Qt WidgetsにおけるQDataWidgetMapper::mappedPropertyName()の概要

Qt WidgetsにおけるQDataWidgetMapper::mappedPropertyName()の詳細解説

QDataWidgetMapper::mappedPropertyName()は、QDataWidgetMapperクラスが提供する重要な関数の一つです。この関数は、モデル内の特定のプロパティとウィジェット内の特定のプロパティを関連付けるために使用されます。つまり、モデル内のデータが変更されると、関連付けられたウィジェット内のプロパティも自動的に更新されます。

仕組み

QDataWidgetMapperは、モデルとウィジェット間のデータバインディングを管理するクラスです。モデル内のデータは、ウィジェットに表示され、ユーザーによって編集することができます。mappedPropertyName()関数は、このバインディングをどのように行うかを設定するために使用されます。

使用方法

mappedPropertyName()関数は、以下の2つの引数を受け取ります。

• modelPropertyName: モデル内のプロパティの名前
• widgetPropertyName: ウィジェット内のプロパティの名前

これらの引数を使用して、モデルとウィジェットの間の関連付けを定義します。例えば、以下のコードは、モデル内のnameプロパティとウィジェット内のlineEditオブジェクトのtextプロパティを関連付けます。

mapper->addMapping(lineEdit, "text", "name");

このコードを実行すると、モデル内のnameプロパティが変更されると、lineEditオブジェクト内のテキストも自動的に更新されます。

詳細

mappedPropertyName()関数は、以下のオプション引数も受け取ることができます。

• defaultValue: モデル内のプロパティが設定されていない場合にウィジェットに表示される値
• validationRule: モデル内のプロパティ値の検証に使用されるルール

これらのオプション引数を使用して、バインディングの詳細な動作を制御することができます。

例

以下のコードは、QDataWidgetMapperを使用して、モデル内のデータをQLineEditとQComboBoxウィジェットに表示する例です。

#include <QtWidgets>

int main(int argc, char *argv[])
{
    QApplication app(argc, argv);

    // モデルを作成
    QStringList names = {"John", "Jane", "Joe"};
    QStandardItemModel model(names.size(), 1);
    for (int i = 0; i < names.size(); ++i) {
        model.setData(model.index(i, 0), names[i]);
    }

    // マッパーを作成
    QDataWidgetMapper mapper;
    mapper.setModel(&model);

    // ウィジェットを作成
    QLineEdit lineEdit;
    QComboBox comboBox;
    comboBox.addItems(names);

    // マッパーとウィジェットを関連付け
    mapper.addMapping(&lineEdit, "text", "name");
    mapper.addMapping(&comboBox, "currentIndex", "name");

    // ウィジェットを表示
    QWidget window;
    QVBoxLayout layout(&window);
    layout.addWidget(&lineEdit);
    layout.addWidget(&comboBox);
    window.show();

    return app.exec();
}

このコードを実行すると、QLineEditとQComboBoxウィジェットには、モデル内のデータが表示されます。QLineEdit内のテキストを変更すると、モデル内のnameプロパティも更新されます。同様に、QComboBoxで項目を選択すると、モデル内のnameプロパティも更新されます。

QDataWidgetMapper::mappedPropertyName()関数は、Qt Widgetsにおけるデータバインディングの重要な機能です。この関数は、モデル内のデータとウィジェット内のプロパティを関連付けるために使用されます。この関数を理解することで、Qt Widgetsアプリケーションでモデル-ビュー-コントローラー（MVC）パターンを実装することができます。

Qt WidgetsにおけるQDataWidgetMapper::mappedPropertyName()のサンプルコード

このサンプルコードは、QDataWidgetMapperを使用して、モデル内のデータをQLineEditとQComboBoxウィジェットに表示する例です。

#include <QtWidgets>

int main(int argc, char *argv[])
{
    QApplication app(argc, argv);

    // モデルを作成
    QStringList names = {"John", "Jane", "Joe"};
    QStandardItemModel model(names.size(), 1);
    for (int i = 0; i < names.size(); ++i) {
        model.setData(model.index(i, 0), names[i]);
    }

    // マッパーを作成
    QDataWidgetMapper mapper;
    mapper.setModel(&model);

    // ウィジェットを作成
    QLineEdit lineEdit;
    QComboBox comboBox;
    comboBox.addItems(names);

    // マッパーとウィジェットを関連付け
    mapper.addMapping(&lineEdit, "text", "name");
    mapper.addMapping(&comboBox, "currentIndex", "name");

