Qt GUIでキー入力イベントを処理する:ベストプラクティス

2024-04-02

Qt GUIにおけるQKeyEvent::key()

QKeyEvent は、Qt GUI でキー入力イベントを表すクラスです。キーボードが押されたり離されたりすると、QKeyEvent オブジェクトが生成され、イベント処理に関連するウィジェットに送信されます。

key() メソッド

QKeyEvent::key() メソッドは、押されたキーの情報を取得するために使用されます。このメソッドは、Qt::Key 型の値を返します。Qt::Key 型は、キーボード上の各キーに対応する列挙型です。

例:

void MyWidget::keyPressEvent(QKeyEvent *event) {
  Qt::Key key = event->key();

  switch (key) {
    case Qt::Key_A:
      // 'A'キーが押された時の処理
      break;
    case Qt::Key_B:
      // 'B'キーが押された時の処理
      break;
    default:
      // その他のキーが押された時の処理
      break;
  }
}

上記の例では、keyPressEvent() メソッド内で key() メソッドを使用して、押されたキーの情報を取得しています。その後、switch ステートメントを使用して、押されたキーに応じて処理を分岐させています。

キーの修飾キー情報

key() メソッドは、キーそのものの情報だけでなく、修飾キーの情報も取得できます。修飾キーとは、Shift キーやCtrl キーなどのキーのことです。

例:

void MyWidget::keyPressEvent(QKeyEvent *event) {
  Qt::Key key = event->key();
  Qt::KeyboardModifiers modifiers = event->modifiers();

  if (key == Qt::Key_A && modifiers & Qt::ShiftModifier) {
    // 'A'キーとShiftキーが同時に押された時の処理
  } else if (key == Qt::Key_B && modifiers & Qt::ControlModifier) {
    // 'B'キーとCtrlキーが同時に押された時の処理
  } else {
    // その他のキーと修飾キーの組み合わせ
  }
}

上記の例では、modifiers() メソッドを使用して、押されたキーと同時に押された修飾キーを取得しています。その後、if ステートメントを使用して、キーと修飾キーの組み合わせに応じて処理を分岐させています。

まとめ

QKeyEvent::key() メソッドは、Qt GUI でキー入力イベントを処理する際に非常に重要なメソッドです。このメソッドを使いこなすことで、さまざまなキー入力イベントに対応した処理を実装することができます。



Qt GUIにおけるQKeyEvent::key() のサンプルコード

シンプルなキー入力処理

void MyWidget::keyPressEvent(QKeyEvent *event) {
  Qt::Key key = event->key();

  if (key == Qt::Key_A) {
    // 'A'キーが押された時の処理
  } else if (key == Qt::Key_B) {
    // 'B'キーが押された時の処理
  } else {
    // その他のキーが押された時の処理
  }
}

修飾キーを使った処理

void MyWidget::keyPressEvent(QKeyEvent *event) {
  Qt::Key key = event->key();
  Qt::KeyboardModifiers modifiers = event->modifiers();

  if (key == Qt::Key_A && modifiers & Qt::ShiftModifier) {
    // 'A'キーとShiftキーが同時に押された時の処理
  } else if (key == Qt::Key_B && modifiers & Qt::ControlModifier) {
    // 'B'キーとCtrlキーが同時に押された時の処理
  } else {
    // その他のキーと修飾キーの組み合わせ
  }
}

このコードは、'A'キーとShiftキー、'B'キーとCtrlキーが同時に押された時の処理を例示しています。その他のキーと修飾キーの組み合わせは、else ステートメント内の処理が実行されます。

キー入力を受け付けるテキストエディット

class MyTextEdit : public QTextEdit {
  public:
    MyTextEdit(QWidget *parent = nullptr) : QTextEdit(parent) {}

  protected:
    void keyPressEvent(QKeyEvent *event) override {
      Qt::Key key = event->key();

      if (key == Qt::Key_Enter || key == Qt::Key_Return) {
        // Enterキーが押された時の処理
      } else {
        QTextEdit::keyPressEvent(event);
      }
    }
};

