Qt Widgetsでジェスチャーのホットスポット領域を理解し、使いこなすためのチュートリアル

Qt WidgetsにおけるQGesture::hasHotSpotプログラミング解説

QGesture::hasHotSpot は、Qt Widgetsフレームワークにおいて、ジェスチャーが特定のホットスポット領域を持っているかどうかを判定する関数です。ホットスポットとは、ジェスチャーが有効な領域を指します。この関数は、ジェスチャーの動作を制御したり、特定の領域でのみジェスチャーを認識させたりする際に役立ちます。

詳細

QGesture::hasHotSpot は、bool 型の値を返します。

• true : ジェスチャーにホットスポット領域が設定されている
• false : ホットスポット領域が設定されていない

コード例

// ジェスチャーオブジェクトを取得
QGesture *gesture = ...;

// ホットスポット領域を持っているかどうかを確認
bool hasHotSpot = gesture->hasHotSpot();

// ホットスポット領域を持っている場合
if (hasHotSpot) {
  // ホットスポット領域の座標を取得
  QPointF hotspot = gesture->hotSpot();

  // ホットスポット領域に関する処理を行う
}

補足

• ホットスポット領域は、ジェスチャー開始時に設定されます。
• デフォルトでは、ホットスポット領域はジェスチャー開始位置になります。
• QGesture::setHotSpot 関数を使用して、ホットスポット領域をプログラムで設定することができます。
• ジェスチャーによっては、ホットスポット領域を持たないものもあります。

関連トピック

• Qt Widgets
• ジェスチャー
• ホットスポット

QGesture::hasHotSpot サンプルコード

サンプル1: ホットスポット領域の座標を取得

QGesture *gesture = new QTapGesture(this);

// ジェスチャー開始時にホットスポット領域を設定
gesture->setHotSpot(QPointF(100, 100));

// ジェスチャー認識
QObject::connect(gesture, &QGesture::triggered, [this](QGesture *gesture) {
  // ホットスポット領域の座標を取得
  QPointF hotspot = gesture->hotSpot();

  // ホットスポット座標に関する処理を行う
  qDebug() << "ホットスポット座標: " << hotspot;
});

gesture->activate(Qt::GestureRecognizer::TriggerGesture);

サンプル2: ホットスポット領域内にマウスカーソルがあるかどうかを判定

QGesture *gesture = new QPanGesture(this);

// ホットスポット領域を設定
gesture->setHotSpot(QRectF(100, 100, 200, 200));

// マウスカーソルがホットスポット領域内に入った時に処理を行う
QObject::connect(gesture, &QGesture::hotSpotEntered, [this](QGesture *gesture) {
  qDebug() << "ホットスポット領域内にマウスカーソルが入りました";
});

// マウスカーソルがホットスポット領域から出た時に処理を行う
QObject::connect(gesture, &QGesture::hotSpotExited, [this](QGesture *gesture) {
  qDebug() << "ホットスポット領域からマウスカーソルが出ました";
});

gesture->activate(Qt::GestureRecognizer::TriggerGesture);

サンプル3: ホットスポット領域に応じてジェスチャーの動作を変更

QGesture *gesture = new QPinchGesture(this);

// ホットスポット領域を設定
gesture->setHotSpot(QRectF(100, 100, 200, 200));

// ジェスチャー更新時に処理を行う
QObject::connect(gesture, &QGesture::updated, [this](QGesture *gesture) {
  // ホットスポット領域内に指が1本の場合
  if (gesture->state() == Qt::GestureState::PinchStarted && gesture->totalFingers() == 1) {
    // ジェスチャーを無効にする
    gesture->setGestureState(Qt::GestureState::Ignored);
  } else if (gesture->state() == Qt::GestureState::PinchUpdated && gesture->totalFingers() == 2) {
    // ホットスポット領域の中心点を中心に拡大・縮小を行う
    QPointF center = gesture->hotSpot().center();
    qreal scaleFactor = gesture->scaleFactor();
    // ...
  }
});

gesture->activate(Qt::GestureRecognizer::TriggerGesture);

• ホットスポット領域は、ジェスチャーの種類によって異なる形状やサイズを設定することができます。
• ホットスポット領域は、プログラムで動的に変更することができます。

QGesture::hasHotSpot 以外の方法

方法1: QGestureEvent::hotSpot() を使用する

QGestureEvent::hotSpot() 関数は、ジェスチャーイベントが発生したホットスポット領域の座標を取得します。

void myEventFilter(QObject *object, QEvent *event) override {
  if (event->type() == QEvent::Gesture) {
    QGestureEvent *gestureEvent = static_cast<QGestureEvent *>(event);
    QPointF hotspot = gestureEvent->hotSpot();

    // ホットスポット座標に関する処理を行う
  }

  return QObject::eventFilter(object, event);
}

方法2: QGestureRecognizer::setHotSpotRecognition() を使用する

QGestureRecognizer::setHotSpotRecognition 関数は、ジェスチャー認識時にホットスポット領域を考慮するかどうかを設定します。

QGestureRecognizer *recognizer = new QTapGestureRecognizer(this);

// ホットスポット領域を考慮してジェスチャー認識を行う
recognizer->setHotSpotRecognition(true);

// ...

方法3: 独自の方法で判定を行う

上記の方法以外にも、独自のアルゴリズムを使用してジェスチャーのホットスポット領域を判定することができます。

どの方法を選択するべきかは、アプリケーションの要件や開発者の好みによって異なります。