    // ウィジェットを表示
    QWidget window;
    QVBoxLayout layout(&window);
    layout.addWidget(&lineEdit);
    layout.addWidget(&comboBox);
    window.show();

    return app.exec();
}

デフォルト値の指定

このサンプルコードは、defaultValue引数を使用して、モデル内のプロパティが設定されていない場合にウィジェットに表示される値を指定する例です。

#include <QtWidgets>

int main(int argc, char *argv[])
{
    QApplication app(argc, argv);

    // モデルを作成
    QStandardItemModel model(1, 1);

    // マッパーを作成
    QDataWidgetMapper mapper;
    mapper.setModel(&model);

    // ウィジェットを作成
    QLineEdit lineEdit;

    // デフォルト値を指定
    mapper.addMapping(&lineEdit, "text", "name", "John Doe");

    // ウィジェットを表示
    QWidget window;
    QVBoxLayout layout(&window);
    layout.addWidget(&lineEdit);
    window.show();

    return app.exec();
}

検証ルールの指定

このサンプルコードは、validationRule引数を使用して、モデル内のプロパティ値の検証に使用されるルールを指定する例です。

#include <QtWidgets>

int main(int argc, char *argv[])
{
    QApplication app(argc, argv);

    // モデルを作成
    QStandardItemModel model(1, 1);

    // マッパーを作成
    QDataWidgetMapper mapper;
    mapper.setModel(&model);

    // ウィジェットを作成
    QLineEdit lineEdit;

    // 検証ルールを指定
    mapper.addMapping(&lineEdit, "text", "name", QValidator::IntValidator);

    // ウィジェットを表示
    QWidget window;
    QVBoxLayout layout(&window);
    layout.addWidget(&lineEdit);
    window.show();

    return app.exec();
}

その他

• mappedPropertyName()関数は、モデル内のプロパティとウィジェット内のプロパティの名前が異なる場合に使用することができます。
• mappedPropertyName()関数は、モデル内のプロパティが複雑な場合に使用することができます。

Qt WidgetsにおけるQDataWidgetMapper::mappedPropertyName()の代替方法

QDataWidgetMapper::mappedPropertyName()関数は、モデル内のデータとウィジェット内のプロパティを関連付けるための便利な方法です。しかし、いくつかの代替方法もあります。

直接的なデータバインディング

Qt Widgetsは、QAbstractItemModelクラスとQWidgetクラスの子孫クラス向けの直接的なデータバインディング機能を提供しています。この機能を使用すると、QDataWidgetMapperクラスを使用せずに、モデル内のデータとウィジェット内のプロパティを直接関連付けることができます。

例

#include <QtWidgets>

int main(int argc, char *argv[])
{
    QApplication app(argc, argv);

    // モデルを作成
    QStringList names = {"John", "Jane", "Joe"};
    QStandardItemModel model(names.size(), 1);
    for (int i = 0; i < names.size(); ++i) {
        model.setData(model.index(i, 0), names[i]);
    }

    // ウィジェットを作成
    QLineEdit lineEdit;

    // 直接的なデータバインディングを使用
    lineEdit.setData(&model, "name");

    // ウィジェットを表示
    QWidget window;
    QVBoxLayout layout(&window);
    layout.addWidget(&lineEdit);
    window.show();

    return app.exec();
}

カスタムコード

QDataWidgetMapperクラスと直接的なデータバインディング機能を使用しない場合は、カスタムコードを使用して、モデル内のデータとウィジェット内のプロパティを関連付けることができます。

例

#include <QtWidgets>

int main(int argc, char *argv[])
{
    QApplication app(argc, argv);

    // モデルを作成
    QStringList names = {"John", "Jane", "Joe"};
    QStandardItemModel model(names.size(), 1);
    for (int i = 0; i < names.size(); ++i) {
        model.setData(model.index(i, 0), names[i]);
    }

    // ウィジェットを作成
    QLineEdit lineEdit;

    // カスタムコードを使用
    QObject::connect(&model, &QStandardItemModel::dataChanged,
                     &lineEdit, &QLineEdit::setText);

    // ウィジェットを表示
    QWidget window;
    QVBoxLayout layout(&window);
    layout.addWidget(&lineEdit);
    window.show();

    return app.exec();
}

その他

• Qt Widgetsには、QDataWidgetMapperクラス以外にも、モデルとウィジェット間のデータバインディングを管理するためのクラスがいくつかあります。

QDataWidgetMapper::mappedPropertyName()関数は、モデル内のデータとウィジェット内のプロパティを関連付けるための便利な方法です。しかし、いくつかの代替方法もあります。これらの代替方法は、特定の状況でより適切な場合があります。