Qt GUIでテクスチャ画像のサブデータをコピーする方法

2024-04-02

Qt GUIにおける QOpenGLExtraFunctions::glCopyImageSubData() 関数の解説

QOpenGLExtraFunctions::glCopyImageSubData() は、OpenGL 4.3以降で導入された関数で、テクスチャ画像のサブデータを別のテクスチャ画像にコピーするために使用されます。Qt GUIでは、QOpenGLWidgetやQOpenGLWindowなどのクラスを通じてOpenGL機能を利用できます。これらのクラスは、QOpenGLExtraFunctionsクラスのインスタンスを提供し、glCopyImageSubData() などの拡張機能を利用することができます。

関数シグネチャ

void glCopyImageSubData(
    GLenum srcName,
    GLenum srcTarget,
    GLint srcLevel,
    GLint srcX,
    GLint srcY,
    GLint srcZ,
    GLenum dstName,
    GLenum dstTarget,
    GLint dstLevel,
    GLint dstX,
    GLint dstY,
    GLint dstZ,
    GLsizei width,
    GLsizei height,
    GLsizei depth);

引数

  • srcName: コピー元のテクスチャの名前
  • srcTarget: コピー元のテクスチャのターゲット
  • srcLevel: コピー元のテクスチャのミップマップレベル
  • srcX, srcY, srcZ: コピー元のテクスチャ画像内のサブデータの開始位置
  • dstX, dstY, dstZ: コピー先のテクスチャ画像内のサブデータの開始位置
  • width: コピーするサブデータの幅
  • height: コピーするサブデータの高さ
  • depth: コピーするサブデータの奥行き

使用例

QOpenGLWidget widget;

// テクスチャを作成
GLuint srcTexture, dstTexture;
glGenTextures(1, &srcTexture);
glGenTextures(1, &dstTexture);

// テクスチャにデータをバインド
glBindTexture(GL_TEXTURE_2D, srcTexture);
glTexImage2D(GL_TEXTURE_2D, 0, GL_RGBA, width, height, 0, GL_RGBA, GL_UNSIGNED_BYTE, data);

glBindTexture(GL_TEXTURE_2D, dstTexture);
glTexImage2D(GL_TEXTURE_2D, 0, GL_RGBA, width, height, 0, GL_RGBA, GL_UNSIGNED_BYTE, nullptr);

// サブデータをコピー
QOpenGLExtraFunctions functions(&widget);
functions.glCopyImageSubData(
    GL_TEXTURE_2D, GL_TEXTURE_2D, 0, 0, 0, 0,
    GL_TEXTURE_2D, GL_TEXTURE_2D, 0, 0, 0, 0,
    width, height, 1);

// テクスチャを描画
...

注意事項

  • コピー元のテクスチャとコピー先のテクスチャのフォーマットが一致する必要があります。
  • コピー元のテクスチャとコピー先のテクスチャのサイズが一致する必要はありません。
  • サブデータの範囲は、テクスチャ画像のサイズを超えてはいけません。

QOpenGLExtraFunctions::glCopyImageSubData() 関数は、Qt GUIアプリケーションでテクスチャ画像のサブデータをコピーするために使用できます。この関数は、テクスチャアトラスやmipmapなどのさまざまな用途で使用することができます。



QOpenGLExtraFunctions::glCopyImageSubData() のサンプルコード

テクスチャアトラス

// テクスチャアトラスを作成
GLuint atlasTexture;
glGenTextures(1, &atlasTexture);
glBindTexture(GL_TEXTURE_2D, atlasTexture);
glTexImage2D(GL_TEXTURE_2D, 0, GL_RGBA, atlasWidth, atlasHeight, 0, GL_RGBA, GL_UNSIGNED_BYTE, nullptr);

// テクスチャ画像をアトラスに追加
for (int i = 0; i < numImages; i++) {
  // 画像データを読み込む
  ...

