Qt GUIで修飾キー (Ctrl, Shift, Altなど) を考慮したキーシーケンスのマッチング

2024-04-15

Qt GUIにおける QKeySequence::matches() のプログラミング解説

QKeySequence::matches() は、Qt GUI におけるキーボードショートカットの処理に不可欠な関数です。この関数は、指定されたキーシーケンスと現在のキーボードイベントが一致するかどうかを判断します。具体的には、以下の機能を提供します。

  • 完全一致 (ExactMatch): キーボードイベントが指定されたキーシーケンスと完全に一致する場合
  • 部分一致 (PartialMatch): キーボードイベントが指定されたキーシーケンスの一部と一致する場合
  • 不一致 (NoMatch): キーボードイベントと指定されたキーシーケンスが一致しない場合

使用方法

QKeySequence::matches() 関数は、次の形式で使用されます。

QKeySequence::SequenceMatch QKeySequence::matches(const QKeySequence &seq) const;
  • seq: 一致判定を行うキーシーケンス

戻り値

関数は以下の値を返します。

QKeySequence shortcut(Qt::CTRL + Qt::Key_C);

if (event->key() == shortcut) {
  // Ctrl+C が押された場合の処理
} else if (shortcut.matches(event->key())) {
  // Ctrl+C の一部が押された場合の処理
} else {
  // その他のキーが押された場合の処理
}

この例では、Ctrl+C キーシーケンスが押されたかどうかを判断しています。event->key() は現在のキーボードイベントを表すキーを表します。

応用例

QKeySequence::matches() 関数は、以下のようなさまざまな場面で使用できます。

  • キーボードショートカットの処理
  • カスタムメニューの表示
  • 入力検証

補足

  • QKeySequence::matches() 関数は、修飾キー (Ctrl, Shift, Altなど) も考慮します。
  • キーシーケンスは、QKeySequence::fromString() 関数を使用して文字列から生成できます。

上記以外にも、QKeySequence::matches() 関数に関する質問があれば、遠慮なく聞いてください。



Qt GUI における QKeySequence::matches() のサンプルコード

この例では、Ctrl+C キーシーケンスが押されたときにテキストエディタのコンテンツをコピーするコードを示します。

#include <QApplication>
#include <QTextEdit>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  QTextEdit editor;
  editor.setWindowTitle("Text Editor");

  // Ctrl+C キーシーケンスを設定
  QKeySequence shortcut(Qt::CTRL + Qt::Key_C);

  // キーボードイベントの接続
  editor.connect(&editor, &QTextEdit::keyPressEvent, [&](QKeyEvent *event) {
    if (shortcut.matches(event->key())) {
      // Ctrl+C が押された場合
      editor.copy();
    }
  });

  editor.show();
  return app.exec();
}

カスタムメニューの表示

この例では、右クリックでカスタムメニューを表示するコードを示します。

#include <QApplication>
#include <QMenu>
#include <QLabel>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  QLabel label("Right-click to open menu");
  label.show();

  // 右クリックイベントの接続
  label.connect(&label, &QLabel::contextMenuEvent, [&](QContextMenuEvent *event) {
    // カスタムメニューの作成
    QMenu menu;
    menu.addAction("Action 1");
    menu.addAction("Action 2");

    // 右クリック位置にメニューを表示
    menu.exec(event->globalPos());
  });

  return app.exec();
}

入力検証

この例では、入力された文字が数字のみであることを検証するコードを示します。

#include <QApplication>
#include <QLineEdit>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  QLineEdit lineEdit;
  lineEdit.setWindowTitle("Input Validation");

  // 入力イベントの接続
  lineEdit.connect(&lineEdit, &QLineEdit::textEdited, [&](const QString &text) {
    // 数字のみの入力かどうかを検証
    bool isValid = true;
    for (const QChar &c : text) {
      if (!c.isDigit()) {
        isValid = false;
        break;
      }
    }

    // 入力結果に応じたスタイルの設定
    if (isValid) {
      lineEdit.setStyleSheet("background-color: white;");
    } else {
      lineEdit.setStyleSheet("background-color: red;");
    }
  });

  lineEdit.show();
  return app.exec();
}

キーシーケンスの文字列からの生成

この例では、文字列からキーシーケンスを生成するコードを示します。

#include <QKeySequence>

int main() {
  // 文字列からキーシーケンスを生成
  QKeySequence shortcut = QKeySequence::fromString("Ctrl+Shift+Z");

