QLineEdit::placeholderTextとQValidatorで入力制限とプレースホルダーテキストを同時に実現
Qt WidgetsにおけるQLineEdit::placeholderTextの詳細解説
QLineEdit::placeholderTextは、Qt Widgetsライブラリで提供されるQLineEditクラスの重要なプロパティの一つです。これは、ユーザーがテキストを入力する前に、QLineEdit内に表示されるテキストを設定するために使用されます。日本語では、「プレースホルダーテキスト」または「仮置きテキスト」と呼ばれます。
このプロパティは、ユーザーインターフェースをより直感的で使いやすくするために非常に役立ちます。例えば、ユーザーが名前を入力する必要があるフィールドに、「名前を入力してください」というプレースホルダーテキストを設定することができます。
プロパティの詳細
- データ型: QString
- デフォルト値: 空のQString
- アクセス方法:
- get():
QString placeholderText() const
- set():
void setPlaceholderText(const QString &text)
- get():
設定例
C++の場合:
QLineEdit *lineEdit = new QLineEdit;
lineEdit->setPlaceholderText("名前を入力してください");
Pythonの場合:
from PyQt5.QtWidgets import QLineEdit
lineEdit = QLineEdit()
lineEdit.setPlaceholderText("名前を入力してください")
プレースホルダーテキストの書式設定
QLineEdit::placeholderTextプロパティは、テキストの色、フォント、サイズなどの書式設定をカスタマイズすることができます。
書式設定例
C++の場合:
QLineEdit *lineEdit = new QLineEdit;
lineEdit->setPlaceholderText("名前を入力してください");
// プレースホルダーテキストの色を設定
QPalette palette = lineEdit->palette();
palette.setPlaceholderText(QColor::gray);
lineEdit->setPalette(palette);
// プレースホルダーテキストのフォントを設定
QFont font;
font.setPointSize(12);
lineEdit->setFont(font);
Pythonの場合:
from PyQt5.QtWidgets import QLineEdit, QPalette, QFont
lineEdit = QLineEdit()
lineEdit.setPlaceholderText("名前を入力してください")
# プレースホルダーテキストの色を設定
palette = lineEdit.palette()
palette.setPlaceholderText(QColor.gray)
lineEdit.setPalette(palette)
# プレースホルダーテキストのフォントを設定
font = QFont()
font.setPointSize(12)
lineEdit.setFont(font)
その他の機能
- プレースホルダーテキストは、QLineEdit::clear() メソッドによってクリアされます。
- プレースホルダーテキストは、QLineEdit::isEnabled() メソッドによって制御されます。
- プレースホルダーテキストは、QLineEdit::isReadOnly() メソッドによって影響を受けません。
QLineEdit::placeholderTextを使ったサンプルコード
QLineEdit *lineEdit = new QLineEdit;
lineEdit->setPlaceholderText("名前を入力してください");
プレースホルダーテキストの色とフォントを変更
QLineEdit *lineEdit = new QLineEdit;
lineEdit->setPlaceholderText("名前を入力してください");
// プレースホルダーテキストの色を設定
QPalette palette = lineEdit->palette();
palette.setPlaceholderText(QColor::gray);
lineEdit->setPalette(palette);
// プレースホルダーテキストのフォントを設定
QFont font;
font.setPointSize(12);
lineEdit->setFont(font);
プレースホルダーテキストと入力テキストの両方の色を変更
QLineEdit *lineEdit = new QLineEdit;
lineEdit->setPlaceholderText("名前を入力してください");
// プレースホルダーテキストの色を設定
QPalette palette = lineEdit->palette();
palette.setPlaceholderText(QColor::gray);
lineEdit->setPalette(palette);
// 入力テキストの色を設定
lineEdit->setStyleSheet("color: blue;");
入力に応じてプレースホルダーテキストを変更
QLineEdit *lineEdit = new QLineEdit;
lineEdit->setPlaceholderText("名前を入力してください");
// テキスト入力時にプレースホルダーテキストを非表示にする