  // 画像をアトラスにコピー
  QOpenGLExtraFunctions functions(&widget);
  functions.glCopyImageSubData(
      GL_TEXTURE_2D, GL_TEXTURE_2D, 0, imageX[i], imageY[i], 0,
      GL_TEXTURE_2D, GL_TEXTURE_2D, 0, atlasX[i], atlasY[i], 0,
      imageWidth, imageHeight, 1);
}

// テクスチャアトラスを描画
...

ミップマップは、テクスチャ画像の複数の縮小バージョンを生成することで、テクスチャフィルタリングの品質を向上させる手法です。glCopyImageSubData() を使用して、テクスチャ画像のミップマップレベルを生成することができます。

// ミップマップ付きテクスチャを作成
GLuint texture;
glGenTextures(1, &texture);
glBindTexture(GL_TEXTURE_2D, texture);
glTexImage2D(GL_TEXTURE_2D, 0, GL_RGBA, width, height, 0, GL_RGBA, GL_UNSIGNED_BYTE, data);

// ミップマップレベルを生成
for (int i = 1; i < numMipmapLevels; i++) {
  int mipmapWidth = width / (1 << i);
  int mipmapHeight = height / (1 << i);

  // ミップマップレベル i のテクスチャ画像を生成
  glTexImage2D(GL_TEXTURE_2D, i, GL_RGBA, mipmapWidth, mipmapHeight, 0, GL_RGBA, GL_UNSIGNED_BYTE, nullptr);

  // ミップマップレベル i-1 からレベル i に画像をコピー
  QOpenGLExtraFunctions functions(&widget);
  functions.glCopyImageSubData(
      GL_TEXTURE_2D, GL_TEXTURE_2D, i - 1, 0, 0, 0,
      GL_TEXTURE_2D, GL_TEXTURE_2D, i, 0, 0, 0,
      mipmapWidth, mipmapHeight, 1);
}

// テクスチャを描画
...

glCopyImageSubData() は、さまざまな用途に使用することができます。以下は、その他の使用例です。

  • テクスチャの一部を更新
  • テクスチャフォーマットを変換
  • テクスチャを反転

QOpenGLExtraFunctions::glCopyImageSubData() は、Qt GUIアプリケーションでテクスチャ画像のサブデータをコピーするために使用できる汎用的な関数です。さまざまな用途に使用できるため、テクスチャ処理を行うアプリケーション開発において非常に有用な関数と言えるでしょう。



QOpenGLExtraFunctions::glCopyImageSubData() 以外の方法

glTexSubImage2D() 関数は、テクスチャ画像のサブデータを更新するために使用できます。glCopyImageSubData() と比べて、glTexSubImage2D() は以下の点が異なります。

  • テクスチャ画像全体を更新するのではなく、サブデータのみを更新することができます。
  • テクスチャフォーマットを変換することはできません。
  • テクスチャを反転したり回転したりすることはできません。

glReadPixels() 関数は、テクスチャ画像のサブデータをメモリに読み込むために使用できます。読み込んだデータを別のテクスチャにコピーすることで、サブデータをコピーすることができます。glReadPixels() と比べて、glCopyImageSubData() は以下の点が異なります。

  • CPUとGPU間でデータ転送が発生するため、パフォーマンスが低下する可能性があります。

フレームバッファオブジェクト (FBO)

FBO を使用して、テクスチャ画像をレンダリングターゲットとして設定し、glCopyTexSubImage2D() 関数を使用して別のテクスチャにコピーすることができます。FBO を使用した方法は、以下の点が異なります。

  • 複雑な設定が必要となります。
  • パフォーマンス
  • 機能
  • 複雑さ

パフォーマンスが重要な場合は、glCopyImageSubData() を使用するべきです。glTexSubImage2D() や glReadPixels() は、CPUとGPU間でデータ転送が発生するため、パフォーマンスが低下する可能性があります。

機能

テクスチャフォーマットを変換したり、テクスチャを反転したり回転したりしたい場合は、glCopyImageSubData() を使用する必要があります。glTexSubImage2D() や glReadPixels() は、これらの機能を提供していません。

複雑さ

最も簡単な方法は、glTexSubImage2D() を使用することです。glCopyImageSubData() は、より多くの機能を提供していますが、設定が複雑になります。FBO を使用した方法は、最も複雑な方法ですが、最も柔軟な方法です。

