Qtでテキスト選択を自在に操る! QLineEdit::selectionChanged() シグナル活用ガイド
Qt Widgets: QLineEdit::selectionChanged() シグナルの詳細解説
QLineEdit::selectionChanged()
シグナルは、QLineEdit
ウィジェット内のテキスト選択状態が変化した時に発生します。これは、ユーザーがマウスでテキストを選択したり、矢印キーを使用してカーソルを移動したり、プログラムによってテキストを選択したりするなど、さまざまな状況で発生します。
シグナルの仕組み
このシグナルは、QLineEdit
オブジェクトに接続されたスロットを呼び出します。スロットは、選択されたテキストの開始位置と終了位置を含む情報を提供されます。この情報を使用して、選択されたテキストに対してさまざまな操作を実行できます。
シグナルの使用例
- 選択されたテキストを別の場所にコピーまたは移動する。
- 選択されたテキストの色やフォントを変更する。
- 選択されたテキストに基づいて、その他のウィジェットや機能を更新する。
シグナルの接続
QLineEdit::selectionChanged()
シグナルは、QObject::connect()
関数を使用してスロットに接続できます。
// シグナルとスロットを接続する例
QLineEdit *lineEdit = new QLineEdit();
// スロット
void onSelectionChanged(int start, int end) {
// 選択されたテキストを取得
QString selectedText = lineEdit->text().mid(start, end - start);
// 選択されたテキストに基づいて処理を行う
// ...
}
// シグナルとスロットの接続
QObject::connect(lineEdit, &QLineEdit::selectionChanged, this, &onSelectionChanged);
関連するプロパティとメソッド
selectedText()
: 選択されたテキストを取得します。selectionStart()
: 選択範囲の開始位置を取得します。selectionEnd()
: 選択範囲の終了位置を取得します。selectAll()
: すべてのテキストを選択します。clearSelection()
: 選択範囲を解除します。
補足
- シグナルは、
QLineEdit
オブジェクトがフォーカスを持っている場合にのみ発生します。 - シグナルは、テキストが編集された場合にも発生します。
- シグナルは、複数回の選択変更が発生しても、一度だけ発生します。
QLineEdit::selectionChanged() シグナルのサンプルコード
選択されたテキストを別のラベルに表示する
#include <QtWidgets/QApplication>
#include <QtWidgets/QLineEdit>
#include <QtWidgets/QLabel>
int main(int argc, char *argv[]) {
QApplication app(argc, argv);
// ウィジェットの作成
QLineEdit *lineEdit = new QLineEdit();
QLabel *label = new QLabel();
// シグナルとスロットの接続
QObject::connect(lineEdit, &QLineEdit::selectionChanged, [label, lineEdit](int start, int end) {
// 選択されたテキストを取得
QString selectedText = lineEdit->text().mid(start, end - start);
// ラベルに選択されたテキストを表示
label->setText(selectedText);
});
// ウィジェットの表示
lineEdit->show();
label->show();
return app.exec();
}
選択されたテキストの色を変更する
#include <QtWidgets/QApplication>
#include <QtWidgets/QLineEdit>
int main(int argc, char *argv[]) {
QApplication app(argc, argv);
// ウィジェットの作成
QLineEdit *lineEdit = new QLineEdit();
// シグナルとスロットの接続
QObject::connect(lineEdit, &QLineEdit::selectionChanged, [lineEdit](int start, int end) {
// 選択されたテキストの色を変更
QTextCharFormat format;
format.setBackground(Qt::red);
lineEdit->setCharFormat(start, end - start, format);
});
// ウィジェットの表示
lineEdit->show();
return app.exec();
}
選択されたテキストに基づいて、別のウィジェットを更新する
#include <QtWidgets/QApplication>
#include <QtWidgets/QLineEdit>
#include <QtWidgets/QComboBox>
int main(int argc, char *argv[]) {
QApplication app(argc, argv);
// ウィジェットの作成
QLineEdit *lineEdit = new QLineEdit();
QComboBox *comboBox = new QComboBox();
// シグナルとスロットの接続
QObject::connect(lineEdit, &QLineEdit::selectionChanged, [comboBox, lineEdit](int start, int end) {
// 選択されたテキストを取得
QString selectedText = lineEdit->text().mid(start, end - start);
// 選択されたテキストに基づいて、コンボボックスの内容を更新
if (selectedText == "Red") {
comboBox->setCurrentIndex(0);
} else if (selectedText == "Green") {
comboBox->setCurrentIndex(1);
} else if (selectedText == "Blue") {
comboBox->setCurrentIndex(2);
}
});
// コンボボックスに項目を追加
comboBox->addItem("Red");
comboBox->addItem("Green");
comboBox->addItem("Blue");
// ウィジェットの表示
lineEdit->show();
comboBox->show();
return app.exec();
}
QLineEdit::selectionChanged() シグナルのその他の使用例
選択されたテキストをコピーまたは移動する
// 選択されたテキストをコピー
QClipboard *clipboard = QApplication::clipboard();
clipboard->setText(lineEdit->selectedText());
// 選択されたテキストを移動
int start = lineEdit->selectionStart();
int end = lineEdit->selectionEnd();
QString selectedText = lineEdit->text().mid(start, end - start);
lineEdit->text().remove(start, end - start);
lineEdit->insert(start, selectedText);
選択されたテキストの書式を変更する
// 選択されたテキストのフォントを変更
QTextCharFormat format;
format.setFont(QFont("Arial", 12));
lineEdit->setCharFormat(lineEdit->selectionStart(), lineEdit->selectionEnd() - lineEdit->selectionStart(), format);
// 選択されたテキストの色を変更
format.setBackground(Qt::red);
lineEdit->setCharFormat(lineEdit->selectionStart(), lineEdit->selectionEnd() - lineEdit->selectionStart(), format);
選択されたテキストに基づいて、検索を実行する
// 選択された
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