Qt Widgets:QDateTimeEdit::fixup()で日付時刻入力をバリデーションと修正

2024-04-02

Qt WidgetsにおけるQDateTimeEdit::fixup()の詳細解説

QDateTimeEdit::fixup() は、Qt Widgetsライブラリで提供される QDateTimeEdit クラスの仮想関数です。この関数は、ユーザーが入力したテキストを修正するために使用されます。具体的には、以下の処理を行います。

  • 入力されたテキストが有効な日付時刻かどうかを検証します。
  • 無効な部分があれば、修正候補を提示します。
  • ユーザーが修正候補を選択した場合、テキストを修正します。

実装の詳細

QDateTimeEdit::fixup() 関数は、以下の手順で実装されています。

  1. 入力されたテキストを QDateTime オブジェクトに変換しようとします。
  2. 変換に成功した場合、入力されたテキストは有効な日付時刻であると判断されます。
  3. 無効な部分があれば、修正候補を提示します。修正候補は、以下の規則に基づいて生成されます。
    • 入力されたテキストと最も近い有効な日付時刻

コード例

void QDateTimeEdit::fixup(QString &input) const
{
    Q_D(const QDateTimeEdit);

    // 入力されたテキストをQDateTimeオブジェクトに変換
    QDateTime dt = QDateTime::fromString(input, d->displayFormat);

    // 変換に成功した場合
    if (dt.isValid()) {
        // 入力されたテキストは有効な日付時刻
        return;
    }

    // 変換に失敗した場合
    // 修正候補を提示
    QStringList候補;
    候補 << dt.toString(d->displayFormat); // 最も近い有効な日付時刻
    候補 << dt.date().toString(d->dateFormat); // 最も近い有効な日付
    候補 << dt.time().toString(d->timeFormat); // 最も近い有効な時刻

    // ユーザーに修正候補を選択させる
    QString selectedCandidate = QInputDialog::getItem(this, tr("候補"), tr("修正候補を選択してください"), 候補);

    // ユーザーが修正候補を選択した場合
    if (!selectedCandidate.isEmpty()) {
        // テキストを修正
        input = selectedCandidate;
    }
}

注意点

  • QDateTimeEdit::fixup() 関数は、ユーザーが入力したテキストを修正する可能性があります。そのため、この関数を呼び出す前に、テキストを保存しておく必要があります。
  • この関数は、入力されたテキストが有効な日付時刻かどうかを検証するだけです。入力されたテキストが正しいかどうかは、ユーザー自身が判断する必要があります。
  • QDateTimeEdit::fixup() 関数は、Qt Widgets 4.4 以降で利用可能です。
  • この関数は、派生クラスでオーバーライドすることができます。


QDateTimeEdit::fixup() 関数のサンプルコード

ユーザーに修正候補を選択させる例

void MyDateTimeEdit::fixup(QString &input) const
{
    Q_D(const MyDateTimeEdit);

    // 入力されたテキストをQDateTimeオブジェクトに変換
    QDateTime dt = QDateTime::fromString(input, d->displayFormat);

    // 変換に成功した場合
    if (dt.isValid()) {
        // 入力されたテキストは有効な日付時刻
        return;
    }

    // 変換に失敗した場合
    // 修正候補を提示
    QStringList候補;
    候補 << dt.toString(d->displayFormat); // 最も近い有効な日付時刻
    候補 << dt.date().toString(d->dateFormat); // 最も近い有効な日付
    候補 << dt.time().toString(d->timeFormat); // 最も近い有効な時刻

    // ユーザーに修正候補を選択させる
    QString selectedCandidate = QInputDialog::getItem(this, tr("候補"), tr("修正候補を選択してください"), 候補);

    // ユーザーが修正候補を選択した場合
    if (!selectedCandidate.isEmpty()) {
        // テキストを修正
        input = selectedCandidate;
    }
}

自動的に修正を行う例

void MyDateTimeEdit::fixup(QString &input) const
{
    Q_D(const MyDateTimeEdit);

    // 入力されたテキストをQDateTimeオブジェクトに変換
    QDateTime dt = QDateTime::fromString(input, d->displayFormat);

    // 変換に成功した場合
    if (dt.isValid()) {
        // 入力されたテキストは有効な日付時刻
        return;
    }

    // 変換に失敗した場合
    // 最も近い有効な日付時刻に自動的に修正
    input = dt.toString(d->displayFormat);
}

このコードは、QDateTimeEdit::fixup() 関数をオーバーライドして、入力されたテキストを自動的に最も近い有効な日付時刻に修正する例です。

特定のフォーマットに修正を行う例

void MyDateTimeEdit::fixup(QString &input) const
{
    Q_D(const MyDateTimeEdit);

    // 入力されたテキストをQDateTimeオブジェクトに変換
    QDateTime dt = QDateTime::fromString(input, d->displayFormat);

    // 変換に成功した場合
    if (dt.isValid()) {
        // 入力されたテキストは有効な日付時刻
        return;
    }

    // 変換に失敗した場合
    // 特定のフォーマットに修正
    input = dt.toString("yyyy-MM-dd HH:mm:ss");
}

このコードは、QDateTimeEdit::fixup() 関数をオーバーライドして、入力されたテキストを特定のフォーマット("yyyy-MM-dd HH:mm:ss")に修正する例です。

  • 上記のサンプルコードは、あくまでも参考です。実際の使用例に合わせて、コードを修正する必要があります。
  • QDateTimeEdit::fixup() 関数は、さまざまな方法で利用できます。詳細については、Qt Widgetsドキュメントを参照してください。


QDateTimeEdit::fixup() 関数以外の方法

QValidator クラスは、ユーザーが入力したテキストの妥当性を検証するためのクラスです。QDateTimeEdit クラスには、デフォルトで QDateValidator クラスと QTimeValidator クラスが設定されています。これらのバリデーターは、入力されたテキストが有効な日付または時刻かどうかを検証します。

QDateTimeEdit dateTimeEdit;

// 日付のみを検証
dateTimeEdit.setValidator(new QDateValidator());

// 時刻のみを検証
dateTimeEdit.setValidator(new QTimeValidator());

// 日付と時刻を検証
dateTimeEdit.setValidator(new QDateTimeValidator());

QRegExp クラスを使用する

QRegExp クラスは、正規表現を使用してテキストを検証するためのクラスです。正規表現を使用して、入力されたテキストが特定のパターンに合致するかどうかを検証することができます。

QDateTimeEdit dateTimeEdit;

// YYYY-MM-DD形式の日付のみを許可
QRegExp regExp("^[0-9]{4}-[0-9]{2}-[0-9]{2}$");
dateTimeEdit.setValidator(new QRegExpValidator(regExp));

自身のコードで検証を行う

上記のいずれの方法でも、希望通りの動作が得られない場合は、自身のコードで検証を行うことができます。

void MyDateTimeEdit::validateInput(const QString &input) const
{
    // 独自の検証処理
    if (!isValidDateTime(input)) {
        // エラーメッセージを表示
        QMessageBox::warning(this, tr("エラー"), tr("入力されたテキストが無効です"));
        return;
    }

    // テキストを修正
    // ...
}

QDateTimeEdit::fixup() 関数は、ユーザーが入力したテキストを修正するための便利な関数です。しかし、他の方法も存在しますので、状況に合わせて適切な方法を選択してください。




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