このコードは、Enterキーが押された時に独自の処理を実行するテキストエディットクラスを例示しています。Enterキー以外のキーが押された場合は、基底クラスの QTextEdit::keyPressEvent() メソッドが呼び出されます。

キー入力イベントのフィルタリング

class MyWidget : public QWidget {
  public:
    MyWidget(QWidget *parent = nullptr) : QWidget(parent) {}

  protected:
    bool eventFilter(QObject *obj, QEvent *event) override {
      if (event->type() == QEvent::KeyPress) {
        QKeyEvent *keyEvent = static_cast<QKeyEvent *>(event);
        Qt::Key key = keyEvent->key();

        if (key == Qt::Key_A) {
          // 'A'キーが押された時の処理
          return true; // イベントを処理済みとしてマーク
        }
      }

      return QWidget::eventFilter(obj, event);
    }
};

このコードは、'A'キーが押された時にイベントを処理し、以降の処理に伝播しない例です。eventFilter() メソッドは、イベント処理の最初の段階で呼び出されるため、イベントを処理済みとしてマークすることで、他のウィジェットで処理されるのを防ぐことができます。

まとめ

これらのサンプルコードは、QKeyEvent::key() メソッドを使用してキー入力イベントを処理する様々な方法を示しています。これらのコードを参考に、自分のアプリケーションに合ったキー入力処理を実装することができます。



Qt GUI でキー入力イベントを処理するその他の方法

QShortcut クラス

例:

QShortcut *shortcut = new QShortcut(Qt::Key_A, this);
connect(shortcut, &QShortcut::activated, this, &MyWidget::onShortcutActivated);

void MyWidget::onShortcutActivated() {
  // 'A'キーのショートカットが押された時の処理
}

上記の例では、'A'キーを押すと onShortcutActivated() メソッドが呼び出されるショートカットを設定しています。

QInputEventFilter クラスは、イベント処理の前にイベントをフィルタリングするためのクラスです。QInputEventFilter クラスを使用すると、特定のキー入力イベントを処理する前に処理を介入させることができます。

例:

class MyInputEventFilter : public QInputEventFilter {
  public:
    MyInputEventFilter(QObject *parent = nullptr) : QInputEventFilter(parent) {}

  protected:
    bool eventFilter(QObject *obj, QEvent *event) override {
      if (event->type() == QEvent::KeyPress) {
        QKeyEvent *keyEvent = static_cast<QKeyEvent *>(event);
        Qt::Key key = keyEvent->key();

        if (key == Qt::Key_A) {
          // 'A'キーが押された時の処理
          return true; // イベントを処理済みとしてマーク
        }
      }

      return QInputEventFilter::eventFilter(obj, event);
    }
};

int main(int argc, char **argv) {
  QApplication app(argc, argv);

  MyInputEventFilter filter;
  app.installEventFilter(&filter);

  // ...

  return app.exec();
}

上記の例では、'A'キーが押された時にイベントを処理し、以降の処理に伝播しない例です。QInputEventFilter::eventFilter() メソッドは、イベント処理の最初の段階で呼び出されるため、イベントを処理済みとしてマークすることで、他のウィジェットで処理されるのを防ぐことができます。

QKeySequence クラスは、キーシーケンスを表すクラスです。QKeySequence クラスを使用すると、複数のキーを組み合わせたキーシーケンスを処理することができます。

例:

QKeySequence sequence(Qt::Key_Ctrl | Qt::Key_A);

if (event->matches(sequence)) {
  // 'Ctrl'キーと'A'キーが同時に押された時の処理
}

上記の例では、'Ctrl'キーと'A'キーが同時に押された時の処理を例示しています。QKeyEvent::matches() メソッドを使用して、イベントが特定のキーシーケンスと一致するかどうかを確認することができます。

まとめ

これらの方法は、QKeyEvent::key() メソッド以外にも Qt GUI でキー入力イベントを処理する方法を示しています。これらの方法を参考に、自分のアプリケーションに合ったキー入力処理を実装することができます。




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