void onTextChanged(const QString &text) {
if (!text.isEmpty()) {
lineEdit->setPlaceholderText("");
} else {
lineEdit->setPlaceholderText("名前を入力してください");
}
}
// テキスト変更イベントに接続
QObject::connect(lineEdit, &QLineEdit::textChanged, onTextChanged);
パスワード入力用のプレースホルダーテキスト
QLineEdit *lineEdit = new QLineEdit;
lineEdit->setPlaceholderText("パスワードを入力してください");
// パスワード入力用に設定
lineEdit->setEchoMode(QLineEdit::Password);
プレースホルダーテキストとアイコン
QLineEdit *lineEdit = new QLineEdit;
lineEdit->setPlaceholderText("検索キーワードを入力してください");
// 検索アイコンを設定
QIcon icon("search.png");
lineEdit->addAction(QLineEdit::Leading, icon, QLineEdit::NoChaser);
翻訳機能付きプレースホルダーテキスト
QLineEdit *lineEdit = new QLineEdit;
// 言語コードと翻訳されたプレースホルダーテキストを設定
QMap<QString, QString> translations;
translations["en"] = "Enter your name";
translations["ja"] = "名前を入力してください";
QString language = QLocale::system().language();
lineEdit->setPlaceholderText(translations[language]);
QValidatorを使った入力制限とプレースホルダーテキスト
QLineEdit *lineEdit = new QLineEdit;
lineEdit->setPlaceholderText("電話番号を入力してください");
// 数値のみ入力可能にする
QIntValidator *validator = new QIntValidator(lineEdit);
lineEdit->setValidator(validator);
// プレースホルダーテキストを灰色にする
QPalette palette = lineEdit->palette();
palette.setPlaceholderText(QColor::gray);
lineEdit->setPalette(palette);
これらのサンプルコードは、QLineEdit::placeholderTextプロパティの様々な使い方を示しています。これらのコードを参考に、ニーズに合ったプレースホルダーテキストを実装することができます。
QLineEdit::placeholderText 以外の方法
QLabel と QLineEdit を組み合わせる
QLabel *label = new QLabel("名前を入力してください");
QLineEdit *lineEdit = new QLineEdit;
// レイアウトに配置する
QHBoxLayout *layout = new QHBoxLayout;
layout->addWidget(label);
layout->addWidget(lineEdit);
// ウィジェットにレイアウトを設定
QWidget *widget = new QWidget;
widget->setLayout(layout);
QTextEdit を使う
QTextEdit *textEdit = new QTextEdit;
textEdit->setPlaceholderText("名前を入力してください");
カスタムウィジェットを作成する
これらの方法は、QLineEdit::placeholderText プロパティよりも柔軟性がありますが、より多くのコードを書く必要があります。
その他の方法
- Qt Designer を使ってプレースホルダーテキストを設定する
- CSS を使ってプレースホルダーテキストを設定する
以下、それぞれの方法の詳細とメリット・デメリットです。
QLabel と QLineEdit を組み合わせる
メリット:
- レイアウトを自由に調整できる
- アイコンなどの他のウィジェットを簡単に追加できる
デメリット:
- コード量が増える
- プレースホルダーテキストと入力テキストのスタイルを揃えるのが難しい
QTextEdit を使う
メリット:
- プレースホルダーテキストの書式設定が簡単
- 複数行のテキスト入力にも対応できる
デメリット:
- QLineEdit よりも機能が少ない
- コード量が slightly 増える
カスタムウィジェットを作成する
メリット:
- 最も自由度が高い
- 複雑な要件にも対応できる
デメリット:
- 開発スキルが必要
Qt Designer を使ってプレースホルダーテキストを設定する
メリット:
- コードを書く必要がない
- 視覚的にプレースホルダーテキストを設定できる
デメリット:
- Qt Designer をインストールする必要がある
- デザインの自由度が制限される
CSS を使ってプレースホルダーテキストを設定する
メリット:
- コード量が少ない
- デザインの自由度が高い
デメリット:
- CSS の知識が必要
- 古いブラウザでは対応していない可能性がある
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