  // キーシーケンスの内容を出力
  qDebug() << shortcut.toString();

  return 0;
}

修飾キーの考慮

この例では、修飾キー (Ctrl, Shift, Altなど) を考慮したキーシーケンスのマッチングを行うコードを示します。

#include <QApplication>
#include <QKeySequence>
#include <QLabel>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  QLabel label("Press Ctrl+Shift+A");
  label.show();

  // キーシーケンスの作成
  QKeySequence shortcut(Qt::CTRL | Qt::SHIFT | Qt::Key_A);

  // キーボードイベントの接続
  label.connect(&label, &QLabel::keyPressEvent, [&](QKeyEvent *event) {
    if (shortcut.matches(event->key())) {
      // Ctrl+Shift+A が押された場合
      qDebug() << "Ctrl+Shift+A が押されました";
    }
  });

  return app.exec();
}

これらのサンプルコードは、QKeySequence::matches() 関数の基本的な使い方を理解するのに役立ちます。具体的なニーズに合わせてコードをカスタマイズすることができます。

  • 上記以外にも、様々なサンプルコードがあります。


Qt GUI におけるキーシーケンス処理の代替方法

ローレベルなキーイベントの処理

QKeyEvent クラスを使用して、個々のキーイベントを処理することができます。この方法は、より細かい制御が可能ですが、コードが煩雑になりがちです。

長所

  • 非常に詳細な制御が可能
  • キーの押下と解放の両方を処理できる

短所

  • コードが煩雑になりがち
  • QKeySequence::matches() 関数よりも習得が難しい

#include <QApplication>
#include <QLabel>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  QLabel label("Press A or B");
  label.show();

  // キーボードイベントの接続
  label.connect(&label, &QLabel::keyPressEvent, [&](QKeyEvent *event) {
    if (event->key() == Qt::Key_A) {
      // Aキーが押された場合
      qDebug() << "Aキーが押されました";
    } else if (event->key() == Qt::Key_B) {
      // Bキーが押された場合
      qDebug() << "Bキーが押されました";
    }
  });

  return app.exec();
}

カスタムキーイベントフィルターの使用

QAbstractEventDispatcher クラスの installEventFilter() メソッドを使用して、カスタムキーイベントフィルターをインストールすることができます。この方法は、キーイベント処理をより集中化することができます。

長所

  • キーイベント処理をより集中化できる

短所

  • QKeyEvent クラスを直接使用するよりも複雑

#include <QApplication>
#include <QAbstractEventDispatcher>
#include <QLabel>

class KeyFilter : public QObject {
public:
  KeyFilter(QObject *parent = nullptr) : QObject(parent) {}

protected:
  bool eventFilter(QObject *watched, QEvent *event) override {
    if (event->type() == QEvent::KeyPress) {
      QKeyEvent *keyEvent = static_cast<QKeyEvent *>(event);
      if (keyEvent->key() == Qt::Key_A) {
        // Aキーが押された場合
        qDebug() << "Aキーが押されました";
        return true; // イベントを処理して以降のフィルターに伝えない
      } else if (keyEvent->key() == Qt::Key_B) {
        // Bキーが押された場合
        qDebug() << "Bキーが押されました";
        return true; // イベントを処理して以降のフィルターに伝えない
      }
    }
    return QObject::eventFilter(watched, event);
  }
};

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  QLabel label("Press A or B");
  label.show();

  // キーイベントフィルターのインストール
  KeyFilter filter;
  QAbstractEventDispatcher::instance()->installEventFilter(&filter);

  return app.exec();
}

グローバルショートカットの使用

QShortcut クラスを使用して、グローバルショートカットを作成することができます。この方法は、アプリケーション全体で有効なショートカットを作成するのに役立ちます。

長所

  • アプリケーション全体で有効なショートカットを作成できる
  • ユーザー設定に対応しやすい

短所

  • キーシーケンスの競合が発生する可能性がある

#include <QApplication>
#include <QShortcut>
#include <QLabel>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  QLabel label("Press Ctrl+Shift+Z");
  label.show();

  // グローバルショートカットの作成
  QShortcut shortcut(Qt::CTRL | Qt::SHIFT | Qt::Key_Z, QApplication::instance());

  // ショートカットがアクティブになったときの接続
  QObject::connect(&shortcut, &QShortcut::activated, [&]() {
    qDebug() << "Ctrl+Shift+Z が押されました";
  });

  return app.exec();
}

キーボードマクロの使用

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