テクスチャ画像のサブデータをコピーするには、さまざまな方法があります。どの方法を選択するべきかは、パフォーマンス、機能、複雑さなどの要件によって異なります。




Qt GUI で OpenGL コンテキストを操作する: QWGLContext::nativeContext() 関数の詳細解説

QWGLContext::nativeContext() 関数は、Qt GUI フレームワークにおける OpenGL コンテキスト管理において重要な役割を果たします。この関数は、現在の OpenGL コンテキストのネイティブハンドルを取得するために使用されます。このハンドルは、プラットフォーム固有の API との相互作用や、OpenGL コンテキストを直接制御する必要がある場合に必要となります。



Qt GUI アプリケーション開発者必見!QTextBlockUserData クラスを使いこなしてテキスト処理を効率化

QTextDocument は、テキストをフォーマットして表示するためのクラスです。テキスト文書は、段落、行、文字などの要素で構成されます。QTextBlockUserData クラスは、これらの要素の一つである テキストブロック に、アプリケーション固有のデータを関連付けるために使用されます。


Qt GUIにおけるアイコンサイズ制御のベストプラクティス

概要ScaledPixmapArgument は、QIconEngine::pixmap() 関数で使用される構造体です。size プロパティは、要求されたピクセルマップのサイズを指定します。このプロパティは、QSizeF 型の値を持ちます。


Qt GUI プログラミング - QStandardItem::child() 関数による子アイテムの取得

QStandardItem::child() 関数は、Qt GUI フレームワークでツリーモデルを扱う際に、親アイテムの子アイテムを取得するために使用されます。ツリーモデルは、階層的なデータ構造を表現するのに役立ち、QStandardItem クラスは、ツリーモデル内の各アイテムを表します。


QStandardItemModel::insertColumns() 関数のサンプルコード

QStandardItemModel::insertColumns() 関数は、Qt GUI フレームワークでモデル/ビューアーアーキテクチャを用いてテーブルビューのようなデータ表示を構築する際、既存の列の間に新しい列を挿入するための関数です。



Qt GUI アプリケーションにおける QPaintEngineState::font() 関数の詳細解説

QPaintEngineState::font() は、Qt GUI アプリケーションにおける重要な関数の一つです。この関数は、現在のペイントエンジン状態のフォント情報を取得するために使用されます。ペイントエンジン状態は、描画操作の実行中に Qt によって維持される状態情報のコレクションです。


Qt Widgetsで列の配置をマスターしよう!QGraphicsGridLayout::setColumnAlignment()チュートリアル

QGraphicsGridLayout::setColumnAlignment()は、Qt Widgetsフレームワークにおいて、QGraphicsGridLayoutレイアウト内の列の配置を制御するための重要な関数です。この関数は、各列のウィジェットを左揃え、中央揃え、右揃えのいずれかに配置することができます。


QAbstractTextDocumentLayout::setIndentWidth() 関数を使う

QTextDocument::setIndentWidth()関数は、Qt GUIでテキストドキュメントのインデント幅を設定するために使用します。インデントとは、テキストの先頭部分に空白を挿入することで、段落の開始位置を視覚的に強調する機能です。


Qt Widgets でテキスト編集ウィジェットの変更を検知して、他のウィジェットやアプリケーションを操作する

QTextEdit::textChanged() は、Qt Widgets ライブラリにおける重要なシグナルの一つであり、テキスト編集ウィジェット内のテキストが変更された際に発生します。このシグナルは、ユーザーによる入力やプログラムによる操作によってテキストが変更された場合に emit され、プログラマーはシグナルハンドラを実装することで、テキスト変更に応じて様々な処理を行うことができます。


Qt GUIにおけるOpenGLコンテキストグループの共有: QOpenGLContextGroup::shares()の徹底解説

QOpenGLContextGroup::shares() は、Qt GUIにおけるOpenGLコンテキストグループ間のリソース共有を判定するためのメソッドです。このメソッドは、2つのOpenGLコンテキストが同じリソースセットを共有しているかどうかを調べ、共有関係を判断します。