QOpenGLFramebufferObjectクラスとglFramebufferTexture()の比較
Qt GUIにおけるQOpenGLExtraFunctions::glFramebufferTexture()の解説
QOpenGLExtraFunctions::glFramebufferTexture()
は、Qt GUIフレームワークでOpenGLフレームバッファオブジェクトにテクスチャを添付するための関数です。これは、Qtの標準機能ではないOpenGL拡張機能を利用するため、QOpenGLExtraFunctions
クラスが必要です。
この関数の役割
OpenGLでフレームバッファオブジェクトにテクスチャを添付するには、いくつかの方法があります。glFramebufferTexture()
は、その中でも最もシンプルで便利な方法の一つです。この関数は、フレームバッファオブジェクト、テクスチャ、テクスチャレベル、およびテクスチャのターゲットを指定することで、テクスチャをフレームバッファオブジェクトに添付します。
引数
target
: フレームバッファオブジェクトのターゲット。GL_FRAMEBUFFER
またはGL_DRAW_FRAMEBUFFER
を指定します。attachment
: フレームバッファオブジェクトに添付するテクスチャのタイプ。GL_COLOR_ATTACHMENT0
からGL_COLOR_ATTACHMENT15
までのいずれかを指定します。texture
: テクスチャオブジェクトの名前。level
: テクスチャのレベル。通常は0を指定します。
例
// OpenGL拡張機能を使用できるようにする
QOpenGLExtraFunctions f;
// フレームバッファオブジェクトを作成
GLuint framebuffer;
glGenFramebuffers(1, &framebuffer);
// テクスチャを作成
GLuint texture;
glGenTextures(1, &texture);
// テクスチャをフレームバッファオブジェクトに添付
f.glFramebufferTexture(GL_FRAMEBUFFER, GL_COLOR_ATTACHMENT0, texture, 0);
// テクスチャに描画する
...
// フレームバッファオブジェクトを解除
glBindFramebuffer(GL_FRAMEBUFFER, 0);
注意点
- この関数はOpenGL拡張機能を利用するため、すべてのプラットフォームでサポートされているわけではありません。
- テクスチャのフォーマットは、フレームバッファオブジェクトのフォーマットと互換性がなければなりません。
- テクスチャのサイズとフレームバッファオブジェクトのサイズは一致する必要があります。
補足
- Qt GUIでOpenGLフレームバッファオブジェクトを使用する場合は、
QOpenGLFramebufferObject
クラスを使用することをお勧めします。QOpenGLFramebufferObject
クラスは、フレームバッファオブジェクトの作成、テクスチャの添付、描画などの操作をより簡単に実行できます。 - OpenGL拡張機能を利用する場合は、常に最新のOpenGLバージョンに対応したドライバを使用することをお勧めします。
QOpenGLExtraFunctions::glFramebufferTexture()を使用したサンプルコード
// OpenGL拡張機能を使用できるようにする
QOpenGLExtraFunctions f;
// フレームバッファオブジェクトを作成
GLuint framebuffer;
glGenFramebuffers(1, &framebuffer);
// テクスチャを作成
GLuint texture;
glGenTextures(1, &texture);
// テクスチャをフレームバッファオブジェクトに添付
f.glFramebufferTexture(GL_FRAMEBUFFER, GL_COLOR_ATTACHMENT0, texture, 0);
// テクスチャに描画する
glClearColor(1.0f, 0.0f, 0.0f, 1.0f);
glClear(GL_COLOR_BUFFER_BIT);
// フレームバッファオブジェクトを解除
glBindFramebuffer(GL_FRAMEBUFFER, 0);
// テクスチャをレンダリングする
...
サンプル2:複数のテクスチャをフレームバッファオブジェクトに添付する
// OpenGL拡張機能を使用できるようにする
QOpenGLExtraFunctions f;
// フレームバッファオブジェクトを作成
GLuint framebuffer;
glGenFramebuffers(1, &framebuffer);
// テクスチャを作成
GLuint texture1, texture2;
glGenTextures(2, &texture1, &texture2);
// テクスチャをフレームバッファオブジェクトに添付
f.glFramebufferTexture(GL_FRAMEBUFFER, GL_COLOR_ATTACHMENT0, texture1, 0);
f.glFramebufferTexture(GL_FRAMEBUFFER, GL_COLOR_ATTACHMENT1, texture2, 0);
// テクスチャに描画する
...
