Qt GUI の QPaintDevice::physicalDpiX() 関数とは?

2024-04-02

Qt GUI の QPaintDevice::physicalDpiX() 関数について

QPaintDevice::physicalDpiX() 関数は、物理的な DPI(ドット・パー・インチ) を取得するために使用されます。これは、デバイスが物理的に 1 インチあたりに印刷できるドット数を表します。この値は、Qt がレンダリングを行う際のスケーリングやレイアウト計算などに使用されます。

詳細

  • 戻り値: デバイスの物理的な DPI X 値
  • 型: int
  • 関連する関数:
    • QPaintDevice::physicalDpiY(): デバイスの物理的な DPI Y 値を取得
    • QPaintDevice::devicePixelRatio(): デバイスピクセル比を取得

使用例

// デバイスの物理的な DPI X 値を取得
int dpiX = paintDevice->physicalDpiX();

// DPI を使用して、レンダリングサイズを調整
QPixmap pixmap(width * dpiX, height * dpiX);
QPainter painter(&pixmap);
...

// DPI を使用して、テキストサイズを調整
QFont font;
font.setPixelSize(12 * dpiX);
painter.setFont(font);
...

補足

  • DPI は、画面解像度とは異なる概念です。画面解像度は、画面に表示できるピクセル数を表します。
  • デバイスによっては、物理的な DPI X 値と Y 値が異なる場合があります。
  • Qt は、DPI 情報を使用して、異なる DPI のデバイス間でレンダリング結果を一致させるようにします。
  • 分からない点があれば、遠慮なく質問してください。


Qt GUI の QPaintDevice::physicalDpiX() 関数を使ったサンプルコード

DPI に応じてウィジェットのサイズを調整する

#include <QtWidgets/QApplication>
#include <QtWidgets/QWidget>
#include <QtWidgets/QLabel>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  QWidget window;
  window.setWindowTitle("DPI に応じてウィジェットのサイズを調整");

  QLabel label("このウィジェットのサイズは DPI に応じて調整されています");
  label.setAlignment(Qt::AlignCenter);

  // ウィジェットのサイズを DPI に応じて調整
  int dpiX = window.physicalDpiX();
  window.resize(dpiX * 400, dpiX * 200);

  QVBoxLayout layout;
  layout.addWidget(&label);
  window.setLayout(&layout);

  window.show();

  return app.exec();
}

DPI に応じてテキストサイズを調整する

#include <QtWidgets/QApplication>
#include <QtWidgets/QWidget>
#include <QtWidgets/QLabel>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  QWidget window;
  window.setWindowTitle("DPI に応じてテキストサイズを調整");

  QLabel label("このテキストのサイズは DPI に応じて調整されています");
  label.setAlignment(Qt::AlignCenter);

  // テキストサイズを DPI に応じて調整
  int dpiX = window.physicalDpiX();
  QFont font;
  font.setPixelSize(16 * dpiX);
  label.setFont(font);

  QVBoxLayout layout;
  layout.addWidget(&label);
  window.setLayout(&layout);

  window.show();

  return app.exec();
}

DPI に応じて画像をレンダリングする

#include <QtWidgets/QApplication>
#include <QtWidgets/QWidget>
#include <QtWidgets/QPixmap>
#include <QtWidgets/QPainter>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  QWidget window;
  window.setWindowTitle("DPI に応じて画像をレンダリング");

  // 画像を読み込み
  QPixmap image("image.png");

  // 画像を DPI に応じてレンダリング
  int dpiX = window.physicalDpiX();
  QPixmap scaledImage = image.scaled(image.width() * dpiX, image.height() * dpiX);

  // 画像を表示
  QLabel label;
  label.setPixmap(scaledImage);

  QVBoxLayout layout;
  layout.addWidget(&label);
  window.setLayout(&layout);

  window.show();

  return app.exec();
}


QPaintDevice::physicalDpiX() 以外の DPI 取得方法

QScreen::physicalDotsPerInch() 関数

QScreen::physicalDotsPerInch() 関数は、画面全体の物理的な DPI を取得します。これは、複数のモニターを使用している場合、すべてのモニターの DPI が同じであるとは限らないことに注意してください。

#include <QtWidgets/QApplication>
#include <QtWidgets/QScreen>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // 画面全体の物理的な DPI を取得
  int dpiX = QScreen::physicalDotsPerInch(QGuiApplication::primaryScreen());

  ...
}

QDisplayMetrics::physicalDpiX() 関数

QDisplayMetrics::physicalDpiX() 関数は、指定されたウィジェットの物理的な DPI を取得します。

#include <QtWidgets/QApplication>
#include <QtWidgets/QWidget>
#include <QtWidgets/QDisplayMetrics>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  QWidget window;

  // ウィジェットの物理的な DPI を取得
  QDisplayMetrics metrics(window);
  int dpiX = metrics.physicalDpiX();

  ...
}

QWindow::devicePixelRatio() 関数

QWindow::devicePixelRatio() 関数は、デバイスピクセル比 を取得します。これは、物理的な DPI と論理的な DPI の比率を表します。

#include <QtWidgets/QApplication>
#include <QtWidgets/QWindow>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  QWindow window;

  // デバイスピクセル比を取得
  float devicePixelRatio = window.devicePixelRatio();

  // 物理的な DPI を計算
  int dpiX = devicePixelRatio * logicalDpiX;

  ...
}

補足

  • これらの方法は、それぞれ異なる情報を提供します。
  • どの方法を使用するかは、アプリケーションの要件によって異なります。



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