i = 0; i < 3; ++i) {
      QPushButton *button = new QPushButton(this);
      button->setText(QString("Button %1").arg(i + 1));
    }
  }

protected:
  bool focusNextPrevChild(bool next) override {
    // フォーカスを受け付ける子ウィジェットを検索
    QWidget *child = next ? nextInFocusChain() : previousInFocusChain();

    // 見つかったウィジェットにフォーカスを設定
    if (child) {
      child->setFocus();
      return true;
    }

    return false;
  }
};

タブ順序を指定するサンプル

class MyWidget : public QWidget {
  Q_OBJECT

public:
  MyWidget() {
    // 3つのボタンを作成
    for (int i = 0; i < 3; ++i) {
      QPushButton *button = new QPushButton(this);
      button->setText(QString("Button %1").arg(i + 1));

      // タブ順序を指定
      button->setTabOrder(i);
    }
  }

protected:
  bool focusNextPrevChild(bool next) override {
    // フォーカスを受け付ける子ウィジェットを検索
    QWidget *child = next ? nextInFocusChain() : previousInFocusChain();

    // 見つかったウィジェットにフォーカスを設定
    if (child) {
      child->setFocus();
      return true;
    }

    return false;
  }
};

このコードは、setTabOrder()関数を使用して、ボタンのタブ順序を指定します。TabキーまたはShift+Tabキーを押すと、指定された順序でボタン間でフォーカスが移動します。

無効なウィジェットをスキップするサンプル

class MyWidget : public QWidget {
  Q_OBJECT

public:
  MyWidget() {
    // 3つのボタンを作成
    for (int i = 0; i < 3; ++i) {
      QPushButton *button = new QPushButton(this);
      button->setText(QString("Button %1").arg(i + 1));

      // 2番目のボタンを無効にする
      if (i == 1) {
        button->setEnabled(false);
      }
    }
  }

protected:
  bool focusNextPrevChild(bool next) override {
    // フォーカスを受け付ける子ウィジェットを検索
    QWidget *child = next ? nextInFocusChain() : previousInFocusChain();

    // 無効なウィジェットの場合は、次のウィジェットを検索
    while (child && !child->isEnabled()) {
      child = next ? nextInFocusChain() : previousInFocusChain();
    }

    // 見つかったウィジェットにフォーカスを設定
    if (child) {
      child->setFocus();
      return true;
    }

    return false;
  }
};

このコードは、2番目のボタンを無効にします。TabキーまたはShift+Tabキーを押すと、無効なボタンはスキップされ、次の有効なボタンにフォーカスが移動します。

これらのサンプルコードは、QWidget::focusNextPrevChild()関数のさまざまな使用方法を示しています。これらのコードを参考に、アプリケーションのニーズに合わせてフォーカス処理を実装することができます。



QWidget::focusNextPrevChild() 以外のフォーカス移動方法

QWidget::setFocus()関数は、指定されたウィジェットにフォーカスを設定します。この関数は、ウィジェットがフォーカスを受け付けるように設定されている場合にのみ呼び出すことができます。

QWidget *button = findChild<QWidget *>("button");
button->setFocus();

QKeyEventクラスは、キーボードイベントを表します。QKeyEvent::key() メソッドを使用して、押されたキーを取得することができます。Qt::Key_Tab キーまたは Qt::Key_Shift + Qt::Key_Tab キーが押された場合は、QWidget::focusNextPrevChild() 関数を使用してフォーカスを移動させることができます。

void MyWidget::keyPressEvent(QKeyEvent *event) {
  if (event->key() == Qt::Key_Tab) {
    focusNextPrevChild(true);
  } else if (event->key() == Qt::Key_Shift + Qt::Key_Tab) {
    focusNextPrevChild(false);
  } else {
    QWidget::keyPressEvent(event);
  }
}

QFocusEventクラスは、フォーカスイベントを表します。QFocusEvent::reason() メソッドを使用して、フォーカスイベントの原因を取得することができます。Qt::FocusReason::TabFocus または Qt::FocusReason::BacktabFocus の場合は、QWidget::focusNextPrevChild() 関数を使用してフォーカスを移動させることができます。

void MyWidget::focusInEvent(QFocusEvent *event) {
  if (event->reason() == Qt::FocusReason::TabFocus) {
    focusNextPrevChild(true);
  } else if (event->reason() == Qt::FocusReason::BacktabFocus) {
    focusNextPrevChild(false);
  } else {
    QWidget::focusInEvent(event);
  }
}

その他の方法

上記以外にも、以下のような方法でフォーカスを移動させることができます。

  • QWidget::activateWindow() : ウィジェットをアクティブにします。
  • QWidget::raise() : ウィジェットを最前面に表示します。
  • QWidget::show() : ウィジェットを表示します。

これらの方法は、それぞれ異なる利点と欠点があります。アプリケーションのニーズに合わせて、最適な方法を選択する必要があります。




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