Qt GUIにおけるQInputMethodEvent::preeditString()の詳細解説

2024-04-02

Qt GUIにおけるQInputMethodEvent::preeditString()の詳細解説

QInputMethodEvent::preeditString()は、Qt GUIフレームワークにおいて、入力メソッドイベント処理に関連する重要な関数です。この関数は、入力中の文字列のプレエディット情報にアクセスし、その内容を取得するために使用されます。

機能

QInputMethodEvent::preeditString()は以下の情報を提供します。

  • プレエディット文字列: 現在のカーソル位置で候補として表示されている文字列
  • カーソル位置: プレエディット文字列内のカーソルの位置
  • 属性: プレエディット文字列に適用される属性情報

これらの情報は、テキスト入力処理を高度に制御するために使用できます。例えば、以下のような機能を実現できます。

  • 候補文字列の表示と選択
  • カーソル移動と編集
  • 入力補完と予測
  • 文字装飾

使用方法

QInputMethodEvent::preeditString()は、QInputMethodEventクラスのメンバ関数です。この関数は、const QString &型でプレエディット文字列を返します。

QInputMethodEvent event;
QString preeditString = event.preeditString();

属性

QInputMethodEvent::preeditString()は、プレエディット文字列に適用される属性情報も提供します。これらの属性は、QInputMethodEvent::Attributeクラスで定義されています。

QInputMethodEvent event;
QList<QInputMethodEvent::Attribute> attributes = event.attributes();

for (const QInputMethodEvent::Attribute &attribute : attributes) {
  // 属性処理
}

以下は、QInputMethodEvent::preeditString()を使用して候補文字列を表示する例です。

void QWidget::inputMethodEvent(QInputMethodEvent *event) {
  if (event->type() == QEvent::InputMethod) {
    QString preeditString = event.preeditString();
    // 候補文字列を表示...
  }
}

補足

  • QInputMethodEvent::preeditString()は、Qt GUIフレームワーク固有の関数です。他のプラットフォームでは異なる方法でプレエディット情報にアクセスする必要があります。
  • 日本語入力システムを使用する場合は、QInputMethodEvent::commitString()を使用して確定済み文字列を取得する必要があります。


Qt GUIにおけるQInputMethodEvent::preeditString()のサンプルコード

void QWidget::inputMethodEvent(QInputMethodEvent *event) {
  if (event->type() == QEvent::InputMethod) {
    QString preeditString = event.preeditString();
    // 候補文字列を表示...
  }
}

カーソル移動と編集

void QWidget::inputMethodEvent(QInputMethodEvent *event) {
  if (event->type() == QEvent::InputMethod) {
    QString preeditString = event.preeditString();
    int cursorPosition = event.preeditCursor();

    // カーソル移動...
    // プレエディット文字列の編集...
  }
}

入力補完と予測

void QWidget::inputMethodEvent(QInputMethodEvent *event) {
  if (event->type() == QEvent::InputMethod) {
    QString preeditString = event.preeditString();
    QList<QString> candidates = event.candidates();

    // 入力補完...
    // 候補に基づいて予測...
  }
}

文字装飾

void QWidget::inputMethodEvent(QInputMethodEvent *event) {
  if (event->type() == QEvent::InputMethod) {
    QString preeditString = event.preeditString();
    QList<QInputMethodEvent::Attribute> attributes = event.attributes();

    // プレエディット文字列に装飾を適用...
  }
}

日本語入力システム

void QWidget::inputMethodEvent(QInputMethodEvent *event) {
  if (event->type() == QEvent::InputMethod) {
    if (event.inputMethodQuery().language() == "ja") {
      QString preeditString = event.preeditString();
      QString committedString = event.commitString();

      // 日本語入力処理...
    }
  }
}


Qt GUIにおけるQInputMethodEvent::preeditString()の代替方法

QInputContext::preeditString()

QInputContextクラスは、現在の入力コンテキストに関する情報を提供します。QInputContext::preeditString()関数は、QInputMethodEvent::preeditString()と同様の機能を提供します。

QInputContext *inputContext = QInputContext::instance();
QString preeditString = inputContext->preeditString();

QTextCursor::preeditString()

QTextCursorクラスは、テキストカーソルに関する情報を提供します。QTextCursor::preeditString()関数は、カーソル位置におけるプレエディット文字列を取得します。

QTextCursor cursor = textEdit->textCursor();
QString preeditString = cursor.preeditString();

IME固有のAPI

一部のIMEは、独自のAPIを提供してプレエディット情報にアクセスすることができます。これらのAPIは、IMEによって異なるため、ドキュメントを参照する必要があります。

比較

方法メリットデメリット
QInputMethodEvent::preeditString()イベント処理の中で簡単にアクセスできるイベントが発生していない場合は使用できない
QInputContext::preeditString()イベント発生に関わらずアクセスできる現在の入力コンテキストを取得する必要がある
QTextCursor::preeditString()カーソル位置におけるプレエディット文字列を取得できるテキストエディットなどのウィジェットが必要
IME固有のAPIより詳細な情報にアクセスできるIMEによって異なるため、開発コストが高い



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