// フレームバッファオブジェクトを解除
glBindFramebuffer(GL_FRAMEBUFFER, 0);
// テクスチャをレンダリングする
...
サンプル3:フレームバッファオブジェクトをレンダリングする
// OpenGL拡張機能を使用できるようにする
QOpenGLExtraFunctions f;
// フレームバッファオブジェクトを作成
GLuint framebuffer;
glGenFramebuffers(1, &framebuffer);
// テクスチャを作成
GLuint texture;
glGenTextures(1, &texture);
// テクスチャをフレームバッファオブジェクトに添付
f.glFramebufferTexture(GL_FRAMEBUFFER, GL_COLOR_ATTACHMENT0, texture, 0);
// テクスチャに描画する
...
// フレームバッファオブジェクトをレンダリングする
glBindFramebuffer(GL_FRAMEBUFFER, 0);
// フレームバッファオブジェクトをレンダリングするコード
...
これらのサンプルコードは、Qt GUIでQOpenGLExtraFunctions::glFramebufferTexture()
関数を使用する方法を示しています。これらのコードを参考に、独自のアプリケーションを作成することができます。
QOpenGLExtraFunctions::glFramebufferTexture() 以外の方法
QOpenGLFramebufferObject
クラスは、Qt GUIでフレームバッファオブジェクトを管理するためのクラスです。このクラスを使用すると、フレームバッファオブジェクトの作成、テクスチャの添付、描画などの操作をより簡単に実行できます。
// QOpenGLFramebufferObject クラスを使用する
QOpenGLFramebufferObject fbo;
// テクスチャを作成
GLuint texture;
glGenTextures(1, &texture);
// テクスチャをフレームバッファオブジェクトに添付
fbo.attachTexture(GL_COLOR_ATTACHMENT0, texture);
// テクスチャに描画する
...
// フレームバッファオブジェクトをレンダリングする
...
glBindFramebuffer() と glTexImage2D() を使用する
glBindFramebuffer()
関数は、現在のフレームバッファオブジェクトを指定します。glTexImage2D()
関数は、テクスチャの画像データを指定します。これらの関数を組み合わせることで、フレームバッファオブジェクトにテクスチャを添付することができます。
// glBindFramebuffer() と glTexImage2D() を使用する
// フレームバッファオブジェクトをバインド
glBindFramebuffer(GL_FRAMEBUFFER, framebuffer);
// テクスチャの画像データを指定
glTexImage2D(GL_TEXTURE_2D, 0, GL_RGBA, width, height, 0, GL_RGBA, GL_UNSIGNED_BYTE, data);
// テクスチャをフレームバッファオブジェクトに添付
glFramebufferTexture2D(GL_FRAMEBUFFER, GL_COLOR_ATTACHMENT0, GL_TEXTURE_2D, texture, 0);
// テクスチャに描画する
...
// フレームバッファオブジェクトを解除
glBindFramebuffer(GL_FRAMEBUFFER, 0);
// テクスチャをレンダリングする
...
glFramebufferRenderbuffer()
関数は、フレームバッファオブジェクトにレンダーバッファを添付します。レンダーバッファは、テクスチャよりも軽量なフレームバッファオブジェクトのフォーマットです。
// glFramebufferRenderbuffer() を使用する
// レンダーバッファを作成
GLuint renderbuffer;
glGenRenderbuffers(1, &renderbuffer);
// レンダーバッファをフレームバッファオブジェクトに添付
glFramebufferRenderbuffer(GL_FRAMEBUFFER, GL_COLOR_ATTACHMENT0, GL_RENDERBUFFER, renderbuffer);
// テクスチャに描画する
...
// フレームバッファオブジェクトを解除
glBindFramebuffer(GL_FRAMEBUFFER, 0);
// レンダーバッファをレンダリングする
...
これらの方法はそれぞれ異なる利点と欠点があります。どの方法を使用するかは、アプリケーションの要件によって異なります。
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